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第71話(モブ視点)
とんでもないイケメンが入ってきた
え、なんだあいつ、顔良すぎだろ
この近所に住んでいる俺は
今年の締めくくりに温泉に来たら
とんでもないイケメンがガタイのいい男に連れられて入ってきた
ここら辺では見ない顔だ
観光客か?
「おお、すっげえ」
と、いかにも昔ながらも温泉施設を見回すガタイのいい方の男
『銭湯みたい』
「露天の源泉かけ流しだって。シバ、貴重品あるか?」
『なんも持ってきてない』
「そっか」
と、どう見ても顔が良すぎる男は手ぶらで
ガタイのいい方は貴重品入れに財布やら鍵やら時計やら高そうな物を入れ鍵をかけて鍵を腕に付けた
『どこ使ってもいいの?』
と、空いている洋服入れの籠を見繕い
並んでロッカーを使う
「ほら、シバタオル」
『ありがとう』
と、明らかに顔がいい方が年下のようで
世話を焼かれていて
2人の関係が気になる…
おそらく兄弟とかではないだろうな
イケメンは周りを気にせずどんどん服を脱いでいって
頭からヒートテックを脱ぐときに
ガタイのいい男に手伝われている辺甘えん坊なのかもしれない
ヒートテックを脱いだことで現れた
白い肌に薄い色の乳首に思わずごくりと唾を飲む
乳首やべえ…イケメンの乳首…
宝石じゃねえか。輝いてやがる
と、さりげなく乳首を盗み見ながら
自分も服を脱いでいき
イケメンがズボンを脱ぐと
ネイビーのブランド物のパンツがふんわりとした膨らみを包み込んでいた
イケメンはパンツまでイケメンか…
そして、そのウエストのゴムに手がかけられ…
遂にパンツの中の国宝がご開帳される、
と心待ちにしていたのに
「シバ、タオル」
と、ガタイのいい男がタオルをイケメンの腰に巻き付け
『あぁ、タオル』
と、イケメンはタオルの中で下着を下ろした
「チッ」
なんだよ。
まぁ、まだまだその国宝を拝む機会は十分にある
今はタオルから出る脚でも堪能しよう、と
こっそりとイケメンの後ろをついて行く
「シバ、お前さっきお○○しちゃったから先洗おうな」
と、こそりと何かをイケメンの耳元で言って
2人でシャワーの方に向かう
ふわり、と後ろから見えるイケメンの耳が少しだけ赤くなる
何?なんて言ったんだ?
何しちゃったんだ?
隣に座るのも怪しいから
少し間を開け
俺もシャワーを浴びに向かう
さて、そろそろ国宝が拝めるか、とちらりと
そちらに視線を送るが
なかなかタオルのガードがかたい
タオルをしたままシャワーを浴びて
いや、まだ諦めるのは早い、と
シャンプーをして下を向き見ないふりをしながらその時に備える
不意にイケメンは立ち上がり
腰のタオルに手をかけた
よし、ついに、と思ったのも束の間
と、俺に背を向け
『きょうへい、洗って』
と、もう1人の男の方を向き
タオルを開く
は?いや、股間洗ってもらうのか?
