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第40話

『なぁ、おれそろそろ帰りたいんだけど』 「オレのこと見捨てんのかよお!いおりんそういうのよくないよ」 『だってもうおれ飲めないもん。あきらくんやだ、かえる、きょうへい待ってるし』 「やだやだ!いおりん今日帰んないで!まだお話すんの!ねえ!いおりん!」 おれもう帰りたいのに お酒飲みすぎて気持ち悪くなってきたしもう眠いんだ、と半泣きなのに あきらくんはおれの腕から離れなくて あきらくんが離れなくて帰れない と、きょうへいに連絡だけいれてあきらくんのお家に連れてかれていた 『なぁ、あきらくん。おれもう帰りたい』 「ダメだって!やだやだ!もっとはなしきいてえ」 『だって、もうおさけ飲めないもん。おれ吐きそう』 「もうおさけ飲まなくていいから!吐いてもいいしぃいぃ」 とあきらくんも半泣きで 2人して半泣きで ぐすぐすとあきらくんの家に向かった 『あきらくんのおうち初めて来た』 あきらくんのおうち、きょうへいのおうちより狭い。当たり前だけど。 以外になんもないお家になんだ、あきらくんの家 「いおりん。おれもうちょっと飲むからつきあって」 と、あきらくんはすぐにお酒を開けてぐびぐびとのむけど 『きょうへいに電話だけしてくるから待ってて』 と、ため息をはいて諦めた 『きょうへい、あきらくんでろでろだからあきらくんの所泊まるから』 「大丈夫か?帰ってくれば?」 『んん、帰りたいけど明日休みだから。朝すぐ帰るから心配しないで』 「なんかあったらすぐ連絡しろよ」 『うん。ごめんね、きょうへい』 と、電話を切ってあきらくんの所に戻ると あきらくんはぐびぐびとお酒を飲んで 鼻をぐしゅぐしゅとして泣きそうになっていた いや、なぜあきらくんがこんなんなっているかというと 「きいてよお、オレが柳瀬さんに落っこちた話」 『もう飽きるほど聞いたって』 「いおりんオレのスウェット貸したげる、そこから出していいよ」 と、酔っ払ったあきらくんは ヤナギさんを好きになった話 今日は既に3回目くらい 通算で言うと15回目くらいの話を始めた そこってどこだよ、スウェット はぁ、とため息を吐いてとりあえずスーツだけ脱いでスウェットを探すけど 「オレね、初めての仕事の時に送迎の人柳瀬さんだったんだけどね」 『あきらくん、おれちょっと吐きそうなんだけど』 「ちょっと!吐きそうとか言ってないでオレのはなしちゃんときいてよおお」 『はきそうでそれ所じゃない』 と、口元を抑えながら言うのにあきらくんは無視でおれは気持ち悪くて泣きそうになっていた 『んんん、もうやら、』 「やだじゃないの!聞いてって」 『だってはいちゃう』 「いおりんはいちゃうって言うけど吐いたことないじゃん!苦しくて吐けないんでしょ」 『そうだけどお』 「大丈夫だからオレのはなしきくの!」 『んん、だっておなかもうくるしいし』 「でね、オレちょっと緊張してたんだよね。何回かあの鏡のお部屋ではおもらししたことあったよ?あと趣味でやったことはあったけどね?」 と、おれの事は無視で話を続けるあきらくん 立っているのが嫌になって ぺちゃり、と地べたに座ると あきらくんはお水をくれたから ぐびぐびとそれを飲むと ちょっとだけすっきりして吐きそうなのは収まったけど おなかなんかくるしい、パンパンになってる感じする 「それでね、柳瀬さん、緊張してるおれに緊張してるの?って話しかけてくれてね。その話し方がすっげえ優しくてね」 『んんー、』 「それでね、終わったあとにね、」 もう聞いた、それ 終わったあとにお疲れ様って頭撫でてくれたのが嬉しかったんでしょ 「それなのに…柳瀬さん……彼女なんて、しかも、どうせい?……うぁあ、」 やっぱりお腹気持ち悪い、ともぞっと腰を動かした時だ ぴしゃぴしゃ、と脚が温かくなって首を傾げる 「あれ?いおりん漏らしちゃったの?」 『……え?』 なにが?と あきらくんの言葉と下半身に感じた違和感に下を向くと 「もう、おしっこしたいなら言ってよ!あー、びしょびしょになっちゃってんじゃん」 『ち、ちがう、』 びしょびしょになってた、 あきらくんにバカにされんのやだから かっこいい大人パンツ履いてたのに それもびしょ濡れになってて ワイシャツの裾まで濡れてる 『ち、ちが、』 「おしっこ出ちゃったんでしょ?あー、もう。おしっこ行きたいならトイレいってよかったのに。いおりんさっきスーツ脱いだ時からパンツにおしっこちびってたもんね」 『ち、びって、ない』 「ちびってたよ?あー、もう。ほら」 タオルを投げてきたけど よく分からなくて 『…んん、おれ、やだっていったのにぃ、んん、おしっこもれたぁ』 家に帰りたくなった きょうへいにシャワーして欲しくて 目の前が歪んで見えなくなって 鼻水まで出てきてぐすぐすと鼻がなる 『んん、っ、ぅぇっ、ぐすっ、きょうへぃい、っぐす、っ』 「あー、いおりん泣いちゃったー。ほら、泣かないで。よしよし」 と、あきらくんは頭を撫でてくれたけど きょうへいじゃないと涙が止まらなくて 「おしっこ漏れちゃってかなしかったねー。ほら、拭いてシャワーしよ」 『だって、あきらくんのまえでおしっこもれた、』 「ほら、いおりんよしよし。もおおー泣くの終わりにしよ、いおりん泣いてるとオレも悲しくなっちゃうから。ほら、いおりんよしよし。パンツぬごうね?」 鼻水でてきて息もくるしくて嫌になる あきらくんはよしよしって撫でてくれて パンツを脱がされて びしょぬれのちんぽをぐしぐしと拭かれた 「ほら、いおりん。おむつ履かせてあげるから大丈夫だよ。ほら、泣かないで」 と、あきらくんはおむつをおれの脚に通してきたけど あきらくんの顔をみるとあきらくんも何故か泣いていて 『あきらくん、なんで、っ、泣いてんの?』 「いおりん泣いてるからじゃん、っ、」 『…あきらくん、ごめんなさい、泣かないで、』 と、自分の涙をぐいっと拭いてからあきらくんの拭いてあげるとあきらくんはにひ、と笑った 「いおりん、もう寝よっか。ほら、スウェット貸したげる」 と、今度はスウェットを出して着させてくれる 「ねんねしようね」 『んん、ねる、』 一緒にベットに入ると すぐに電気を消されるけど 『や、くらくしないで、くらいとおれねれないから』 「そっか、じゃああかるいまま寝ようね」 よしよし、と撫でてくれた もう、気持ちがぐちゃぐちゃだった はやく、きょうへいに会いたい

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