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あなたが……
さらに指を増やされて、感じるところをグリグリと攻め立てながら、中を広げるように。指が動く。
「…んっ、あぁっ!…あんっ、あっ、あっ、あぁ…」
久しぶりの感覚に、呼吸のタイミングがつかめずに喘がされ、口と喉がからからになってきた。
それをわかっているかのように、唇を塞がれて口腔内を弄られ潤されて、唾液を注ぎ込まれ飲まされる。それでも止まらない動きに翻弄され、胸の尖りに噛み付くように吸い付かれた時には、達きそうになるが、そのタイミングで、ペニスの根元を握られ、達くことができない。
張り詰めたその場所から、蜜だけが流れるように溢れ出す。その苦しさに首を振るが
「まだだ。もっと良くなれ。俺の数年間の我慢を知れ。」
指を引き抜き、赤黒くて、太く大きい自身を取り出し、見せつけるように、オレと自分の先走りを使い、グチュグチュと音を立てながら、軽く扱いて、ピクリと跳ねて、より固さを増したそれを見て、オレは無意識に、ゴクリと唾を飲んだ。指を喪失した孔は次を欲しがるようにひくつき、貫かれるのを待ちわびた。
熱い楔が充てがわれた瞬間…
ゾワリ、と期待に全身が粟立つ。
欲しい…早くこの男で満たされたい。
「……敬吾……早く…あなたが欲しい…」
荒い息のまま、両手を伸ばして、宙を彷徨わせながら、彼を求めた。
敬吾はグチュ、グチュ、とわざと音を立てながら、入口を探しているかのように、焦らし、擦り付けていた。
「……おい、小悪魔……おまえ、まだ、俺に言ってないことがあるよな?それを言ったら、ご褒美に入れてやる。」
このタイミングで?とは思ったけれど、思いつく限り言わなくては、答えは出ないだろう。
「…敬吾が……好き……敬吾の……ものにして……」
「よく出来ました。」
ご褒美と言わんばかりに、すぐに肉が強引に割られる感覚が、後孔から身を割かんばかりと侵入してくる。指とは比べ物にならない圧迫感に、まだ、痛みしかない。
「…あ……あ……あ……あ……」
その痛みが伴うのは仕方ないにしても、その痛みを逃がすために、声が出てしまう。
カリの部分が収まるまでは、ゆっくりと挿入していたが、そこが収まると、ペニスの根元を握ったままなのに、一気に貫いてきた。
男を知り尽くした男は、絶妙な角度で貫いてくる。ビリビリとした甘い痺れが走る。衝撃で達きそうになるが、根元を握られたままでは達くことが出来ない。
「あぁぁぁぁぁぁ!!」
痛みに耐えていた声が、急に甘みを帯びた悲鳴のような歓喜の嬌声に変わる。
ドライで達った躰は、絶頂を継続させた状態で、これからの抽挿を迎えなければならない。奥山敬吾との、初めてにして、これ以上のない快楽が待ち構えていた。
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