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第42話

「あれ、いおりんいません?」 と、あきらくんがひょっこり社長室を覗いた 「いねえけど」 「そっか。じゃあいいや」 「なに?呼ぼうか?」 と、一応確認するが 「うん、いいや。じゃあ社長にこれ返します」 と、あきらくんは袋に入れた何かを渡される 「あー」 「いおりんこの前うちに来た時おもらししちゃったからパンツとシャツ。洗っときました」 「迷惑かけたな」 「まぁ、いおりん引き止めちゃったのオレだし。でもいおりん泣いちゃって大変でしたよー」 「は?泣いてたの?」 「うん。おしっこ漏らして『きょうへぃい、』って泣いてた」 「うわ」 「よしよししておしっこ拭いてあげてどうにか寝かし付けたけど」 「……悪かったな」 「いえいえー。まぁいいオカズになるからちょうど良かったっていうか?」 「俺はあきらくんのそういう所が油断ならねえと思ってるけど」 「いいじゃん、べつにー!想像の中だし」 ほら見て、と些かボリュームの増した物を見せようとベルトをカチャカチャと外そうとするあきらくん 「見たくねえけど」 「いいじゃん。いおりんは結局は社長の物なんだし。結局は社長はいおりんのだしさー」 いや、そうなのか? そう思ってていいのか? 「とりあえずベルト締めろって」 そんな事よりあきらくんに仕事を頼もうとした時だ 『きょうへいぃー、』 と、社長室に入ってきたシバ 「お、いおりんよっすー」 『…あきらくんなんでいんの?何やってんの?』 「別に。じゃあオレ戻るから」 と、あきらくんはベルトを戻してそそくさと社長室を出ていった 『あきらくんと何してたの?』 「いや、別に。すぐ出てったし」 おもらししたのバラされてたって知ったらシバもいい気はしないだろうからさりげなく誤魔化しておく 『……ふーん、』 「どうした?」 『………仕事の、確認』 「おお、どれ?」 『えっとこれ』 と、シバはむすっとしたまま膝の上に乗ってきたから2人でパソコンを覗き込む 「あー、これはこっちにすっかなー」 『ねえ、なんでちんちんさわんの』 「…いや、濡れてねえかなって」 と、ほぼ無意識で おもらしチェックをしていた手をシバに掴んで止められる 『…濡れてねえし』 「いや、ちょい濡れてる」 『漏らしてねえし』 「シバ。濡れちゃったら先に言いにこいって」 『濡れてねえもん』 「濡れてるから。チビったのわかんなかったか?」 『んん、濡れてねえもん。仕事中に意地悪言うな』 「意地悪じゃなくて」 『だって。パンツちょっと濡れちゃうぐらいあるだろ別に。いちいちうるさいんだもん』 「うるさいって…」 『パンツにちょっとおしっこでちゃうぐらいあんじゃん』 いや、ねえけどと思いながらも これ以上うるさいとか言われたらショックだからとりあえず頷いておく 「シバ、もううるさくしねえから。ごめんな」 『……うん、』 と、シバは頷いたが もぞもぞと腰を動かした 「どうした?」 『さっきまでわかんなかったのに。きょうへいが言うから気になるじゃん……パンツ』 「冷たい?替えるか」 うん、と頷いたから1度シバを立たせてパンツを脱がせておしりふきでちんちんを拭いてやると 冷たかったのかふるっと身震いをして じわ、と先っぽを少し濡らす あ、でた。と思いつつ 恥ずかしがるから言わないで先っぽの水分を拭き取るが 『なぁ、やっぱり昼間用のパンツ履くから』 「なんで?」 『……やだ。トイレ練習今日はしないもん』 「だめだ。トイレ練習するって決めたろ?大人パンツ履くって」 『……や』 「やなのか?赤ちゃんじゃないんだろ?どうした?機嫌悪ぃな」 『やだ。もこもこパンツ履かせてくんないならおむつ履くから』 「だめだって。