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第11話 もっと

「あっ……」  とろりとしたローションがペニスの付け根に垂らされる。 「んっ……ふっ……ぅ、ンン」  とろり、とろりって、垂らされて、伝って、そこが濡れる。 「ああっ」 「渡瀬」  夜景が楽しめるようにと考えて、窓のところに腰をわずかにかけられるよう出窓になっていた。その出窓に夜景も見ずに、ガラス窓に背中を預け、腰をわずかにかけることのできる狭いそこで脚を開き、自分で買ってきたローションを垂らしてもらって、指を。 「あぁぁあっ!」  挿れられて悦がってる。  指をそんな場所に挿入されながら、乳首を喰まれて、甘い声を上げてる。 「あ、あっ」  狭いから、脚を拡げようとしたら、思い切り開かないといけない。 「ああっ!」  くちゅりと甘い音がした。ローションで濡れた孔を行き来する先輩の指。その長い指が動く度に自分じゃないみたいな嬌声と濡れた音。 「あ、せんぱ、ぁっ、あっ……あっ」  切なくなるくらい、昨日のセックスの快感がまたそこから滲んでく。  背中を預けてる窓ガラスは冷たいのに、先輩と向き合って、解されてる孔は熱くて、舌で濡らされた乳首を指でキツく摘まれてジンジンした。愛撫と無機質なガラス、その温度差に目眩がする。背中の冷たさと先輩に触れられてる部分の熱さにが気持ち良くて、堪らない。  今、自分が側から見たらどんな格好をしているのかって考えただけで、興奮した。 「あぁっ」 「渡瀬」  指でされてる孔みたいに、口にも、先輩のが欲しい。舌にもキスが欲しい。先輩の。 「あ、先輩、せ、あっ……んんん」  舌を差し出すように口を開いたら、キスをくれた。挿し込まれて、絡めとられるとゾクゾクして、自分からも舌にしゃぶりついていく。首を傾げて、餌を欲しがる雛みたいに。下の孔をくちゅくちゅ卑猥な音をさせ弄られながら。 「ンンっ」  指が増えた。 「痛いか?」  それが堪らなく気持ちいい。だから。 「へ、き……もっと、して」  もっと脚を開いて、もっと舌にしゃぶりつきながら、キスの合間に何度も「もっと」ってせがんだ。 「渡瀬っ」 「あっ」  そこ、昨日の。 「あぁぁぁぁあっ!」  指があそこを撫でた瞬間がくんと腰が跳ねて、ギリギリで踏ん張っていた足が出窓の縁を踏み外した。けれど、落っこちなかった。 「すげぇな」 「あ……あ……」  先輩が脚を抱えてくれたから。片足を手で抱えて。  まるで貴方に脚を開かせられてるような格好で、気恥ずかしいのに。 「あぅ……あ、っ、くぅ……ん」  まるで先輩に犯されてるみたいないやらしい格好だと、増やされた指にしゃぶりつくほど興奮してしまう。 「興奮する」  考えてた言葉に先輩の声が重なった。 「ぁ、先輩、ほ、んと?」 「っ」 「あっ」  バスローブのベルトを外すと前が解けて、先輩のが、見えた。太くて大きくて、ちゃんと勃起してくれてた。俺の身体にちゃんと興奮してくれてた。 「あ、あっ……」 「渡瀬」 「あぁっ……」  その硬いのが入ってきてくれる。  指を引き抜かれ、ヒクついて焦れて焦がれるそこに、先輩のペニスの先端が口をつけただけで、ドキドキして。 「あぁぁぁあっ……んんん、ンン、くっ……ふ、あっ……ぁ、んんっ」  ゆっくり貫かれて、本当にとろけてしまう。挿入されながらのキスに夢中になってしまう。 「あっん、せんぱ、あ、ン」 「っ」 「あぁぁ、先輩、あ、ンっ」  窓際に腰をかけて、脚を限界まで開いて、ペニスを挿入されてる。 「あ、あ、あ、あっン」  気持ち良くておかしくなりそう。 「あぁぁあっ」  先輩の手で脚をもっと開かされて。 「あ、あン、あっん……んっ」 「気持ちいい?」 「あぁぁぁ」 「俺も」  腰を突き入れるように貫かれて甘い悲鳴が溢れるほど。 「渡瀬ン中」  先輩に抱かれるのが気持ちいい。 「あぁぁあっ」 「やばいくらい」 「あぁあああ」  もどかしい。  狭いここじゃ、手をついてないと滑り落ちてしまいそうで。前も触りたいのに。  何度も行き来する硬い熱に喘ぎ声が止まらない。もっとたくさん擦られてたくて、前立腺も、奥も、孔の浅いところも全部、全部、擦ってもらいたくて、先輩のペニスのカリのところで引っ掻いて欲しくて自分からも腰を揺らした。  ずちゅグチュ、卑猥に響く音をさせて、もっともっとって。 「渡瀬の中、気持ちいい」 「あ、あ、あ、あっ」  もっとしてって。 「イく……先輩」 「っ」 「あ、あ、あ、先輩、先輩」  先輩が苦しそうに顔を歪めて、けれど笑ってた。唇の端を吊り上げて、視線は鋭いまま、荒々しく腰を動かして。呼吸を乱して、何度もペニスを突き入れてくれる。  堪らなく気持ち良くて自分でも前立腺を可愛がられようと、腰を揺らした。 「先輩っ」  そこ、気持ちいい。もっと擦られたい。 「あ、あ、っ先輩」  もっと引っ掻かれたい。 「あ、ン、あっン先輩」 「それ、すげぇいい」  もっと突かれたい。奥のとこ、すごく気持ちいい。 「必死になって俺のこと呼ぶのさ」 「ああっセンパイっ」 「すげぇ、クル」 「あっ!」  もっと奥に先輩のペニスが突き立てられて、引き抜かれ、また突き立てられて。 「あ、あ、あ、イく、先輩、もっ、イッちゃう」 「っ」  先輩が両脚を持ってくれた。脚を限界まで開かされ、その奥にたくさん打ち付けるようにペニスを咥え込んで。 「あっ」  しゃぶりつきながら。 「ああああっ」  夢中になって前を扱きながら、ガツガツと貪るような荒々しさで突き上げられ喘ぐ姿を見られながら、赤い鬱血がたくさん残る、今日もまたつけてもらえた赤い痕にまで届くほど、射精した。

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