「ぱぱあ、しばとぐみたべる」 落ち着いた虎太郎は てくてくと歩いてきて 「アンパ〇マングミ？」 「ぐみ！」 「もうすぐご飯だからちょっとだけな」 と、虎太郎の荷物の中から アンパンマ〇グミを出して開けてやると 「しば、ぐみー！」 と、シバの元に走っていくから 俺は寂しくご飯の準備をすることにして 「しばー、こたちっちする」 『おしっこ？きょうへいい、虎太郎トイレ』 と、虎太郎をぶら下げて トイレに向かうシバ 「トイレなー」 と、俺もついて行って 虎太郎のズボンを下ろしてやる 「虎太郎座らせてやって」 と、いうと シバは虎太郎をトイレに座らせるが 『んん、おれもおしっこしたくなった、』 と、脚をもぞもぞと動かす 「え、ちょい待って」 トイレに来たから尿意を思い出したのか もじもじとしてきゅっと自分の中心を抑える 『こた、はやく』 虎太郎はちょろちょろと少ない量のおしっこを出すからちんちんの先っぽを拭いてやると ぴょこんとトイレから降りる 「おずぼんはく！」 と、虎太郎はスッキリして 「虎太郎、あんよここな」 と、ズボンを履かせてやるが 『はやくはやく』 と、シバは横でバタバタと動くから そのまま虎太郎を連れてトイレの外に出ると 勢いよくドアが閉まって 中から水の音が聞こえてくる 間に合ったのだろう そして間もなくして トイレが流れて 出てくるシバ 「間に合った？」 『…間に合ったから』 「しば、ちっちできた？」 と、虎太郎までシバの事を覗き込むから シバの顔が赤くなる 『こた、おれ大人だからちゃんとトイレでおしっこできるから』 「しば、えらいねえ」 と、虎太郎は俺の顔を見ながら言ってきて 思わず笑ってしまいそうになったがどうにか耐える 『こた、おれ大人だよ』 と、シバは先に手を洗って さっさとリビングに戻るから おれと虎太郎もシバについてリビングに戻る 「しば、おとな？こたは？」 『こたはまだ子供』 わからないのか首を傾げる虎太郎 「虎太郎はシバの事仲間だと思ってるからなー」 『なんで？』 「みんながシバの事子供あついするからじゃねえ？」 『…おれ、大人なのに』 「まあうちのヤツらからしたらお前コタの次に若いからな」 『なんか納得いかない…あと、』 「なに？」 『おむつ、勝手に履かせただろ』 と、コソッと俺の耳元で言ってくる 「シバお昼寝の前にトイレ行かなかっただろ？俺言ったし」 『おねしょなんかしなかったじゃん！』 と、トイレで脱ぎ捨てたのか ごそごそと隠していたおむつを出して ドン、と俺に脱いだおむつを渡してくる 「おお、自分で脱げたか」 『パンツ履いてくる』 と、どうやらノーパンらしいシバは着替えを取りに行こうとするが 1度ピタリと止まったシバ 「どうした？」 『それ、』 「これ？」 『開かないでよ、そのまま捨てて』 と、わざわざ忠告してくるから 開くなと言われたら開きたくなる 丸まっているおむつを開くと 真ん中に5センチくらいの黄色いシミがあって ちょっとチビってしまっていた事がわかる わざわざ言われなかったら開かなかったのになー、と思わず笑ってしまう 『あ！ちょ、見るなって言ったじゃん！』 と、戻ってきたシバが怒る 「いや、言われたら逆に気になるだろ。どうしたの？これ。虎太郎はトイレでおしっこできたのにシバはおむつにちびっちゃったの？」 『だ、って、それは、…虎太郎がおしっこしてたから、トイレ使えなかったんじゃん、』 「へえ、虎太郎の前でおむつにおしっこちびったんだ」 『ち、ちがうから、トイレ入ったのに、おむつだったから脱ぐの時間かかってちょっと出ちゃっただけだし！パンツ履いてたら普通におしっこできたのに！』 「そっかー、俺がおむつ履かせたからだな？」 『…うん、おむつ、履いてたからだし…、だから、虎太郎には内緒にして』 「わかってるよ、内緒な。言わないから大丈夫」 『うん、』 と、抱っこして欲しそうな顔で俺の事を見てきて抱っこしてやろうかな、と手を伸ばした時だ 「しばー！だっこ！」 と、パタパタと走って 手を広げながらこちらに来た虎太郎 『だっこねー』 と、シバは虎太郎を抱っこして よしよしと背中を撫でた 「シバ、お前は？抱っこ」 『おれは…大人だから、』 「我慢すんの？」 と、聞くと目を逸らし頷いた 『きょうへいい、うどん食べるからつくって、おれこたと向こうで待ってるから』 「うどんな、シバ虎太郎ずっと抱っこして疲れたら代わるからな？」 『虎太郎軽いしへいき』 「シバお兄さんだなー、えらいえらい」 と、頭を撫でると 『おれ大人なんだけど？』 「いいだろ、俺が撫でたいんだから」 と、虎太郎の頭も撫でると 虎太郎もきゃっきゃっと笑う 「コタもうどんでいいか？」 「こた、うどん、すき！」 『じゃあ向こうで待ってよ』 と、シバは虎太郎をリビングに連れて行って 床に寝そべって虎太郎を上に乗せて遊ばせていた なんだかんだ面倒見いいよなあー、シバも ちびっ子がいるとちゃんとお兄さんになろうとするけど 後ですげえ甘やかさねえとなあ