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第49話(マイク)
こんな豪華絢爛なセレブのパーティーに来たのは初めてだ。
乗船口で電子招待状をスキャンして船に乗り込む。潮風が気持ちいい。
船内は煌びやかに飾られていた。
エントランスではバイオリンカルテットの生演奏、大きなフラワーアレンジメント、吹き抜けの天井にはシャンデリア。廊下には赤い絨毯。手摺は見事な真鍮細工。
どこもかしこもピカピカに磨かれている。
ちょっと緊張しちゃってる俺に比べてスティーブはリラックスして楽しそうだし。
それにバッチリおしゃれした恋人は周囲の視線を独り占め中。
相変わらず老若男女を振り向かせる美貌。
堂々と俺の腰に腕を回して恋人アピールしてなかったら、すぐに女性達に取り囲まれてるな。
「マイクは何か食べたいものは?」
「スティーブ」
「え?」
うわ、心の声が!!
「ごめん、間違えた」
耳まで赤くなってるのを自覚中。
スティーブは魅惑的な笑顔で
「僕も君を食べたい」
ちょっと、反則過ぎ。かっこよ過ぎ。
「マイク、食事の前に2人きりになれる場所へ行かない?」
スティーブが電子招待状のフロアインフォメーションを見せながら言った。
船内には個室のリラクゼーションルームがあった。
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