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第49話 性感帯
妬いたんだ。
やきもち。
「ミキ?」
貴方は俺のだもの、っていう、チリチリチクチクした独占欲を持った。
「ミ、」
「今日は、俺がします」
貴方は俺の。
「先輩は……寝てて、ください」
どこにも行っちゃダメ。
「俺が、しますね」
だから貴方の上に跨って、そっと、その唇にキスをした。
バスローブ姿だった彼女は身支度を手短に済ませると、この部屋は勝手に使ってもらってかまわないわと先に出て行った。結構いいホテルだった。夜景も綺麗だったし、ルームサービスだって自由に頼んでいいって。今回の逃亡を手助けしてくれたお礼だと言っていた。
けれど先輩は帰ろうって言った。
先輩の部屋へ。
うちへ、帰ろうと。
――楽しいんだよ。お前が俺の部屋にいるのを見ると。
「っ、ミキ」
――この部屋にいるのが楽しくなるから。
「っ、はぁっ」
カリのところを唇できゅっと締め付けて、丸い亀頭を口の中でくるりと舌を巻きつけるように舐めると、俺の髪を先輩が掻き乱した。
気持ちいいですか?
「っ、あ、ミキ」
俺の、フェラチオの仕方。
全部貴方に教わった。
ちゅぅって音を立てて唇からペニスを離す。先端だけをちろりと舐めて、先輩を見つめながら、膨らんでる袋を口に咥える。口の中で二つのそれを順番に含んで、大きな飴玉みたいに舐めてみたりして、それから、やっぱり貴方を見つめたまま、ピクピク跳ねて反応してくれるペニスの裏筋を唇でなぞって、また先端にキスをした。
「ん……先輩」
太くて、大きくて、熱くて。
「ん、ンンっ……ん、んくっ……んん」
こんなのが俺の中に後で入ってくる。
「ん、ん、んんんっ」
ここ、前立腺のところをこのペニスで擦られるとたまらなく気持ちいいんだ。ここの、今自分の指に当たる少しだけ膨らんでるところ。
「ミキ、今、指、何本?」
くちゅくちゅ、はしたない音を立てながら、自分の指で孔を柔らかくしてる。この準備の仕方だって貴方に教わった。自分では怖くてしたことなかった。ここはいじらなかったもの。
「あっ……ン、今、指、二本」
「……」
「あぁぁっ! 今、三本目、をっ」
そこに指を挿入して、柔らかく、貴方とセックスできる孔に仕立てる。ゆっくり丁寧に貴方は毎回解してくれるから、もうこの太いのを挿れてもらうころには、気持ち良くて仕方ない。
「あっン」
すぐにイッてしまいそうになる。
「ミキ、髪、汚れるぞ」
指で孔を解しながら、貴方のペニスに頬擦りをしてた。大好きな人の身体は愛しくてたまらないから。
そして、そのペニスに髪が触れてしまうと先輩が俺の、少し長くなった髪を指でかき上げてくれた。
「ん、んくっ……ン、ん」
貴方に見てもらえるように、長い髪で隠れてた顔をそちらに向ける。やらしい顔、をしてる? 貴方のペニスに口付けながら、指で秘密の場所をいじくる俺は、欲しがりな顔を、してる?
「ミキ」
先輩の長い指が俺の髪を撫でてくれる。
「ん、んんんっ」
その指のせいで、髪もね、触れられると感じるようになった。ゾクゾクしたり、気持ち良くなったり、興奮したりする。
「ん、んっ」
ほら、髪を撫でられただけでお尻の孔がキュンキュンしてる。そうして、髪に感じながら、丁寧にペニスを舐めて口に含んでしゃぶりついて、三本の指で恋しい人が気持ち良くなれる身体に自分で仕立てるの。
「ミキ」
全部、貴方に教わった。
「お前のフェラ、すごい気持ちいい」
「ん、んっ……ンンっ、ん、くっ……ン、ン」
「たまんない」
俺の身体を貴方に仕立ててもらった。
「あっ、まだ、口で」
腕を引かれて、貴方の上に跨るように促される。
「っ、ぅ……んっ」
ゾクゾクって、感じてしまう。
「あ、ああぁぁぁぁ」
乳首を口に含まれて、すごくすごく気持ち良かった。
指を咥えていた孔がすごく嬉しそうに締め付けたほど。
「あ、あ、あ、ダメっ、先輩、今日は、俺が」
乳首を舐められて、齧られて、また舌で可愛がられてびしょ濡れになる。
「あっンっ」
もっと齧られたくて、胸を先輩の唇に押し付けながら、指はずっと孔をくちゅくちゅいじってる。
「はぁっ……ン」
それ、気持ちいい。
「これ、好き?」
「あ、好き」
噛まれると、少し痛くて。
すごく気持ち良い。
「あンっ……ぁ、それ」
俺の乳首を食む口元が笑ってる。楽しそうにそこにくっついた二つの粒をもてあそんで、舐めて、吸って、感じてしまうよう仕込んでく。やらしい、すけべな可愛がられたがりの乳首に。
「あっ……先輩っ」
どこもかしこも気持ちいい。痛いのだって快感で、まだもらえてないと焦らされることすら快楽で。セックスに悦ぶ身体にしてもらった。
「先輩っ」
貴方に仕込んでもらった。三百万で教わった。
「ミキ」
「あっ……ン」
指を抜くと、身体が途端に切なくなる。
「あ、先輩」
貴方が欲しくてたまらない。
「早く、中に挿れさせて」
引き寄せられて、腰に手を添えてくれるだけでイッてしまいそう。
「好きだよ……ミキ」
そう言われただけで、達してしまいそうなほど、貴方が欲しかった。
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