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第64話(トム)
神様、あなたが存在するのか僕は知らない。
でも、あなたに今日は感謝します。
「カイト、痛い所は?立てるか?」
「うん、大丈夫」
カイトは立ち上がって辺りを見回す。
「コレどういう事?」
「これは、、、」
ホールはめちゃくちゃだ。
そこら中に瓦礫が散乱し、怪我をしたパーティー客が倒れている。
意識が無かったが、このホールを破壊したのはカイトだ。
武装集団よりも盛大に破壊している。
それを何と伝えるか迷っていた時、ブレナン博士の夫が数人のエージェントを連れて現れた。
「先程は申し遅れました。私はWIAニューヨーク支部のエージェント•ハワードといいます。
トム•コーヴィンさん、ご同行願えますか?
あと、君も」
「同行するのは構わないが、僕はカイトと一緒だ。引き離す事は許さない。後、身柄を拘束するなら法的手段を。令状が無ければ一歩も動かない」
「大丈夫です。あなた達の安全と自由は保証します」
「分かった。ウィル!!近くに居るんだろ?!」
「はい、ボス!」
「エレナを探してくれ。さっきまで近くに居た。怪我をしていたから付き添ってくれ。無事に自宅へ送り届けるまで君に託す」
「分かりました」
「それじゃあ、行こうか」
この事件の処理に明日は社員総出だな。
損害賠償に株価暴落。
数億ドルはかかるか。
まあ、金なら何とでもなる。
人間の命だけは、どうにもならない。
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