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陥落
やっと、手を外されて始まった交わりは、このイキっぱなしの状態にならずとも、オレを夢中にするのに十分な質量をもっていた。ほかの誰よりも太く、長い奥山のモノは、躰の奥で、ドクドクと脈打っている。
その繋がっている部分の腹の上に手を当てて、息の荒いまま、そっとその場所を撫でる。
「……はぁ、はぁ……ここに、敬吾……感じる…よ?…すご…い、深い……」
マサキが夢中になるのもわかる気がするが、敬吾はその逆を知りたがっていたなぁ、と余裕のない頭で考えていた。
「……夢にまでみたおまえの中、すげぇ、最高……っと、あまり締め付けるな。もたなくなる」
「……締めて…ない……敬吾のが、大きすぎるんだよ……」
躰が喜んで、包み込む内壁がうねっているのが、自分でもわかるほどだ。
「とりあえず、柳田と児嶋には勝ってるんだな。」
少し嬉しそうに、敬吾がニヤける。
手の離されたペニスからは、勢いをなくしたまま、トロトロと白濁が陰茎を伝って流れ落ちている。
背中に腕を回すと、それが合図だったように、ゆっくりと奥山が腰を動かし出す。その愉悦にウットリと身を委ねた。
「…ふっあぁ…んっ、ふっ…はぁ…あっ、あっ、あっ、んっっ!」
声が止まらない。抱かれることに馴染んだ躰は、苦痛の部分よりも快楽を拾うことに長けていた。女みたいに喘ぐ声は高く、今までの誰との交わりよりも甘みを帯びている。
自分の声なのか?どこか遠くに聞こえるその声と、呼吸のリズムが一致するから、自分のものなのだろう。ここまでの声を上げたことはない。こんな媚びた声、後で敬吾にからかわれそうだ。が、我慢がきかない。
「…っ…もっと、もっとだ。声を聞かせろ。おまえの声、すげぇ、腰にクる、いい声だ。」
抽挿しながらの感じ入った腰に低く甘い声……オレもその声にも感じてしまう。だんだん早くなって行く抽挿に、もう、なにも考えられず、途切れ途切れだった喘ぎも、長い悲鳴のような、切ない声に変わる。彼の背に回した手にも力が入り、足の指先も受け止めた快楽を流しきれず、つま先が丸まって奥山の腰に巻きついていた。
「そんなんしたら、腰が動かせねぇよ。もっと脚の力を緩めろ。もっと気持ちよくなりてぇんだろ?」
「……もっ…ダ…メェ…やぁん……イクっ、イクっ!!イっちゃ…ぅ…」
「イキっぱなしのくせに、まだ達くのか。貪欲な身体だな。すげぇ、好みだ。」
白濁を飛ばすことなく、躰がピクリ、ピクリと小刻みに痙攣しながら、変わらず、ペニスからは、白濁したモノが流れでいる。その所為で、中の奥山も締め付けてしまう。
耳元で息を詰めるのを感じる。
「…んっ……んっ…ふぅぅ」
と鼻から抜ける息で、終わりを告げた。直後、躰の奥に熱い飛沫を感じる。
「敬吾の…熱い…の…感じる。たくさん飲ませて…」
「…本当に、おまえは……小悪魔、俺も足りねぇ。次いくぞ」
そう言って、また、腰を律動し始めた。
「ふぁっ、あぁ、あぁ、あぁ、あぁ、あぁ、…」
中に吐き出された敬吾のものも、更なる潤滑剤になり、抽挿する腰の動きの動きは、変わることなく激しく浅く、深く、突き上げてる。
「……すげぇ、いいぜ。そのエロい表情が最高……もう、俺以外、誰にも見せるなよ?」
「あぁ、ンッ……そ……なの……当たり前……でも、敬吾の、命と、引換に……なったら……はぁ……んぅ」
「……なっても、そんなことさせねぇよ。俺は本気でお前を手に入れたいんだ。浮気は許さない」
「……その……言葉、そっくり………返す……あぁぁん!!」
ラストスパートに向かい、腰の動きがさらに早くなる。
オレは、敬吾の背中に爪を立てながら、夢中でその愉悦に溺れていた。
その後、敬吾は、もう1度出した後、再度、腰を動かし、三回目へと突入するのだった。
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