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第47話

昨日から何となく シバがめちゃくちゃくっついてると思っていたが仕事が始まるといつも通りで ちゃんと仕事もして ちょっと忙しかったからかシバは帰りの車では寝ていた 家に着くと 車で爆睡していたからか まだ眠そうにぐしぐしと目を擦りながら とぼとぼとリビングに向かうシバ 「シバ、ソファ寝る前にスーツ脱げよ、あとトイレ行ってから寝る」 と、いうとぼーっと少し考えたあと 『きょうへい、トイレ、一緒にいく』 「一緒にか?」 寝ぼけてんのか?ととりあえずトイレに連れていこうとしたが ポケットの中で携帯が震えた 『きょうへい?』 「ヤナギから電話、シバ。先トイレ行っといで」 ヤナギから電話珍しい、と思いながら仕事の事かとすぐに応答する 「もしもし」 電話の内容は仕事の確認で 「あー、うん。任せるけど」 と、リビングに向かいながら応答していると シバはぼーっと俺の事を待っていた 先トイレ行っといで、とジェスチャーだけで トイレを指さして指示するが ふるふると首を振った まだ行きたくねえのかと とりあえずそのままリビングに向かうと シバも後ろを付いてくる 「うん、確認して折り返してくれれば。あ、LINEでもいいし、」 『んん、きょうへい』 と、電話中の俺の スーツの袖を掴むシバ あれ、結構トイレ行きたいやつだ、と 「我慢できねえなら先行っといで」 と、電話口を手で抑えてシバに伝えるが ふるふるとまた首を振った 「うん、そう。そうだけど、あー、どっちがいいかな」 と、少し長くなりそうな電話の内容 とりあえず荷物置こうと 荷物を置いて電話をしながらスーツを脱ぎ ネクタイを緩めた時だ ぴちゃぴちゃぴちゃっと背後から響いてきた水の音に驚いて振り向くと 『ぁっ、でちゃっ、まだ、っ!』 「ちょ、あー、……ヤナギ、また後で電話折り返す。ちょっと1度電話切るな」 と、すぐに電話を切った 「シバー、」 『おしっこ、…でちゃった、』 「出ちゃったじゃねえよ、先トイレ行ってこいって言ったろ?なんで行かなかったんだよ」 と、水たまりを広げながら立ち尽くすシバにため息が出てしまう 『だって、』 「だってじゃねえだろ。トイレ行けただろ」 『…行けねえもん、』 「行けねえもんじゃねえよ。おしっこしたかったんだろ?」 『きょうへいと行きたかったんだもん、』 と、濡れた股間をぐじゅぐじゅと触るシバ 「触んな、今は拭くもん持ってくるからちょい待ってて」 『んんん、だって、』 なんでわざと漏らすような事すんだよ、とまたため息が出てしまう 「ほら、おてて」 と、先に股間を握っていた手を離させて拭いてからベルトを外してスーツから脱がしていく またこのスーツクリーニングだな… 濡れた服はとりあえずバケツに入れていき パンツも脱がして 股間を拭いてから足元を拭いてやっていると また股間をふにふにと触り出すシバ 「シバ。おもらしの片付け中にちんちん触んな」 『…きょうへい、怒ってる、』 「呆れてる」 『…ごめんなさい、ちゃんとトイレ行けないでごめんなさい』 「行ける時はちゃんとトイレ行け。びしょ濡れになんのお前も嫌だろ」 『やだ、』 「もうこのまま風呂はいろ」 と、ひと通り拭いたあとに 上も脱がせて風呂に連れていき 汚れ物を入れたバケツもとりあえず風呂場に持っていく あ、ヤナギと電話途中だった 「シバ、先にシャワー浴びてな」 『きょうへいは?一緒に入んねえの?』 「ヤナギに電話だけしてくるから。そしたら俺も一緒に入るからそれまで先にできるよな?」 と、聞いて頷いたのを確認して 1度手を洗ってからリビングに戻って携帯を手に取る しかし、 先程の件、 おむつ(薄型)にする事にしたので大丈夫です。 あと、先方に確認取れまして問題ないという事なのでこのまま進めます。勤務時間外に失礼しました、お疲れ様です。 と、ヤナギからメッセージが入っていて 気を使わせちまったかとため息を吐いた 電話はもうしなくていいなと判断をし 返信だけして俺も風呂に入ろうと シバの待つ風呂に向かった 「あれ、シバシャワー浴びてねえの」 と、裸のシバはバケツに入ったものを ばしゃばしゃと洗っていた 『おしっこ、漏らしたやつ。洗ってた』 「そんなんしなくていいのに」 『…でも、おれが汚したから』 「寒いだろ、鳥肌立ってんじゃん。早くシャワーしてお湯浸かりな」 シバの腕を引いて立たせて シャワーでさっさと身体を流し 軽くボディーソープで洗ってやる 「あとでシャンプーしてやるから先浸かってな」 ちゃぷん、とお湯に浸かり ふぅ、と気持ち良さそうにため息を吐いたシバ 『…電話、ヤナギさん大丈夫だった?』 「あぁ、大丈夫だよ。LINE来てたから返しといた」 『そっか…ごめんね』 「あぁ。シバ1人でおしっこ行けんだろ、次からちゃんと行けよ」 『……うん、』 と、落ち込んだ表情を見せる なんかやっぱり元気ねえんだよなあ 「シバ、疲れたか?」 『仕事?まぁ、ちょっと疲れたけど』 「大丈夫?」 『うん、きょうへいと一緒に仕事できるし』 ヤナギのやっていた分をシバに回したから 確かにシバの仕事は大変になって覚える事も多いだろう 最近ようやく慣れてきたと思っていたが やっぱり無理しているところもあるかもしれない 『きょうへい、』 「どうした?」 『おれ、明日、ごはん食べてくるから、1人で帰ってくる』 「おお、そっか。じゃあ終わったら連絡して。都合良さそうな時間なら迎えに行くし」 『…うん、』 あきらくんか? 最近仲良いよな、意外に 「何食うか決めてんの?」 『まだ、決めてない。適当に食ってくる』 「そっか、たくさん食ってこいよー。酒は飲みすぎんなよ」 『うん。お酒は、あんまり飲まないようにする。この前お酒飲んだときおしっこ漏れたし』 「シバ最近トイレちょい下手になっちゃったな」 『ごめんね……心配?』 「そうだなー、おもらししないように早めにトイレ行こうな」 と、俺もバスタブに浸かってシバの髪を濡れた手で撫で前髪をかきあげ、おでこにキスをしてやるとすりすりと擦り寄ってくる 『おれ、トイレうまくできないかも、』 「なんで?寒いから?」 『……うん、だから、おむつ履かせて』 「おむつ赤ちゃんだから嫌なんだろ?」 『……でも、びしょ濡れになる方が嫌なんだもん』 「シバ、じゃあしばらくは昼間用のパンツで頑張ろうな、時間決めてちゃんとトイレ行って」 『……できないもん』 と、膨れてしまった 失敗が重なって自信喪失しているのだろうか 「シバ、ごめんなー。俺がトイレ下手になったって言ったから気になっちゃったよな」 『……ちがう、きょうへいは悪くないから』 と、また悲しそうな顔をさせてしまった 「…じゃあおむつ履かせてやるけど、ちゃんとトイレは行けるように気をつけろよ」 『…うん、きょうへいが、トイレ連れてって』 「わかったよ」 と、少しだけ元気になったシバの頭をまた撫でてやった やっぱり最近妙に甘えん坊だよな なんかあったか?

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