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第116話

「は?」 いや、なんて言ったあいつ 俺の事嫌いって言った? は? いやだって… マジかよ なんで? 最近シバの事めちゃくちゃ甘やかしてんのに 自分の事よりシバが気持ちよくなる事ばっかりするようにしてるし 今だって時間ないから余裕無くならないように シバのこと気持ちよくする事だけにして 俺までその気にならないように気をつけていたのに いや、なんでだ? 何が気に入らなかったんだ? いや、入れなかったのは仕方ないだろ 時間なかったんだし そんなの、シバもちょっと考えたらわかるだろ? と、俺がぐるぐると考えていたら シバが家を出ていく音がして 俺も追いかけようとしたが シバの事洗っていたから 濡れているし 自分の準備も整っていない状態だ 「はぁ…」 何やってんだよ、俺 ため息をついてその場に座り込んだ とりあえず身支度を整え会社に向かうと 会社の駐車場にはシバの車が停まっていて とりあえずシバは会社には来ているようで少しだけ安心した シバどこいった、ととりあえず社長室に行くがシバはいなく シバのディスクの方覗いてもシバはいない 「どこいったんだ?」 「あ、社長。おはようございます」 「おう。シバ見なかった?」 「シバくんですか?見てないですけど、一緒に来たんじゃないんですか?」 「いや、今日別々に来たんだよ」 「タイムカード押してないしまだなんじゃないですか?」 「押してねえの?」 車はあったはずなのに おかしいな、と 1度駐車場に戻ってみる事にする エレベーターに乗り、 シバの車の所まで行くが やっぱりシバはいなくて おかしいな、と首を傾げた時だ ぽたぽたと シバの車から水滴が続いている事に気付いた 「もしかして、」 いや、エレベーターは濡れてなかったよな? と、水滴を辿って行くが シバの車からエレベーターホールに向かって5適くらい落ちていたが それ以降は特に濡れていない 間に合ったのか?と思いながら少し迷って 下から順に確認する事にして 1階1階降りてトイレの方まで確認したが とくに水も落ちてないし トイレにシバの姿も無い そして社長室のある5階に着いた時だ エレベーターから降りてすぐの床に ぴちゃ、とまた水滴が落ちていた事に気付く ここか、 と、水滴を避け トイレに向かうと トイレの目の前には 水滴を超え、水の道ができていて 1番手前の個室に続いていた そしてその個室は閉まっていて 中からは全く音が聞こえない 人が来たことに気付いて息を殺しているのだろうか 「…シバ?いるか?」 と、声をかけてみると 個室の中から カタカタっと僅かに音がする ここにいたのか 「シバ」 と、再び声をかけるが シバは返事をしなくて ちょっと迷ってシバの携帯に電話をかけてみると 個室の中から着信音がなる 『…、っ、ぁ、』 もうそこにいるのはシバという事が確定で 今のシバの状態を考えると可哀想になる 床もこれだけ濡れているのだから きっと下半身がびしょ濡れになってるだろう コンコン、と軽くドアをノックする 「シバ、開けて」 『……やだ、』 「やだって。どうすんの。濡れちゃったんだろ?」 『だって、』 「開けてくれなきゃ掃除の人すぐ呼ぶぞ」 と、脅しに近い事を言うと しぶしぶといった感じに 控えめにカチャ、と鍵が空くから ドアをこちらから開くと 下半身を濡らしてトイレに座り込むシバ 「間に合わなかったか」 『…はんぶんは、トイレでできたし、』 と、ぷい、と目を逸らして言っているシバ まだ機嫌が悪いな、これ 機嫌が悪かったのに漏らしてしまってさらに落ち込んでいるのかもしれない 「シバ、社長室行って着替えよ。冷たくなってんだろ?」 『…自分で、できるし』 「そっか、じゃあとりあえず社長行こうな」 と、腕を引いて立たせると下を向いたままついてくるシバ 社長室に入り とりあえずまだ無事なシバのジャケットを脱がせてソファーに置き タオルを出してから シバのベルトに手をかけるが 『自分で、』 と、そこで自分でやると言ったことを思い出したのか 首を振るが そのままベルトを外して くっついて脱がせにくいスーツを脱がせていく 「シバ。俺がやるから」 『………うん、』 と、頷いたのを確認し 黄色く染まってしまったパンツも脱がせて 乾いたタオルで脚を拭いていく 「冷たくなってんじゃん。早く俺に連絡すれば良かっただろ」 しかしシバは下を向いたまま首を振る 温かいタオルもしてやろうと タオルをお湯で濡らしてからもう一度拭いてやる 『……車で、』 「うん、」 温かいタオルで少し落ち着いたのか ぽつりと口にする 『きょうへいに、謝ろうって、1人で考えてたんだ』 「なんだよ、そんなの、」 『きょうへいの、車見えたから……降りようとしたら…いつの間にか、おしっこ、限界になってて』 「わからなかったか?」 