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第28話

『起こしてくれるって言ったじゃん…』 「起こしただろ」 『……覚えてない』 「起こしたのにトイレまでお前が行けなかった んだろ」 『だから、おむつはやだって』 シバのおねしょが今日で4日連続だった しかも寒いからか 量も増えていて 毛布まで濡れてしまう始末だ おねしょパンツ履かせてんのにそんなに溢れるって事は2回は少なくともしているのだろう だからおむつを履かせようとしたら嫌がって夜起きると、言い張ったのに 実際アラームをかけて起こしても 起きなくて寝起きだと結局トイレにいかない どうしたもんか、と頭を悩ませていた いや、洗濯物が増えんのはめんどくさいがまだいいとして びしょ濡れで寝てたらそのうち風邪をひいたりお腹を壊したりしそうで心配だった ギリギリ目を覚ましたりするけどトイレまで間に合わないことも多いし 寝ぼけている状態だとめんどくさがってそのままする 「シバ、約束しただろ。今日の夜からしばらくはおむつな」 『……やだ、おむつは赤ちゃんだからやだ』 と、シバは膨れてへそを曲げてしまった 「シバー、お前最近たくさんでちゃうから濡れるだろ?そうすると冷えて余計におしっこしたくなるし風邪ひくかもしれねえじゃん」 『……今日の夜は絶対起きたらおしっこ行くから。今日だけ。今日おねしょしたらちゃんとおむつ履くから』 「約束だからな」 シバは渋々頷いて会社に行く準備を始めた 機嫌悪いなあ… おねしょして悲しいのは分かるけど 起きれないのは自分だしなあ 会社に行くまでの間もシバは少し不機嫌で 大人しくしていた 「シバ、俺ヤナギと道具とメニューの管理してるからなんかあったら2階の倉庫の方来いよ」 『…わかった、』 もうヤナギ来てるよな、と荷物を置いたら 急いで倉庫に向かうと ヤナギは先に道具の整理をしていて 急いで合流する 「あー、こんなのあったな。使ってねえけど。メニュー入れるか迷って一応買ったやつ」 「そうですよねー、メニュー増やします?オプションで」 「そうだな、ちょっと値段とか調整しといて…あとは……いや、これ、使えるかもな?」 「…何がですか?」 「いや、こっちの話。これってでも使った後片付けとかめんどくさいよな?」 「一応聞くけど普段使いの話ですか?」 「まあ、そうだけど」 「それなら…」 と、ヤナギは対処法を教えてくれた いや、嫌がるかな でも寝ぼけてたらわからず使うかもだし 何よりおねしょしなくなったらシバも嬉しいだろうしな… 「ヤナギ、俺これ持って帰るわ、オプション決まったら新しいやつ発注しよ」 「いや、別に未使用だからいいですけど……使わせる気ですか?」 「まぁ、無理強いはしねえけど」 「……シバくんどんまいです…」 「想像すんなよ」 と、一応忠告しておく 「…あと一点相談あるんですけど、あきらくんの案で」 「うん、なに?」 「うちっておねしょオプションはないじゃないですか、入れたらどうかなって」 「うーん、それはなあ…寝てる間って無防備になるから危険じゃね?」 「いや、それはさすがに場所とかちゃんと決めて片付けオプションとセットにすれば結構いいと思うんですよねー」 「あー、じゃあそれもちょっと値段とかプランとか考えておいて」 「はい、それはいいんですけど、もしかしたら今おねしょできる子何人いるかによるんですよね」 「…あれ、あんまりできねえの、おねしょって」 「いや、寝てる間のことですよ。意識して出したりとか出来ないからまぁ……言ったら八百長してもいいかによるじゃないですか」 「……いや、そうか、普段からおもらししてる子ってだいたおねしょしたりするんじゃねえの?」 「そうでもないみたいですよ。あきらくんはおねしょした事ないらしいですし」 「へえ、そういやそんな事言ってたかもな?」 よく覚えてねえけど 何となくそんなこと言ってた気もする そうか。おねしょってできねえもんなんだ 身近過ぎて盲点だった 言われてみればシバも百発百中な訳じゃねえもんな まぁ、最近はかなり頻度上がってるけど 「部屋寒かったり寝る前に水分取らせたら自然におねしょ増えるもんじゃねえの?」 「寝る前に水分とっても尿意で目が覚めちゃうらしいですよ。しかもそのまま布団の中でしようとしても無意識に身体がストッパーかけてるからなかなか出ないって」 なるほどなー シバは寝付きが悪いから 寝てからはなかなか目を覚まさないし 無意識のストッパーもほぼどっかに行ってしまってるからなぁ 布団の中でも抵抗なく出てくるしな 「そのストッパーってどうやったら復活すんのかな」 「そこまではわかりませんが…まぁそんな困ってんなら病院とかいったらどうっすか」 「病院は嫌がるんだよなあ。しない時もあるし……」 「よくわかんないっすけど、布団の中とかベッドの上でおしっこしないって徹底させたらいいんじゃないですか?そしたら寝てる間も無意識に身体が拒否するかも」 「…まぁ、試してみる」 そうだよなあ、そういうもんだよなあ おねしょだって治りかけていたのに 1回おねしょしてから思い出したように増えていったからな とりあえずベッドの中でおしっこしないを徹底させる事に意識向けてみるか

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