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第77話(マイク)
目が覚めると、知らない天井だ。無機質な蛍光灯に照らされ顳顬がズキっと痛んだ。
「気が付きましたか?」
白衣を着た金髪の美少年が顔を覗き込んだ。
「誰?ここは?」
「僕はWIAの医療班のスイーツ博士。君は高熱を出してニューヨーク支部に運ばれて来たんだよ」
「スティーブは?」
「エージェント•ワイルドは君をここへ運んでからどこかに行ってしまったけど、すぐに呼び出すから待ってて」
「いや、呼ばなくても大丈夫。俺はもう平気だから家へ帰るよ」
「まだ無理は良くないと思うけど。エージェント•ワイルドならまだニューヨーク支部内に居るはずだから、、、
「スティーブは呼ばないで」
マイケルは俯いて絞り出すように声を出す。
「じゃあ、誰かエージェントに家まで送らせるから、少し待ってて」
スイーツ博士は通信機でファミリーケアチームへと連絡を入れた。
俺には少し考える時間が必要だ。
思考がうまく纏まらない。
俺はどうするべき?
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