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第121話
『ちょっと出かけてくるー』
「おー。どこ行くの?」
『友達…汰一と会ってくる』
「おー。珍しいな、帰り遅くなんの?」
『うーん、たぶん』
「じゃあ帰り連絡しろよー、迎えいくし」
『何時になるかわかんないから連絡無かったら寝てていいよ』
と、きょうへいに言って
出かけることにした
今日は仕事が早く終わって早めに帰っていたから1度家に帰って着替えてから出かけることにしていた
「あ、祈織。お兄さんパンツ履いてけよ?」
『ええ、もう大人パンツ履いちゃってるし大丈夫だよー』
この前までずっとおむつしてたせいで
しばらくトイレ上手にできなくなってたけど
やっぱり大人だからちょっと練習すれば昼間のトイレは上手にできるようになった
いつまでもきょうへいに迷惑かけたくないし
夜はおねしょ治んねえけど。
「酒飲むだろ?念の為」
『えええ、もう時間ないのに』
と、靴を履いていたのに脱がされて
リビングまで連れてかれる
『えええ、きょうへい、時間ないのに』
「じゃあ送っていくから」
『いいよ、』
と、仕方なくズボンを脱ぐと
きょうへいは大人パンツをぬがして
足元にお兄さんパンツを広げてくる
ちょっともこもこするからいやなのに
けど仕方なくそれに脚を通すと
上まで上げてくれて
ズボンも履かせてくれたから
ちょっと急いで汰一との待ち合わせの場所まで向かう事にした
きょうへいは送ってくれるって言ったけど
遊びに行くだけだから
タクシーで行って
駅前で待つ汰一の姿を見つける
『汰一、お待たせ』
「おお、あ、私服?」
『うん、一回家帰ってた』
「仕事は?」
『今日早く終わる日だったから』
「そうなんだ」
と、汰一のオススメの居酒屋に向かった
「つか祈織タクシーで来なかった?電車で来れば良かったじゃん。リッチかよ」
『おれ電車あんまり好きじゃないんだよね』
「は?通勤とかどうしてんの?」
『通勤は車』
「あぁ、一緒に住んでる人の」
『うん。あとはたまに自分の』
「車もってんのかよ、金持ちだな」
『他に金使わないだけだよ。趣味もないし』
「ええ、俺なんて普通に生活してるだけで金なくなるけど。家賃とか」
『あー、』
そう言えばおれはきょうへいの家に住んでるから家賃とかかかってないなあ、光熱費とか
「何食う?」
『なにがおいしいの?ここ』
「ここは肉寿司が美味い、あとポテトサラダ」
『じゃあそれ食いたい』
と、汰一おすすめメニューと
飲み物をそれぞれ注文する
「祈織は?家賃とかいくら位なの?」
『おれ払ってない』
「は?まじで?ラッキーじゃん」
『…うん、住み始めた時、おれ働いてなかったからそのまま』
よく考えて見れば
家賃どころか光熱費もご飯もほとんどきょうへいが出してくれてた
それに服とかも
こういう風に自分でご飯食べに行った時とか
後は自分で服欲しい時とかは自分で買ってるけど
パンツとかヒートテックとか
スウェットとかワイシャツとかいつの間にか増えてるし
私服もたまにきょうへいが増やしてくれてるし
「へええ、すげえな。社長なんだっけ、一緒に住んでるの」
『うん、』
「さすが社長だな」
『でも、あいつ。普段はそんな社長っぽくないよ?牛丼とか食べるし』
「牛丼って吉〇家とか?」
『うーん、まつや』
「へえ、そんなん食うんだ、社長」
『うん。ファミレスも行くし』
「ええ、じゃあふつうにスーパーとか行くの?」
『いくよ。ほら、駅前にもある紀伊国屋か成城石井』
「おお、そこはちょっと高級スーパーなのな」
『高級なの?』
「なに、祈織知らねえの?」
『知らなかった』
「祈織って世間知らずなとこあるよなー、まぁそこがかわいいんだけど」
『…なに、かわいいって。やめろよ』
と、そのタイミングでお酒が来て
乾杯、とグラスを当てた
「昔からそういうとこあるじゃん、祈織」
『なにが、ないよ、そんなん』
「そんな事あるだろ、なんか純粋培養だったじゃん、むかしの祈織」
『ええ?そう?そんなんないよ』
なにそれ、じゅんすいばいようって
「こう言う話題アレだけど…オナニーだって、俺が教えたじゃん」
『そ、れは、』
たしかに、おしえてもらったけど…
『だって、おれ精通すんのおそかったからわかんなかったから仕方ないじゃん?』
「いや、でもあの年代なんてその事しか興味ねえじゃん」
『そうなの?』
「そうだろ、逆によくあそこまで何も知らずに生き延びたって言うか」
『…まぁおれ女兄弟しかいなかったし』
「まぁたしかにそういうのあるかもなー。家事能力もねえし」
食いな、と汰一は先に来たポテトサラダを取り分けてくれる
『わー、うまそ、いただきます』
と、取り分けられたポテトサラダを受け取る
うまそ、ゆで卵ついてるし
「今はちゃんと自分でできんの?」
『え、それは、もう…大人だし』
急な質問にポテトサラダをつまらせそうになりながらどうにか答える
オナニーは…気持ちよくて好きだからしちゃうけど、
「何が好きなの?」
『ええ、何、』
なにって、
ええ、
なに、床でやるの好きだけど、
大人なのに恥ずかしいかな
後ろは自分でやるの好きじゃないし
なんだかんだきょうへいの枕に顔埋めて
自分の枕にコスコスすんの好きだけど、と
そこまで考えたとこでお腹の奥がずくん、とちょっと動いて
恥ずかしくなって考えを振り払う
『なにって、普通に、』
「普通?例えば?」
『ええ、なんでそんなこと聞くの?』
「いや、なんかそういうのちゃんと自分でしてる祈織想像出来ないからさ…どういう風にしてんのかなって」
『…いや、想像しなくていいし、』
まぁ、たしかに昔は自分で出来なくて
汰一におしえてもらったけど、
「いいじゃん、俺も参考にしたいし教えてよ」
『えええ、えっと、じゃあ、』
恥ずかしいけど、
昔教えてもらったんだし
男同士なら普通にこういう話するって
昔聞いた気もしたから
変に恥ずかしがってる方が変なのかもしれない
「うん」
『普通だよ、えっと、』
「普通?」
『枕に…ぐにぐに、したり、……ちくび、さわったり』
「……え、は?…ぇ、まく、ら?ちく、え?あ、オナニー?」
『汰一が聞いたんじゃん、』
「え、いや、……俺、家事するかって聞いたんだけど、」
『は?え、あっ』
…あ、そう言えばチラッとなんか家事がなんとか言ってたかも……
ポテトサラダに夢中で聞き流したかも
そう気付いたら
どんどん恥ずかしくなって
顔が熱くなった
『ば、ばか!恥ずかしいこと言わせんなよ!』
と、飲み物をぐびっと一気に飲んで顔の熱いのをどうにかするのとついでにグラスで顔を隠す
うわ、恥ずかしくて汰一の顔見れねえし
「へえぇ、祈織オナニーのとき乳首弄るんだ」
『ばか!忘れて!汰一のばか』
「祈織が勝手に間違えたんじゃん」
と、汰一は笑って
おれの飲んでるグラスを取り上げて顔を見てきた
『家事は…してねえし』
ふんっとちゃんと質問の答えを言って
グラスを取り返した
くそ、グラス空だし。無駄に恥かいた
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