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第9話(マイク)

バスルームを出るとペアで買ったお揃いのローブを着て2人で寝室へ戻る。 ベッドに入ると、ふんわりスティーブからも自分と同じローズバブルの香りがした。 俺はベッドサイドに準備していた小さなギフトボックスをスティーブに渡した。 「サプライズ」 「何??」 スティーブは驚いている。 「合鍵だよ、この家の」 ギフトボックスには赤いリボンをかけた鍵を入れておいた。 スティーブが嬉しそうに微笑む。目尻が少しだけ下がった。 「ありがとうマイク」 「好きな時に家に来て」 キスをしたスティーブが覆い被さる。 「もう一回?」 スティーブは甘え上手だ。 「いいよ」 もう硬くなっている下半身をグッと押しつけられた。 バスローブをゆっくり脱がされ、スティーブの手が素肌に触れる。首筋に胸に脇腹にキス。 くすぐったくて身体を捩ると手首を掴まれた。 「ごめん」 スティーブはすぐに手を離す。 「大丈夫だよ」 前にスティーブから強く手首を掴まれて痣になって以来、すごく敏感になっている。 俺が、じゃなくて、スティーブが。 俺を傷つけない様に細心の注意を払っているのを知っている。 「痛くないから、大丈夫」 俺には、大丈夫って言う事しか出来ない。

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