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エピローグ2

「ねぇ、大丈夫?」 私は部屋の隅で蹲る女性へ声を掛けた。 彼女の名前はマリア。先程資料で見たばかりだ。メキシコ系移民。長い黒髪のエキゾチックな女性だ。確か年齢はまだ16歳。 「こっちに来ないで!」 「マリア、大丈夫だから落ち着いて。あなたを助けに来たの」 「あんた誰よ!?何で私を知ってるの!?もう放っておいてよ!!来ないで!!近づいたらまた殺しちゃう」 「落ち着いて。私は死なない。だから大丈夫。こっちを見て」 「私をどうするつもり?!さっきの警官は私を撃って来たのよ?!刑務所行きはごめんよ! 私は、、、私は誰も傷つけたく無い!!」 「誰も貴女を撃たない。私が保証する。私は味方よ。助けに来たの。こっちを向いて。私を見て」 「ダメよ、見れない!!見たらあんた死んじゃう」 「大丈夫。本当だから信じて。私はあなたの仲間よ」 「仲間なんて居ない」 「落ち着いてマリア。私は助けに来たの。お願い、ゆっくりこっちを見て」 マリアは恐る恐る顔を上げた。 そして、固く閉じた目をそっと開く。 その瞬間、目が金色に輝き強烈な光線を放った。 「大丈夫よ、マリア。私はダイヤモンド。あなたと同じネオヒューマンズよ」 家中を黒焦げにし、警官の足を焼き切ったマリアの目から放たれる強烈な光線は、ダイヤモンドに当たると反射してキラキラ輝きを増した。 本当にダイヤモンドのように全身がキラキラと輝いている。 「あんた、何なのよ」 「私はWIAのエージェント•ダイヤモンド。助けに来たわ」

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