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第78話
「シバ、お着替え。赤いパンツ履くだろ?」
『うん』
「大人パンツだからな。早めにおしっこ行こうな」
とは言ったものの…
ものすごく心配だった
昨日旅館に戻ってからずっとおむつでおしっこしてたしセックスでとろとろになってちんちんバカになってたからな…
大人パンツで大丈夫だろうか
気付かないうちに出ちゃってたらり大丈夫かな
ただ、おねしょした割には機嫌も良くて朝飯もよく食べた
恐らく朝から風呂に入ったのが気持ちよかったのだろう
「シバ、おしっこわかるか?」
『おしっこ?したくなったらわかるよ』
「今は?おしっこない?」
『ない、大丈夫』
「じゃあ履きな」
と、パンツを足から通してやり
上まで上げると
シバはもにもにと少しだけパンツ越しに股間を触り首を傾げる
「どうした?」
『…きょうへい、おしっこ心配』
「…おむつにするか?それかお兄さんパンツ」
『それはや、おれ今日このパンツ履くって決めてたし。きょうへいと旅行行った時に履くって。これに合わせて洋服も買ったし』
「じゃあシバ頑張るしかないな」
『大人だから大丈夫だけど…もし、失敗したらパンツも、洋服もびしゃびしゃになっちゃうかも』
「シバ、パットだけ入れようか」
『もこもこする?』
「いっぱいおしっこ吸えるモコモコのやつと、チビったぐらいならガードできるもこもこしないやつ」
『もこもこしないやつ』
「じゃあそっちにしよ」
と、少しだけパンツを引っ張って
中に薄型のパットを入れると
俺も少しだけ安心した
『きょうへい、おれ着替えてくるから待ってて』
と、パンツを履くと気合いが入ったのか
楽しそうに鞄を持って仕切りの裏の方に行くシバ
新しい洋服を着るのだろう
どんな服買ったか聞いても教えてくれず
ずっとお楽しみにされていた服
俺はシバの方を見ないように
荷物をまとめながら待つ
パンツだから
おもらしした時の為に着替えと、タオルとお尻拭き、
あとは替えのパットを厚手と薄手それぞれとおむつも一応必要か。
おむつは履くやつだけでいいか、
あと車のシートに敷くおねしょマットと、
帰りの車でシバがぐずった時用のスウェットとおしゃぶり
と、色々準備をして
俺の着替えの服とか
シェービングとか汚してしまった物とか
必要の無いものはスーツケースに入れて
これは車のトランクに入れるヤツ、と分ける
『きょうへい、どう?』
と、シバに言われて
振り返ると
「おお、シバかっこいいじゃん」
と、新しい服を着たシバのお披露目だった
白いタートルのニットに
濃い色のズボン
シンプルだけど白いニットがかわいくて似合っていた
「そのニットかわいいな。似合う」
『かっこいいだろ』
「そうだな、かっこいい」
『きょうへいがこの前クリスマスにくれたコートに合わせたんだけど?』
と、言われて
今回シバが着てきている
この前のクリスマスにあげたコート
そろそろ出発するから、とそのキャラメル色ののダッフルコートを着て見せてくれる
「あー、そうだったんだ、いいじゃん。すげえかわいい。お前何着ても似合うけど俺のタイプ」
ちょっとかわいすぎて心配なくらいだけど
忘れがちだけど顔がいいからな
すげえ似合う
グレーとかネイビーとか落ち着いた色のコートをあげようか迷ったが
たまには、と選んだ少し明るい色のキャラメル色のダッフルコート
それに合わせてくれるなんて何ともかわいいやつだ
『きょうへい、準備出来たからいこ』
「そうだな」
『あ、』
「なに?おしっこ?」
『ちげえ、写真!写真撮ってこ、部屋で』
と、俺のカメラを取りセルフタイマーをセッティングするシバ
なんかあらためてこういうの恥ずかしいが
『きょうへい、カメラ見て!』
と、ちょっとはずかしいながらも2人で写真を撮り旅館を後にすることにした
『まずどこ行くの?』
「最初お参りしてその後湖の鳥居の所な」
トイレ行っといで、とロビーで最後にトイレに行かせて荷物を詰め車に乗り込む
「シバ、向かうからトイレ行きたくなったら早めに言えるな?」
『言える、大丈夫』
そっか、えらいえらい、と
シバの頭を撫でた
『時間長いからゲームしててもいい?』
「うん、ハート送りたかったら使いな」
と、携帯をシバに渡しておく
『きょうへいおれに携帯渡すのやじゃないの?』
「べつに?なんで?」
『いや、見られんのやだとかないのかなって』
「見られてまずいもんとか特にねえし」
『ふーん、』
と、シバは自分の携帯でゲームを始めた
べつにシバに隠すもんとかねえしなー
そんなん気にするんだ、こいつ
と、大人しいシバにたまに話しかけられ
応答しながら運転していると
『きょうへい、ちょっとおしっこ、』
と、シバが不意に口にした
「トイレ探すけど我慢できるか?難しそうだったらそこに携帯トイレ入ってるから」
『まだ大丈夫、我慢できるくらい』
「そっか、」
急げば大丈夫か、と
地図を見ると
昨日の道の駅の近くという事に気付いて
急いでそこに向かう
「シバ、おしっこもうでそう?」
『だからまだちょっとだって、平気』
「そうか?」
と、案外余裕があるようで
少しだけ安心する
大人パンツだからちゃんと気を張ってるのかもな
道の駅について
すぐにトイレに行って
満足そうにシバが出てくるから
間に合ったのか、と安心して
シバの頭を撫でる
『なに?』
「間に合ったんだろ」
『うん』
「えらいじゃん」
『大人だから大丈夫だし、』
「そっかそっか。早めに言えて偉かったな」
当たり前じゃん、とふん、とシバは言ったが
何となく誇らしげだった
この調子で今日1日頑張れるだろうか
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