まさか
俺からの角度だと
というかあのガタイのいい男以外からは
タオルに隠れていて国宝は全く見えない
「自分で洗えよ」
『だってタオル抑えてんだもん』
「しょうがねえなあ」
と、もう1人の男はシャワーを手に取り
慣れた手つきで国宝に手を伸ばしちゃぷちゃぷと洗ってやる
くそおおお、なんで、なんで洗ってもらうんだ、その大事な所
と、無意識に自分の頭を洗う手が早まる
『ちんちんキレイになった?』
「なった」
『よし、入ろ、お風呂』
と、かわいらしい会話が聞こえてきて
下半身が少しだけ熱くなる
なんだよ、ちんちんって
ちんちん、
イケメンなのにちんちん、
イケメンのちんちんを早く拝みたい、と
さっさと自分のシャワーを済ませ
2人の後に付いて露天風呂に向かう
さすがにお湯に浸かる時にはタオルを外すだろうとその瞬間を待ち望むが
しかし、お湯に浸かるギリギリまでタオルで隠れていて
タオルを外したと同時にお湯に浸かるもんだからまたもや国宝は拝めず
あのイケメン、中々股間のガードがかたい
ふうぅ、と気持ちよさそうな顔をして
露天に浸かり景色を眺めた
源泉かけ流しの白くにごったお湯が今は恨めしい
全く見えない
そして妙に距離が近い2人に羨ましく思いながら今年最後の温泉を満喫する
「気持ちいいか?」
『きもちい、あったかい、』
「寝るなよ」
『んん、大丈夫』
と、溶けそうな顔をして
ちゃぽり、と深くお湯に浸かる
「お前寝そうだから寄りかかっときな」
『んん、』
と、甘えた声を出し
寄りかかりぼーっと景色を眺めているだけなのに
びっくりするぐらい絵になる顔だった
ふぅ、と目を細めるのも
色気があり
お湯で隠れている国宝の存在に期待が高まる
いや、それにしてもガードがかたすぎるのではないだろうか
よくここにくるが
ほとんどの男は最初はタオルで隠していても
そのうちタオルを外して
おっぴろげるものなのに
まさかコンプレックスでもあるのだろうか
サイズ感がお子様サイズだったり
すっぽり皮を被ってるだとか
それはそれでとても興味がある
こんなイケメンなのに包茎なんてご馳走じゃないか
そんな俺に一世一代のチャンスが訪れる
『ちょっと熱くなった』
「逆上せたか?」
『ううん、ちょっと出る』
と、ざぱり、と立ち上がり
露天の縁に座るから
もう1人の男がすぐに下半身にタオルをかけて隠してしまう
しかし、
一瞬だが、確実にその存在を目にした
ふるんと中心で揺れたそれは
色は薄いが
恥ずかしいサイズ感でも皮が被ってる訳でもない
しかし、
大の大人にはあるはずの物がなかった
もちろん俺にも、他の男にもあるはずの物
下半身の草原
陰毛が一切ない
つるっつるのそこは
一瞬しか見えなかった
イケメンのつるつる下半身
まさに国宝
いっそ神々しい
一瞬しか見えなかったがもの凄くいいものを見れた、と
ホクホクとした気持ちでひと足早く
露天風呂から上がることにした
タオルで身体を拭き
着替えをしていた時にふと目に入った
イケメンの洋服が入った籠
いや、さすがにこれはダメだとおもっても
手は止まらず
そっと、カゴの中に手を伸ばす
タオルを上からかけてはいたが
中には脱ぎ捨てた服がそのまま入っていて
タオルをそっとめくると1番上に脱ぎ捨てられた裏返ったパンツがある
悪いとは分かりつつも
そっとそれに手を伸ばす
これが、イケメンのパンツ
脱ぎたてではないのに何となくあったかい気もする
この布がイケメンのつるつるの股間を包んでいるのか
そして裏地のところ
濃い紺色だから分かりにくいが
おそらく先っぽが当たるであろう所に
もう乾いてはいるがうっすらと染みがある
なんだこれ、とそこに鼻を当て匂いを嗅ぐと
うっすらとふんわり、えろい匂いがした
その時だ
『きょうへい大丈夫?のぼせてない?』
「あぁ、お前は?」
『大丈夫!』
と、声が聞こえてきて
急いでその場から離れた
やっべえ
と、せっかく温泉に入ったのに汗をかきそうになりながらも
施設の外に出て
膝に手を付き息を吐く
「はぁ、」
目に毒だった、と
額の汗を拭おうと
手に握った布で汗を拭こうとして気付いた
「……イケメンの、パンツ」
持ってきちまった
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