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第71話(カイト)

トムはちょっと不満そうだけどWIAに協力する事を決めた。 【カイト大丈夫か?】 頭の中に直接声が聞こえた。 俺は驚いてトムをみる。 【WIAを信用した訳じゃ無い。今日は彼らに合わせておいて、今後の事はゆっくり話し合おう】 俺はそっと頷いた。 「カイト、君には一旦ネオヒューマンズ用のグローブを貸しておくよ」 グラスゴー博士は薄いグレーの生地の手袋をくれた。 「このグローブで一時的に君から放出するエネルギーを抑える事が出来る。君専用に設計した訳じゃ無いから、来週にでも新しい物を用意するよ」 「ありがとう」 「どういたしまして。改めて僕はグラスゴー博士、宜しく。 今日ニューヨーク支部にワシントンから移動して来たんだ。ネオヒューマンズの道具は大体僕が作ってるから、何かあればニューヨーク支部で対応するよ」 「宜しくお願いします」 「じゃ、僕はオフィスに戻るので」 グラスゴー博士は部屋を出た。 変わってる人みたいだけど、なんか良いヤツそう。 「今日は一旦ここまでにしましょう。あなた方も疲れたでしょう。エージェントにご自宅まで送らせます。こちらへどうぞ」 ハワードさんに連れられ俺達は黒いフルスモークSUV車に案内された。

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