50 / 212

第50話

「…シバ、どうした?」 と、取引先に行った帰り シバが黙り込んだと思ったらもぞもぞと腰を動かしていて 明らかに様子がおかしい事に気付き声をかける 『おしっこでちゃった』 と、ポツリと口にしたシバ 「は?いつ?全部でちゃったの?」 『おむつの中、濡れてたから、』 「トイレ行きたかったんなら言えよー。寄ってきたのに」 『だって、』 「シバ、おむつしててもおしっこしたくなったら早めに言えるだろ」 『……ごめんなさい、できなくて』 「おむつ。会社まで我慢できるか?」 『…うん、』 と、頷くが しょぼんとしていて窓の外に視線を向けていた 「おむつ先替えるか?」 『我慢できる、』 「そっか…シバ、おしっこ我慢出来ないなら時間決めてトイレいこうな」 『きょうへいが、……時間、教えて』 「わかったよ、2時間ぐらいでいいか?」 『うん、』 「でもお前この後送迎だろ」 『…一緒にいる時でいいから』 「そうだな、じゃあ会社帰ったらおむつ替えてちょっとゆっくりしたら飯食って送迎いけるか?」 『うん、仕事できるから、』 「じゃあその仏頂面、どうにかしような」 と、頭を撫でてやると うん、と頷いたのを確認して 会社まで急ぐことにした 会社に戻ると 社長室で鍵をかけ タオルを敷いてシバを寝させる スーツを脱がせ おむつを開いた時だ 「あ、ちょ、シバ」 ちょろちょろとおしっこを出している最中で おしっこがこぼれないように急いでおむつを閉じる 『…なに?』 「なにじゃねえよ。おしっこ出てるけど。トイレ行きたかったんなら言えって」 『え?』 と、シバが起き上がろうとするから こぼれる、と股間を抑える 「は?どうした?」 『あ、おしっこ…でてる、』 と、ちらっとおむつの中を覗いて言うシバ 「なに?お前おしっこ出てんの気づかなかったの?」 『……』 と、黙り込んで下を向くシバに さすがに俺もおかしいと気付く 「シバ?」 『……なんか、おしっこ出ちゃった』 「具合悪いの?」 と聞いてもシバは首を横に振る 止まったかな、と確認して おむつをもう一度そっと開き おしりふきで拭いてやる 「今日おしっこ我慢すんのちょっと辛いか?」 と、聞くとむずかしい顔をした 「じゃあこの後。送迎ちょっと長い時間になるからまたおむつ履かせるけど。おしっこしたくなったらトイレ行っていいからな?」 『うん、』 元気ねえな、本当に おもらしが続いて落ち込んでいるのか 昨日から1回もトイレでちゃんとおしっこできてねえしな… おしりふきで前を拭き終わり お尻を拭こうとシバの脚を開いたタイミングで シバの手が股間に伸びてくるのが目に入る 「シバ、ちんちん触んない」 と、注意すると 少しびくっとしてすぐに手を引っこめる しかし 『んんん、きょうへい。抱っこ』 と、ぐずり始めてしまう 「おむつ終わったらな」 シバの目を見てそう伝えるが あきらかに不満というような目をし 『んんん、』 と、ぐずったような声を出す 早く拭いてやろうと少し急いでシバのおしりも拭いて新しいおむつを用意する 「シバ、足通して」 と、伝えるがシバの足は動かず どうした、とシバの顔を見ると とろん、とした目をして ちゅぱちゅぱと指しゃぶりをしていた ちんちん触んの注意したら指しゃぶりかよ、と思わず溜息が出てしまう いったいどうしたって言うんだ 本当に甘えん坊の赤ちゃんみたいになってんな、シバ 「シーバ、あんよ。通せるか?」 と、聞くと ちゅぽ、と口から指を抜いて うん、と頷き 言われた通り 足をおむつに通したから へそまでおむつを上げると すぐに抱っこ、と俺の上に乗ってくる 赤ちゃん返りしてんな、これ 「シバ、おむつも、指しゃぶりも、抱っこも。会社ですんの赤ちゃんだぞ?」 『だって……きょうへいと一緒にいたいんだもん』 「なんで、一緒にいるじゃん。何が不安なんだ?」 怒りすぎたか? 怒りすぎて言いにくかったのだろうか 『んん、だって、』 「じゃあシバが不安じゃなくなるまでいっぱいよしよししてよ。そしたら大丈夫だろ?」 『…うん、』 と、シバの腕が背中に回ってきて きゅっと抱きついてくる 俺、なんか不安にさせるような事したか? 何が不安か言ってくんなきゃわかんねえんだけどなあ 「シバが不安じゃなくなるまで、いっぱいよしよしするし、もうおむつにおしっこしても怒んねえから。だから安心しような」 と、背中を撫でながら伝えると ぐすん、と鼻を啜ったから よしよしと背中を撫でる 俺に甘えることでシバの不安が無くなるなら 気が済むまで徹底的に甘やかしてみるか

ともだちにシェアしよう!