73 / 87
第71話(カイト)
トムはちょっと不満そうだけどWIAに協力する事を決めた。
【カイト大丈夫か?】
頭の中に直接声が聞こえた。
俺は驚いてトムをみる。
【WIAを信用した訳じゃ無い。今日は彼らに合わせておいて、今後の事はゆっくり話し合おう】
俺はそっと頷いた。
「カイト、君には一旦ネオヒューマンズ用のグローブを貸しておくよ」
グラスゴー博士は薄いグレーの生地の手袋をくれた。
「このグローブで一時的に君から放出するエネルギーを抑える事が出来る。君専用に設計した訳じゃ無いから、来週にでも新しい物を用意するよ」
「ありがとう」
「どういたしまして。改めて僕はグラスゴー博士、宜しく。
今日ニューヨーク支部にワシントンから移動して来たんだ。ネオヒューマンズの道具は大体僕が作ってるから、何かあればニューヨーク支部で対応するよ」
「宜しくお願いします」
「じゃ、僕はオフィスに戻るので」
グラスゴー博士は部屋を出た。
変わってる人みたいだけど、なんか良いヤツそう。
「今日は一旦ここまでにしましょう。あなた方も疲れたでしょう。エージェントにご自宅まで送らせます。こちらへどうぞ」
ハワードさんに連れられ俺達は黒いフルスモークSUV車に案内された。
ともだちにシェアしよう!