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離さない

セミダブルのベッドにデスクトップのパソコン。大きなコルクボードには、たくさんの写真が飾ってあった。 大学のもの、学生時代のものも。そこには、若き日の徹の姿もあった。雑然としているのではないかと思われた部屋は、かなり、シンプルではあったが、綺麗にしている。 が、パソコン脇の小さなサイドテーブルには、書類のような紙が山盛りになっていた。 ベッドに投げられるように押し倒される。その上から噛み付くように、唇を押し当てられた。自然と開く唇の間から、奥山の舌が入り込んでくる。 粘膜の弱い部分を知ってる舌が、歯列をなぞり、応えるように舌を絡めながら上顎を刺激する。その感覚に躰がピクリと反応し、上がった息から吐息が漏れる。 「…んふっ…はぁ…」 「わかってるだろうな。抱いたら、俺から逃げることは、絶対に許さないからな。」 ギラギラとした欲情の焔を宿した眸と眸が合う。そんな眸をしたやつがこの状態から止められるわけがないことを、身をもってよくわかっているのは翔の方だ。 「……ちゃんとわかってるよ……オレにだって選ぶ権利があることを忘れないでね……?」 大きな手が、頬をなぞり、首筋へと指を滑らせた。背筋がゾクリとして腰の奥に熱が灯る。そのまま身体のラインをなぞり、シャツの上から胸の尖りを軽くつねる。 そのままやわやわと乳暈をなぞり刺激していると、充血して段々と固くなってくる。 「…勃ってきたな。気持ち良いか?良ければ良いと言え。その方がもっと気持ち良くなれる。俺もおまえもな……」 シャツを捲り上げられ、露わになった素肌にキスをしながら、固くしこった乳首に吸い付き甘噛みをする。 「…あぁ!!……んぁ……」 唇にその場所を明け渡した指が、弱い脇腹を滑り、熱を持って勃ちあがり始めた欲望を服の上から上下に強く指先でなぞりだす。今ひとつ足りない刺激にイラつきながらも、もっと強い快感を求めて腰が揺れる。 「……はぁ……ん……もっと……もっと……ちゃんと……触って……先生……」 「……先生はやめろ。そんなプレイはしてねぇよ。敬吾だよ。翔、敬吾って呼んでみろ。」 熱っぽく、腰にくる低音を耳元で囁かれ、それだけで欲望がピクリと跳ねて、ジワリと下着を濡らした。 「け……い……ごっっ……イィ……」 「……そう。いい子だ」 慣れた手つきで下着ごと下衣を脱がされ、少し開いた足の隙間に、敬吾の身体が滑り込む。 今度はしっかりと握られたそこからは溢れた蜜が滴り、扱くたびにクチュクチュと濡れた音がする。 「…すげぇ、ヌルヌル。どんどん溢れてきてるぜ。」 陰茎を扱かれながら、先の割れ目に舌の先でグリグリとねじ込むように愛撫されると、射精感が高まってくる。が、そこで、手も口も離され、サイドテーブルに手を伸ばし、指にチューブからジェル状のものをたっぷりと出し、後孔に塗りつけながら、ゆっくりと解すように撫で付ける。 その指が徐々にジェルを中に塗り込めるように、少しずつ侵入してきた。一本目が余裕だとわかると、指を二本に増やし、中を探り始める。慣れた手つきで感じる場所を探し当て、集中的にそこを擦りだした。 「あぁん!!はぁ…やぁん!!」 強い衝撃に背も首も仰け反り、内壁はもっと強い快感を求めてうねりながら指を締め付ける。腰が動くのをある止めることが出来ない。 「ん?嫌なのか?じゃぁ、指を抜こうか?我慢出来るならな。どうして欲しいか言ってみろ」 「ぃや……じゃない……もっと……欲しっっ」 男の太い指は、更に指を増やして、グチュグチュと音を立てながら、抜き差しを繰り返しながら、快感を引きずり出していった。ゲイをカミングアウトするだけあって、手馴れている、と思う。 躰が繋がっているわけではないのに、すでに、セックスをしているような錯覚に陥っていた。

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