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第59話

あー、よく寝たと目を覚まして時計を確認すると 寝てから2時間ぐらい経っていて そりゃよく寝たわ、と伸びをした 準備して買い物いくかな シバ連れて行って昼飯も外で済まそうと 辺りを見回してもシバはいなくて 「シバー?」 と、呼んでみても返事はなく トイレかな、とソファから起き上がり伸びをする とりあえず寝室に毛布と枕を片付け テレビを付けてから なんか飲もうとコーヒーを飲むことにして お湯を沸かす 『あ…きょうへい、おきた』 と、廊下からシバがリビングのドアを開けて ひょっこり覗き込むから目が合う 「おお、起きたけど」 『そっか』 と、シバは少しキョロキョロ辺りを見回して また廊下の方に行く なんだ?どうしたんだ? まぁいいか、と少し放置してたが 何やら廊下からゴソゴソと音がしていて 5分くらいたってもシバが戻ってこなくておかしいな、と廊下に出るドアを開けると 『わ、』 と、ドアを開けてすぐそばにシバはいて すぐに振り向いて俺の事を見る 「お、シバ、いんじゃん」 と、思ったのも束の間 「…どうした?」 さっきまで履いていたはずのスウェットは履いていなくて 片手でスウェットの上を引っ張って下半身を隠していて 反対の手は後ろに何かを隠していた そして床にぽたぽた落ちている水滴に このにおい 『な、なんでもない、』 「シバ、後ろに何隠してんの?」 と、シバの後ろを覗き込もうとするが 『なんでもないから!』 ふん、と俺に背中を向けてそれを隠す しかし、 「おしり濡れてるけど?」 振り向いたせいで上しか着てないスウェットから濡れているパンツに包まれた尻が丸見えになって指摘するとシバは急いでスウェットの上を引っ張ってそれを隠す 「シバ、手に持ってんの貸して」 『……や、』 「ここで何やってたんだ?」 『なんもしてない、』 「おしっこのにおいしてんだけど?」 『しない、』 「床、水落ちてんじゃん」 『水こぼしただけだし、』 ここでこうしてても仕方ない、と 洗面所にいって片付けの道具を取りに行こうとするが 『だめ』 と、シバは通せんぼして廊下を塞ぐ 「シバ、ここで何したかちゃんと言いな」 『なんも、』 「へえ、じゃあスウェット下どこやったんだよ、パンツも濡れてるし」 『それは水こぼしたから、』 「………もういいから。おもらししたんだろ」 『…だって、』 ほら、と通せんぼしたせいでさっきまで後ろに隠していたのはどうやらおしっこを拭いたタオルのようで水浸しのそれをシバの手から取る 「シバ、ここ片付けとくから」 と、そのまま手を引いて風呂場まで連れていくとびしょ濡れになったスウェットとおしっこを拭いたであろうタオルがバケツの中に入っていて これを見られたくなかったから通せんぼしたのか、と納得する 『きょうへい……シャワーして』 と、シバは服も脱がずにおずおずと口にした ちょっとお仕置してやるか 「やだよ」 『なんで?』 「じゃあなんでシャワー必要になったかシバの口から教えて」 『きょうへい、怒ってる?』 「怒ってる」 『なんで、』 「シバが隠そうとするから」 『おこんないで、』 「じゃあちゃんと言えるよな?」 『今日は、ちゃんとできると思ってたのに…』 「失敗しちゃったか?教えて?」 『……おしっこ間に合わなくて、廊下で、おもらしした、』 「それで?」 『赤ちゃんだって思われたくないから、きょうへいにバレないように自分で、スウェット脱いで、』 「濡れたのスウェットだけ?」 『床も、びしょびしょになったから、バレないようにタオルで、拭いた、』 「おしっこで床びしょびしょにしたのか?」 『おもらし、はずかしいから、きょうへいに嘘ついた』 「何を嘘ついたんだ?シバ、教えて」 『本当は、おもらしでびしょびしょにしたのに、水こぼしたって』 「へえ、シバ、それいい事か?」 『わるいこと、』 「シバ悪い事したんだ。そしたらどうすんの?」 『……きょうへい、ごめんなさい。怒んないで』 と、顔を真っ赤にしながら謝る俺のワンちゃんは今日もかわいい よしよし、と頭を撫で おでこにキスをしてやって 「シバ、恥ずかしいなぁ?顔真っ赤になってる」 『きょうへいが、恥ずかしい事言わせたんじゃん』 「お尻びしょびしょなのに廊下拭いてんののほうが恥ずかしいだろ?」 『だって、』 「シバちゃんと言えたからシャワーしてやるからな」 と、バンザイして上も脱がせて 手元もおしっこでびしょびしょになってたから全身洗ってやる事にして肩から水をかけていく 洗っている間も シバはしょぼん、と下を向いていて 時折自分のちんちんをさわろうとするからさりげなく手を絡めとって手を繋いでやる 「シバ、ちんちん触らないな」 『だって、』 「ちんちん触るの赤ちゃんだろ」 『お風呂の時触っていいって言った』 「洗う時なー。俺が洗ってるから俺が触ってやる」 と、シャワーのお湯をかけながら ふにゅふにゅと洗ってやると 『くすぐったい』 と、笑ったシバ 「よし、キレイになった」 と、タオルで包んでやると 自分で拭くからおむつを出して履かせようとする 『おむつやだ。2回おもらししたらって言ったじゃん。まだ1回しかおもらししてないよ』 「…だってこの後出かけるだろ」 『やだ、おむつやだ、約束したじゃん』 「……わかったよ、じゃあ早めにトイレな」 『うん、大丈夫』 と昼間用パンツを履かせてやるとご機嫌になる 「シバ、この後買い物行くから飯外で食うぞ」 『何食うの?』 「お前の好きな物食いに行こうなー」 服選んどいで と、頭を拭いてシバを送り出した さて、俺は廊下と濡らした衣類を片付けるかな…

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