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第20話

「しば!かめんらいだー!こたかめんらいだーする!つけて」 と、虎太郎は持ってきたおもちゃの仮面ライダーのベルトを付けてつけてとシバの元に持っていき シバに付けてもらって 武器のなんちゃらソードを持って走り回る 朝からずっと遊び相手をしているシバはちょっぐったりしていて 見ているだけの俺もだいぶ疲れた まぁ、俺らも久々の休みだったからやっぱり疲れも溜まってるし 「虎太郎、仮面ライダー見てな」 と、虎太郎の荷物の中から仮面ライダーのDVDを出して再生すると 虎太郎はそれに夢中になって ようやく俺とシバは ひと息だった 子供って元気なんだな、本当に 「こた、しばにだっこして見る」 『だっこねー』 と、シバは膝に虎太郎を乗せ一緒に仮面ライダーをぼーっと見る 「シバ、そういや兄貴たちからお菓子もらったから食おうか。コタもくう?」 「くう!」 持ってくるなー、と2人にお菓子を渡すと ソファの前に並んで座って 仮面ライダーを見ながら食べ始める 「しば、おいしいね!」 『そうだねー』 虫歯になるからジュースじゃなくてお茶な、と 虎太郎にはむぎ茶を出す 「シバは?」 『コーヒー』 「コーヒーな。」 と、俺も飲むから2人分入れて 「シバもあんまり甘いのばっかりだと虫歯になるから今日はブラックなー」 と、ブラックのコーヒーをシバの前に置いて 俺も隣でコーヒーを飲む 「シバ、熱いからちゃんとふーふーしろよ」 『なぁ、おれ、こたと違って子供じゃないんだけど?』 「…あー、そうだなー」 いやそうだけど、 「しばにがい、のむの?」 『飲めるよ』 と、コタに伝え んぐんぐ、とコーヒーを飲む シバあんまりブラック飲まねえけど 飲めねえわけじゃねえんだな、と思ったのもつかの間 やっぱり苦かったようですぐにまたお菓子を食べる 「シバもむぎ茶にするか?」 『コーヒー飲めるもん』 と、残ったコーヒーも飲み干す 「こら、熱いんだからゆっくり飲めよ」 『だから子供じゃないんだから大丈夫だって』 ふん、とシバも見てるのか見てないのかわからないが虎太郎と一緒に仮面ライダーのうつるテレビに視線を送っていたが 頭をぐらぐらと揺らし始める 「シバ?眠いの?」 『…んん、ねむい、』 と、ふと隣の虎太郎を見ると既に先に眠っていて 2人とも遊び疲れていたらしい 「シバ、遊び疲れてるなら昼寝しな。虎太郎も寝てるし」 『んん、ねる、』 だっこ、と手を伸ばして来るが 「シバ、お昼寝するなら先におしっこしてきな。コーヒー飲んだからおしっこ出るだろ」 『……でないもん。おれとこたいっしょにしないで』 ふん、とシバは抱っこをやめソファのすぐ横の床に寝そべった 「シバ、おしっこ」 『んん、ないもん、ねるから、むしして』 「トイレ行かないで寝るならオヤスミマンだぞ」 『や。おれおとなだもん、』 と、先に寝ている虎太郎をソファーの上に移動させバスタオルをかけているとシバは限界のようでトイレに行く気は無く クッションを枕にして目を閉じていた 「もうシバオヤスミマンだからな」 と、ほぼ寝てるシバにおむつを履かせて シバにも毛布をかけた 俺も疲れたから昼寝するか、と シバの横に寝転がると シバは眠りながらもすりすりとくっついてきた ◇◇ 「んぁあっ、まぁあまぁあっ」 と、不意に泣き声で目を覚ます 「おお、あー、虎太郎起きたか」 おいで、と抱っこをして よしよし、と背中を撫で 「ぱぱぁ、ぁあぁあっ」 「ほら、コタよしよし」 「くちゅした、ぬぐ、っ」 「靴下な。足…あんよ、出して」 と虎太郎の靴下を脱がせて 座ったままじゃダメか、と立ち上がって よしよし、と背中を撫でながら少しゆらゆらと揺らすとようやく泣きやみ くすんくすん、と鼻を鳴らす虎太郎 しかし、その時だ 『んん、きょうへぃぃ、』 と、シバも虎太郎の泣き声で目が覚めたのか もぞもぞと動き出す 「おお、シバ起きたか」 『きょうへいい、』 「ちょっと待って、今コタ泣きやみそうだから」 『そっか、こたきてた、んん、んー、』 と、ごろごろとそのまま床に転がる 「しばがいる?」 「そうだな、虎太郎遊びに来てるんだろ、俺とシバの家に」 「あれ?ぱぱちがう?」 「虎太郎忘れちゃったかー?コタのパパとママお熱出てんだろ」 「しばにだっこする」 「シバまだ寝起きだからなー」 寝起きのシバはほぼ赤ちゃんだしなあ 「しばぁー!しば!」 『んん、こた、こえおっきい』 「コタがシバに抱っこしたいんだって」 と、シバの隣にしゃがむと 虎太郎は俺の腕の中でもがいて シバに手を伸ばす 『こたぁ、』 おいで、ともぞもぞと起き上がって 手を広げ、虎太郎を抱っこするが まだ眠そうに目を擦りながら ぽふぽふと虎太郎の背中を撫でる シバ意外に抱っこ上手だな 『んん、まだねむい、』 「しばぁ、だっこ」 『抱っこしてるよー、こた』 と、言いながらも頭がゆらゆらと揺れる 「もうちょい寝るか?コタの抱っこかわるし」 『うん、』 と、虎太郎をこっちに渡してくるが 「やぁあ、こたシバがいいの!」 「コター、シバ眠いんだって。シバお昼寝するから俺に抱っこしよ」 「やぁあぁあ!」 と、せっかく落ち着いてきていた虎太郎がまた騒ぎそうになり シバはそのままよしよし、と虎太郎の背中を撫でる 『じゃあこたもうちょいだっこしよ、べつに我慢できないほど眠いわけじゃないから』 「こた、しばがいい」 と、虎太郎はすりすりとシバに抱きついた ええ、なんか俺寂しいんだけど

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