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第九章 熱い愛 ②

 体を回されたと思ったら、熱い舌が背骨に沿うように腰からうなじにかけて上ってきた。  うなじに到達すると同時に純己は首を反らせて裏返った声を出した。また仰向けにひっくり返されて手を枕の横に押し付けられた途端に脇を舐められた。 「あああ! そこ、だああ、めえ、あっ、だって!」  純己の全てをニックの唾液で濡らさないと気が済まないかのように乾いた場所がなくなり始める。  ニックは純己の両手を口元に引き寄せ、数本まとめて口に含み舌を絡ませる。 「ぁあんっ、い、やはぁ……」 「純己の指先もこれから何を触ろうとまずは俺の印を付ける」  十本舐め終わるや否やニックは手早く純己のズボンと靴下を脱がせ、ドット柄のボクサーパンツだけにさせた。 「純己はなんでこんなに可愛いパンツが似合うんだっ」 「え……な……」 「純己がこれからどこを歩こうとまずは俺の印を付けるんだ」 「や……」  ニックは純己の細くて白い両足首をそれぞれ握った。少しだけ開いた股の間の上品な膨らみの先端に、ひと際大きな濃い色のドットができていた。 「濡れてるじゃないか純己」 「あ、は、恥ずかしい……」 「もっとそう思わせてやるからな」  ニックは、アイスクリームでも頬張るかのように握った足首を口元に寄せ、足指を一本ずつ口に含んでは複雑に舐め上げた。  初めて感じる感覚に純己はシーツを握り締め、背中を反らせる。 「あああっん! そん、な、とこ! き、汚いから……っ」 「汚いわけがない……純己の体はどこもかしこもきれいだ……可愛いよ……最高だ」 「っんっはっ、あ……っ、ダメ……んんっ!」  恥ずかしさと申し訳なさがちゃんとあるのに快感の渦の方が強く回ってしまう。ただのこそばゆさとは違う、もっと奥のある深い甘痒さ。思考も身体の動きも止めてしまう痛烈な快楽が純己の嬌声を呼び起こす。 「きゃはぁぁぁッ……あああ……っっ、はぁん……っ、ダ、メんんん」 「そうか……ここもいいんだな……エッチな子だ……ここもちゃんと覚えておくぞ。これから一生かけて感じさせてやるからな」  ニックは足指を舐め咥え甘噛みし、力が入って閉じている指と指の間を広げるように舌で割った。 「お、おかし、く、なっちゃ……ぅ、よぉ……ああん」 「俺の前ではなっていい、俺の前だけでは、おかしくなった純己も見せてくれ!」 「ぃやぁぁん……あ、ア、い、ラめぇぇッ……っ」 「その顔が見たかった、その声が聴きたかった、乱れ狂う純己が見たいんだ! 本当の純己を、誰にも見せたことのない純己を俺の前に全部出してくれ!」 「あっ……あぁ……はあんんん」  ニックは純己の股を開き、パンツの膨らみに顔を近づけた。 「純己、こんなに濡らしちゃいけないじゃないか。なぜ濡れたんだ? 言ってみろ」 「……や……」  純己は遠慮がちに首を横に振った。 「ダメだ、言え! 濡れた理由を言うんだ! じゃないとお仕置きが待ってるぞ!」 「……ニック、に……あ、愛撫、されて……先走り、が、出ちゃった……から」  純己は淫猥なことを言わされた羞恥で顔が赤く染まる。 「いい子だ、ご褒美だ」  ニックはパンツの上から純己の膨らみに食らいついた。 「ああっ!」  布を通して生温かく柔らかいものが性器を刺激する。ペニスを啄んだり甘噛みしたり、睾丸を丸呑みするように愛撫した。純己のパンツはニックの唾液の染みのせいで何の柄か分からなくなった。 「あ、あ、わ、だ、わぁぁ……んうん」  ニックが鼻で大きく息を吸う音が響く。 「純己の匂いがする……いいよ……おかしくなりそうな匂いだ……まったく」 「はあ、はあ、ああっいいん」  純己のパンツを下ろして自己主張の少なげな膨張したペニスを晒す。 「んあ……」  露わになってしまったものをニックは躊躇わず舌でなぞって、口に含んで頭を上下させ、少し下にある小さな袋に大口で吸い付く。  