66 / 87

第64話(トム)

神様、あなたが存在するのか僕は知らない。 でも、あなたに今日は感謝します。 「カイト、痛い所は?立てるか?」 「うん、大丈夫」 カイトは立ち上がって辺りを見回す。 「コレどういう事?」 「これは、、、」 ホールはめちゃくちゃだ。 そこら中に瓦礫が散乱し、怪我をしたパーティー客が倒れている。 意識が無かったが、このホールを破壊したのはカイトだ。 武装集団よりも盛大に破壊している。 それを何と伝えるか迷っていた時、ブレナン博士の夫が数人のエージェントを連れて現れた。 「先程は申し遅れました。私はWIAニューヨーク支部のエージェント•ハワードといいます。 トム•コーヴィンさん、ご同行願えますか? あと、君も」 「同行するのは構わないが、僕はカイトと一緒だ。引き離す事は許さない。後、身柄を拘束するなら法的手段を。令状が無ければ一歩も動かない」 「大丈夫です。あなた達の安全と自由は保証します」 「分かった。ウィル!!近くに居るんだろ?!」 「はい、ボス!」 「エレナを探してくれ。さっきまで近くに居た。怪我をしていたから付き添ってくれ。無事に自宅へ送り届けるまで君に託す」 「分かりました」 「それじゃあ、行こうか」 この事件の処理に明日は社員総出だな。 損害賠償に株価暴落。 数億ドルはかかるか。 まあ、金なら何とでもなる。 人間の命だけは、どうにもならない。

ともだちにシェアしよう!