練習するんだろ」 『やだ』 と、シバは膨らんだ んだよ、本当に機嫌悪ぃな そんなシバにさっさと普通のパンツを履かせて スーツを上げるが 『やだって言ってんじゃん』 「やだじゃねえの。ほら、仕事戻って。あ、ちょうどいいからあきらくん呼んできて来んねえ?」 『……なんで』 「なんでって話あるからだろ。さっき途中であきらくん帰っちゃったし」 『…』 と、送り出したのにシバは下を向いてドアの前で立ち止まり 身体をプルプルと震わせた 「……シバ?」 そして 『んんっ、はぁ、っ』 と、息を吐いたかと思うと シュウゥと小さな水の音 そしてその水の音は次第に大きくなり シバの下半身を濡らしながら びちゃびちゃと床を打つ 「あ!おい!」 『はぁ、っ、でた』 「でたじゃねえだろ!お前わざと」 『…でた、おしっこ』 と、ぴしゃ、と少しだけ脚を動かしたシバに思わずため息が出て呆れてしまう 「……はぁ、お前なんでそういう事すんだよ…わざとしたろ」 『………やだって言ったじゃん、パンツ』 「…だからってわざと漏らすことねえだろ」 何がそんな嫌だったのかと不思議に思いながらもとりあえず拭いてやるしかないから タオルを出してからシバのスーツを脱がせていく 「あーもう。シャツも濡れてんじゃねえか」 脱がされている間も膨れていて黙ったままのシバ 「シバ、なに膨れてんだよ」 『……だって』 これは今言ってもダメだな、と 先にキレイにする事にして 「おしっこ拭くからあんよ上げて」 『…うん』 足元を拭いてからお尻も拭いて タオルを温めてからもう一度拭いてやる 『気持ちいい、』 「そっか」 ようやく落ち着いてきたし またすぐわざと漏らすかもしれない、と 今日は諦めて昼間用のおもらしパンツを履かせてやって 替えのスーツを着せてやる するとようやく 『……ごめんなさい、おもらしして』 と、ぽつりと口にしたシバ 「…あぁいいよ。そんなにやだったか?大人用のパンツ」 『……違うけど、』 「じゃあどうした?」 『パンツ、濡れてたのやだったから、』 「……俺が聞いてやんなかったからな」 『ごめんなさい、きょうへい。嫌いになんないで』 「シバ、そんなんいちいち確認しなくても嫌いになんねえよ」 まだ不貞腐れてんな、と とりあえず着替えが終わったから 片付ける前に抱っこしよ、とソファに座ってシバを膝の上に乗せ背中を撫でる 何がそんなに気に食わなかったのだろう 「シバ、どうした?」 『もっと、』 「もっとよしよしか?」 と、シバの背中を撫でてやると ぎゅっと抱きついてきて 顔を隠すシバ そして 『………あきらくんと、何してたの、?』 と、ぽつりと呟いた 「………は?」 『だから!あきらくんと、なにしてたんだよ、』 「いや、なんもしてねえけど」 『あきらくん、ベルト、外そうとしてたし……何しに来たの?』 「いや、本当になんもしてねえし……あきらくん来たのはアレだよ。お前があきらくんの家においてった服、持ってきてくれただけだから」 『…おれの服、』 「……あきらくんの家でおもらししちゃったんだろ?」 『……うん』 「それだけだよ」 『それだけ?あきらくんとなんもしてねえ?』 「してねえよ、変な心配すんな」 『だって……』 「シバ、心配しなくて大丈夫だから」 と、背中を撫でると うん、と頷いて 身体をすりすりと擦り付けてきた 『きょうへい、ごめんね』 と、腕の中でぽつりと呟いたシバ 「俺も心配させてごめんな」 と、背中を撫でていると 顔を上げちゅう、と触れるだけのキスをしてくるシバ そして、満足したのか 『……しごと、戻るから』 と、さっさと立ち上がるシバ 『あ、あとあきらくんもちゃんと呼んでくるから』 「あー、うん。頼んだ」 バイバイ、とシバは少し恥ずかしそうに手を振って出ていった 本当かわいいな、こいつ

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