純己のそこは温かくて柔らかい弾力に包まれてまた裏返った声が出た。 「ああ、ああ、いい……ん、はっ」 「全てが美味だ……」  ニックはそれがまるで世の中で一番甘い果汁を出す果実かのごとく、飢餓を満たすようにじゅるじゅると淫猥な音を立ててしゃぶりつくした。 「あはぁ、んんうぅ、ひぃぃあっ」  突然屹立への愛撫が止められ、純己が目を開けた瞬間、自分の腰が曲げられ膝が顔の近くに来ていて、片方の足首にパンツが引っかかっていることを認識した。  それは同時にお尻の穴が天井を向く体勢になっていた。 「純己の蕾だ……きれいだ……本当に今にも花が咲きそうだ……どうしてこんな可憐な色をしているんだ……」 「あんん、恥ず、か、しい……」 「この蕾は、純己の蕾は俺だけのものだからな! 絶対に誰にも見せないぞ! 分かってるだろうな純己!」 「も、もちろんだよニック……僕はニックだけのものだから、安心して、お願い」 「ダメだ、安心などできない! ここを、この可愛い蕾の味を知るまでは安心など……」  ニックは純己のアナルにキスをした。何度も唇で啄み、熱い唾液をまとった舌でレロレロと舐め始めた。 「ぅん……ふぅはっ……ニッ……うう……そこは、洗ってない、のにっ」 「純己は何もかもがきれいなんだ、純己の全てを俺にくれ」  ニックの興奮した身体から発せられる熱が舌先に集まり、純己の秘穴を炙っていく。  熱い軟体が蠢いて絶え間なく粘膜を撫で回す。 「ああっ、だめっ、うわあっ、はああっ」 「純己、いい顔してるぞ、もっと感じろ」  ニックの鋭い目が股の頂点から純己を見下ろしていた。愛撫されながら喘いでいる表情を観察されている。その、身動きも取れない、何も隠せない状況が純己の欲情を湧かせた。 「ああ……僕……あぁ……もう……んん」  ニックは優しく純己の腰と脚をベッドに着地させ、太腿にキスをして、膝をついて自分の上着を脱ぎ捨てた。凛々しい筋肉が付いた上半身が露わになった。  ベルトを外す金属音が聞こえ、純己は手を伸ばした。 「僕が……」  ニックのズボンの真ん中は、その生地をはね返すように膨らんでいた。 「……触っても、いい……?」 「あぁ……」  ズボンの上から触ると、人の肌だとは思えないような固さのものが中に入っていて、純己の柔らかい手を即座に押し返す。  ズボンを下ろすと、ボクサーパンツの上からニックの一部がはみ出していて、その先端がぬめりで光っていた。がっちりとした太腿も見え、余計に純己の気持ちは昂った。 「純己、さあ俺がしたようにしてごらん」 「……うん」  ニックの長大なものにパンツの上から唇と舌を這わせていく。 「ニックの匂いがする……」  ニックを見上げた。ニックは純己の後頭部に手を添えながら上からじっと見ていた。 「可愛い……その瞳がセクシーだ……」  ニックのようにはうまく連続した愛撫ができなかったが、ニックのものに触れる喜びはずっと湧いていた。その気持ちが通じたのかニックの先からはとるとると我慢汁が溢れていた。 「……ニックの、直接なめても、いい?」 「いいよ」  純己はニックのはみ出している張った傘を舌先で舐めながらパンツを下ろした。どこまで下ろしても全容が見えないのがニックの屹立の大きさを物語った。  下ろし切ったとき弾みで純己の口からニックのペニスが外れた。そのとき、長くて太い肉棒が下から上へとしなって跳ね上がった。 「ぉ……おっきぃ……」  長くて太いニック自身をまんべんなく舐めるのは大変だった。舌の唾液が途中で途切れるくらいにどこまでも大きい。  ニックのを手に持つと、やっぱり自分の手首を握っているような感じがした。 「すごい……」  まず先だけを口に含んで切ない味をきれいに飲み込んだ後、口の奥に進めた。ニックが口いっぱいに入っていると思うと、嬉しさとむず痒さが体の中心から這い上がってくる。 「あああ、いい、はああ、気持ちいいぞっ純己」

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