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第19話
「ええ、まぁ1日くらいならいいけど。コタは大丈夫なの?」
「大丈夫だよ、お前と俺似てるからコタ間違えるし。シバくんの事も好きだし。だいたい人見知りしないし」
「うん、まぁしょうがねえよな」
と、父さんと母さんは旅行中、
景子さんと兄貴が熱を出して
虎太郎にうつったら大変という事で
急遽虎太郎を預かる事になった
「シバごめんなー、今日デートの約束だったのに」
『いいよ、べつに。またいつでもデートすればいいし。おれもこたに会いたいし』
と、シバには申しわけ無いことをしてしまったが納得してくれて
虎太郎の荷物と虎太郎を家まで届けにきたマスクをした兄貴
『こたー、』
「しばー!」
と、最近だいぶスラスラ喋れるようになってきた虎太郎はバタバタとシバにかけより
『こた、向こういこ』
と、シバが虎太郎を連れてリビングに行く
「これ虎太郎のおもちゃとおやつと食いもん。あとこっちが着替え」
と、鞄を2つ渡される
「今虎太郎トイレトレーニング終わってるから、まぁ、ほとんど失敗しないんだけど。お気に入りのパンツ履かせてるから大丈夫だと思うし。もし失敗したら替えてやって。漏らしたらごめん」
「あー、平気。慣れてるし」
「は?なんで?」
「あー、いや、べつに。なんでもねえ」
「あ、これお前とシバくんに。ちょっとしたお菓子だけど」
「おお、ありがとなー」
「じゃあ、なんかあったら連絡してな」
「うん、お大事に。早く治せよ」
「うん、悪いな」
と、ぺこりと頭を下げて病院に向かった兄貴
「しば、こっち!」
と、虎太郎はシバの手を引いて走り回っていた
年末年始や、お盆など
年に1.2回くらい実家に帰っていて
その度に虎太郎に会っていたが
虎太郎は俺のことはお父さんと思っているようだがシバの事は仲間だと思っているようで
子供同士で懐いていた
「しーばー!」
『こた、声おっきい』
「ぱーぱー、しば、」
「ぱぱじゃねえぞー、コタ」
おいで、と抱っこすると
父親じゃないと気付いたようですこし暴れる
「ぱぱ、」
最近は重くなってきたけど
まだまだ軽すぎてあんまり抱っこしてる気にならない
まぁ普段はシバ抱っこしてるしな
「よし、飯食お。シバ、抱っこ代わって」
と、シバに虎太郎を渡して
3人分の飯を作りにキッチンに向かった
いや、虎太郎のは温めるだけだけど
「シバー、目玉焼きでいい?」
『うん』
「こたもー!」
『こたも目玉焼きだって。食えんのかな?』
「白身だけなら食うって」
と、ベーコンエッグやら
トーストやらを用意していると
シバがウロウロし始めた
「シバ、危ないからあっちいってて」
『えっと、こた、だっこかわって』
「ちょっと待ってなー、もうちょいでできるから」
と、プレートにかなり遅めの朝ごはんを並べて
コタのご飯も器に出して
食卓に運ぼうとすると
『なぁあ、かわって、』
と、腕が疲れたのか
かわってと俺の後ろをウロウロするシバ
コタ最近かなりでかくなったからな
「これ運んだら代わるから」
『んん、』
と、食卓に並べるて
「ほら、シバ。コタ貸して」
と、手を出すと
シバは俺に虎太郎を渡すとすぐに走っていく
「え?」
バタン、とドアが閉まる音でわかる
おしっこしたかったのか
そして暫くして戻ってきたシバだが、
スウェットの上を引っ張って隠している
「…シバ、間に合った?」
『…ちょっと出ちゃったじゃん、』
「あー、着替えるか?」
ちょっと待ってなー、と虎太郎を下ろして
見せて、と引っ張ってるスウェットを離させると
スウェットの前が濡れていた
「しば、ちっちでた?」
と、円な瞳が俺とシバを見上げる
『ち、ちがう、』
「虎太郎ー、シバ恥ずかしいからそういうこと言っちゃダメだぞー」
『虎太郎抱っこしてなかったら間に合ったのに!代わってって言ったのに代わってくれなかったじゃん』
「そうだな、悪い悪い」
と、シバの着替えをさせようとした時だ
「こたも、ちっち」
「おお、出るか?トイレいこうなー。シバ、お着替え自分でできるか?できないならちょっとだけ待ってて」
『もう。できるからさっさとこた連れてきなよ』
と、シバが自分で出来ると言ったから
先に虎太郎をトイレに連れていく事にして
トイレに連れていくと虎太郎の方は無事に間に合い
虎太郎を連れて戻ると
濡れた下着とスウェットが脱ぎ捨てられていた
「こた、ちっちできた!」
『おれだって、いつもできるもん』
「いや、子供と張り合うなよ」
『おまえが、代わってくれなかったから、』
「ごめんって」
『こたの前で恥かいた』
「いや、わかんねえから大丈夫だって。コタちっさいし」
『…そうかな、』
「大丈夫だって」
「しばー!だっこ!」
と、床に下ろしていた虎太郎はシバの所に走っていって飛びつく
「ほら、抱っこだって」
『おいで、こた』
と、シバが虎太郎を抱き上げた事を見届けて
シバが濡らしたスウェットと下着を回収して
洗濯に持っていく
『こたー、一緒にご飯食べよ』
と、シバは虎太郎を抱っこしたまま食卓について
ご飯を食べ始めた
「こたも!こたも!」
『んー、しろみね』
と、虎太郎に構いながら食べるから
シバも虎太郎も2人して口の周りを汚しながら
朝飯を食っていて
「シバ、虎太郎抱っこ代わるから先に飯食っちゃいな」
「やー!こた、しばがいい!」
『んぐっ!』
と、虎太郎が暴れて
シバに頭突きするから
シバは頭突きされた顎を抑えながら涙目になる
「あー」
『いったぃ、』
「こた、しば!」
『こたー、だっこするから暴れないで』
と、よしよし、とシバは虎太郎を落ち着かせ
ご飯を食べさせる
俺も先に食っちゃうか、と
食べ始めると
シバは虎太郎の食事の合間を縫って食おうとするがなかなか食えなくて
ちょっと眉間にシワを寄せるから
「ほら、シバ、あーん」
と、食わせてやると
ぱく、とそれを食ってから
飲み込んでから
ハッとする
『おれ!自分でくえる、虎太郎と一緒じゃないし、』
と、その言葉に笑いそうになりぐっとこらえる
「わかってるよ、っ、虎太郎抱っこしてるから仕方ないもんな」
『うん、おれ、こたにご飯食べさせてるし』
「そうだなー、シバお兄ちゃんだから先に虎太郎に食わせてやってるだけだよな」
と、シバに飯を食わせると
飲み込んで
うん、と頷いた
さっきトイレに失敗してしまったから
ウチの子供の機嫌損ね無いようにしなきゃなー
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