という事は俺が駐車場に着いた時はまだ車にいたのか 焦ってて気付かなかった 『…うん、』 それでどうにかここまで来たけど限界を迎えてしまったのだろう ようやくシバは顔を上げたが 泣きそうな顔をしていた 『車降りたら、立った時にちょっと出ちゃった、』 「そっか、」 『ぎゅって抑えて、ここまで来たけど……パンツの中、すげえ濡れてた』 「辛かったろ。よく我慢したな」 シバは1度頷いて俺の顔を見る 『きょうへい、』 「シバ、泣きそうな顔すんなよ」 『…ごめんなさい、』 「大丈夫だから。もうキレイになったし。後で清掃の人も呼んでおくから」 『じゃなくて、おれ…きょうへいのこと、嫌いって言ったから』 「……それは、……シバ、俺はシバが気持ちよくなればそれでいいと思ってたんだけどそれじゃダメだったのか?」 と、少し不安に思いながら聞いてみたが ふるふると大きく首を振る 『きょうへいは、おれとしたくないのかなって……悲しくなったから、あんな事言ったんだ、おれ』 「そんな訳ねえだろ。俺だって時間あったらシバとしてえし。でもエッチするとその後仕事行くのもお前辛いだろ」 『…そうだけど……最近、きょうへいが、変な感じした、』 「変?何が」 『おれのことばっかりだから……仕方なく、おれのことしてくれてるのかなって、』 「は?ちげえから、なんだよ、シバの事ばっかりって」 『だって、おれだけ気持ちよくなればいいんでしょ?』 「その方がシバもいいだろ?」 それの何がいけないんだ? しかしシバはまた首を横に振る 『おれは、きょうへいにも一緒に気持ちよくなってほしいし…きょうへいがおれのせいで我慢すんのやだから』 「我慢なんてしてねえよ」 『でも……おれが、おねしょとかおもらしとかでびしょびしょにするから…嫌になったんだろ?』 「そんなわけないだろ。いつも言ってるけど俺はシバがおねしょもおもらししたって絶対嫌いにならねえし嫌にならねえって」 『でも…きょうへいめんどくさくなっちゃったんだ、』 「ならねえよ」 『めんどくさくなったから、もうおれとエッチしたくなくなったんじゃねえの?』 「ちがうって。めんどくさくなってねえしシバとエッチもしたいって」 『じゃあ、…きょうへいは、おれよりおもらしが好きなの?』 「………は?」 『だって…おれがおもらしすると、嬉しそうだから。いっぱい出たなって』 「いや、それは、」 『おもらしするなら……おれじゃなくてもいいの?別の、キャストの子とかでも』 「いやいやいやいや、俺別におもらし好きじゃねえけど?」 『でも…嬉しそうにすんじゃん、』 「……それは、………シバが、おもらししたら、俺がシバの事甘やかせるだろ?」 『……ん?ちょっとよくわかんない、』 「………俺がシバ甘やかしたらシバは俺から離れようとしなくなるだろ?」 『なんの事?』 「シバ……家から出たくなったってこの前言ってたじゃねえか」 『おれそんなこと言ってねえよ?』 「いや?そうだっけ?言ったろ?」 『言ってねえよ。いつのこと?俺がきょうへいの家から出たくないし』 「そうなのか?出たくねえの?」 『うん。だめなの?』 「ダメじゃねえ。すっげえ安心した」 『そっか、おれも安心した』 俺の勘違いか? 言ってなかったか? もう俺のペットでいるの嫌になったって けどシバはそんな事なかったように言うから ひとまず安心というかなんというか 俺の勘違いだったようだ 『だからきょうへいずっと変だったの?』 「…お前が変なこと言うからだろ」 『だから言ってねえって』 だっこ、とシバは下半身裸のまま手を伸ばしてくるから とりあえず腰にタオルを巻いてそのままシバを抱っこすることにした 「シバ、どうする?パンツでいい?」 『ううん、おむつにする』 「いいの?それで」 『うん。今日は失敗して悲しいからきょうへいに甘やかして欲しいんだ』 「そっか、じゃあ今日はおむつにしような」 すぐにおむつを脚から通してやろうと 広げたがシバは首を振った 「なに?」 『これじゃないのがいい』 「なに?薄いやつ?」 『じゃなくて…テープ、の、』 「テープのがいいの?」 そんなんじゃ自分でトイレ行けないだろ、と言おうとしたがそんなのシバだって分かっているはずだ その上でこの要求ということは テープの履いて赤ちゃんみたいに甘やかして欲しいんだろう 「じゃあシバ、テープのするからゴロンしような」 と、テープのおむつを出してシバに見せると シバは大人しくソファに横になって 脚をぱっかりと開いた トイレ行きたくなったら教えて、と言おうとしたが敢えて言うのはやめておいた

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