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第93話

『おおお、すっげえ』 「うまそうだろ」 『うどん』 「うん、うどん。お前好きだろ」 『すきー、うどん』 きょうへいはドライブと言ってちょっと有名なうどんを食べに連れてきてくれた 『えっと、釜玉うどん』 もう昼はだいぶ過ぎている時間だったから 10分ほどでお店に入れたけど 調べてみたら混んでる時間帯は結構行列ができるらしい 「俺は天ぷら山菜うどんにしよ」 『からあげもたべたい』 「唐揚げなー」 と、きょうへいがまとめて注文してくれて うどんは結構すぐ出てきて いただきます、と食べると 『もちもち、うまい』 「やっぱり本物はちげえな。いっつも冷凍うどんだから」 このうどんももちろんおいしいけど おれはべつにきょうへいが作ってくれる冷凍うどんもすきだけどなー 『きょうへいからあげいっこあげるー』 「ありがとなー」 釜玉のたまごうまい、と思いながら からあげもかじる うまい、腹減ってたから余計うまいし きょうへいもおいしそうに食べてる きょうへいうどん食いたかったのかな 今日はちょっと意地悪されるけど まぁきょうへいの事好きだからきょうへいにも唐揚げあげよ この唐揚げおいしいし 「この後もうちょい車で移動するからな」 『どっか行くの?』 「あぁ、せっかく出てきたしな」 『なにすんの?どこいくの?』 「だからお楽しみだって」 と、きょうへいは教えてくれなくて でも楽しみだった お腹もいっぱいだし、楽しみだなあ 早く行きたいなぁ ごちそうさま、とうどんも唐揚げもおいしいし 最後に温かいお茶も出てきて大満足で 車に向かう 「シバおしっこ大丈夫か?」 『大丈夫、ここ着いた時に最初行ったし』 今はおしっこしたくない、と首を振って車に乗った 『どこいくの?すぐつく?』 「ここからだと30分くらいか?」 『へえ、楽しみ』 楽しみ、と思っていたのに 車の中暖かいし いい感じに揺れていて しかもおなかいっぱいで満足してたから うとうとしてしまって 頭がフラフラする せっかくのドライブだからきょうへいと話したいのに、と頑張って目を擦るけど 瞼はどんどん重くなって ぼーっとしてくる 眠い、これ寝ちゃうやつ、 せっかくのドライブデートだから さっきドライブデートって調べた ガム口に入れてあげたり、飲み物の蓋開けて渡したりしたいのに フラフラと頭がしてしまってもうダメだった しかし、 なんだか、じくっとお腹の下が疼いて しゅわ、と少しだけ下の方に温かい感じがした思ったら、 ゴッ、と頭に衝撃を感じて目が覚めた 『わっ、』 寝てた、寝てて窓に頭ぶつけた、とぶつかった所を摩る 「頭ぶつかったか?痛くした?大丈夫?」 『きょうへい、おれ寝てた?』 「あぁ、ちょっとだぞ。10分も寝てないと思うけど、」 『ごめん、寝てた、』 「いいよ別に。ぶつけた所痛くないか?」 と、聞かれてうん、と頷いた なんか寝てたからかな、ちょっと汗かいたかも パンツの履き心地わるい、ともぞもぞ少しだけ腰を動かしたけど そうだ、デートのやつやってやろ、と思い出した 『きょうへい、ガムくう?』 「ガム?じゃあちょうだい」 と、前を見ながらもきょうへいはこっちに片手を出してくるから ちがう、とボトルのガムのフタを開けて 『ほら、あ』 と、きょうへいの口の前まで持ってくと きょうへいが口を開けたからガムを入れてあげる よし、ミッションクリア つぎは、と飲み物、と飲み物を渡そうとした時にふるっと背筋が震えた 『きょうへい』 「どうした?」 『あとどれくらい?』 「まだあと15分くらいだけど」 『そっか、』 「おしっこか?」 『………、うん、おしっこしたくなっちゃった』 「ちょっと待てよー、今トイレ探すから、」 と、きょうへいは少し周りをキョロキョロ見回したからおれは自分でカーナビの地図を見る 寝てる間におしっこしたくなってた、 寝起きで最初気付かなかったけど気付いてよかった、 「漏れそう?」 と、聞かれて下の方を少し意識すると 何となくひんやりしてる感じはしたけど、 『まだ大丈夫だけど、15分はちょっと不安かもしれない、』 「そっか、じゃあ急いで探すからちょっとだけ我慢な」 うん、と頷いておれも窓の外を見てトイレを探す けどおれから見えんの反対車線だからなかなか見つけられない 「あー、あったあった、道の駅250mだって」 と、きょうへいは看板を見て道を曲がってそっちに向かってくれて 「大丈夫?」 『大丈夫、早めに言えたし』 まだ、我慢出来る 駐車場は結構混んでいたからトイレの近くで先におれを下ろしてくれて おれは急いで降りてトイレに向かって 直前になると急激に尿意か高まったから ぎゅっと少しだけ握ったけど人がいるからすぐに離して 急いでトイレに駆け込む まだちゃんと間に合う、と自分の成長を感じながら トイレの前に立ってズボンとパンツをまとめて下ろしておしっこをした よかった、ズボンもすぐ脱げて 間に合った、と全部出し終わって満足して 気に食わないパンツの中にちんちんをしまったけど、 あれ? なんだろ、やっぱりちょっとだけ湿っぽい? なんかちんちん冷たい? んん?よくわかんないな、なんかもぞもぞしてるし生地厚いから汗っぽい? やっぱりちょっと寝てる間に汗かいたからな ちびってない、たぶん、と念の為まずズボンの中に手を入れて確認するとやっぱり汗かな、ほんの少しだけ湿っぽい感じがする 大丈夫なはず、と思いながらも今度はパンツの中にも手を入れて確認するとブリーフの生地が2枚になっている所の中側がじんわりと湿っていた なんで?おれ、ちゃんとおしっこ間に合ったよね? やっぱり汗かな、 だって間に合ったし、とそのままズボンの前を閉めてパンツもしまって手を洗いトイレから出る きょうへいは、と辺りを見回すと 車を停めたきょうへいがこっちに向かってきた 「大丈夫だったか?」 『うん』 と、ハンカチを持ってなかったおれの手を拭いてくれて 「ズボン濡れてねえ?見せて」 と、おれを後ろ向かせたりしてズボンを見てくるけど 『濡れてねえって、間に合ったから』 「パンツは?」 『だから、大丈夫だって、まにあったの』 「そうか?ならいいけど」 と、きょうへいはすぐに信じてくれて 俺もトイレ、とトイレに入って行ってしまったから いまのうちにドライブデートの基本、飲み物買っとこ、と自販機に向かってペットボトルの飲み物を買った よし、つぎは目的地までちゃんと起きてよ

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