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第79話(カイト)
「カイト、愛してる」
そう言って何度もキスをした。
トムはいつだって、捻くれた性格だし偉そうで自尊心の強いタイプだけど、ユーモアがあって面白い人だ。
そして、恋人仕様のトムは甘くて優しい。
【キスして】
「頭の中に直接話しかけんなよ」
「便利だからつい」
「なにがついだよ」
「それよりカイト、君のビリビリはまだ治らない?」
「さっきグローブ外したら火花がスパークした」
俺とトムは一夜明けて約束通り朝食をルームサービスして食べてる。
「そうか。解決法を考えないと。僕の会社に宇宙技術開発関連の子会社がある。そのグローブもそこで調べてみよう」
「グラスゴー博士が新しいのくれるって言ってたけど?」
「WIAを信用出来ない。なるべく早く距離を取りたい」
トムは触れた人間の心の声が聞こえるネオヒューマンズだって昨日知った。
しかも、覚醒して十年以上。
そりゃ人間不信にもなるよな。
ちなみに、俺の心の声は聞こえないらしい。
「もうすぐエレナが僕達の着替えを持って来る。着替えたら君はウィルに車で送らせるよ」
「ありがとう」
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