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第133話

祖父の7回忌と高校の同窓会があり お盆休みに1人で実家に帰ることになった 祈織も連れていこうと思っていたが 祈織もさすがに法事だと遠慮してしまったのと 同窓会に連れていくわけにも行かない しかし1人で家に置いていくのは心配していたが 以前お父さんがぎっくりになって1回一緒に帰ったからか、 お父さんに会いたいからとお盆に祈織も実家に帰ることになって それぞれお盆は実家で過ごすことになった 2泊3日、 仕事もあるから短い期間だが 祈織と暮らし始めて結構経つが こんなに離れたのは初めてだったかもしれない 実家に帰る時もだいたい連れて帰ってたし 祈織は実家に帰らない たまに出張も行くが 連泊の時は祈織と行っていた 祈織がいないとまぁ寂しいし心配だが そんな心配とは別に 同窓会に参加していた この歳になると結婚している人も多くて 二次会は結婚していない家に待つものがいない者が殆どだった 「さっき聞こえたよ。久我くん親にお見合いの話持ってこられたんだって?」 「…まぁな。本当にやめて欲しいわ」 「久我くん結婚してないなんて意外だったなー」 「まぁ結婚願望ねえしな」 と、酒も入り当時の元カノと話していた 「ええー!なんで?彼女は?久我くんって社長さんでしょ?」 「まぁ、一応」 「ねえ、良かったら合コンとかしない?久我くん社長さんだから知り合い多いでしょ?」 「いや、そういうのはちょっと」 「なんで?いいでしょ?お願い」 「いや、俺忙しいし。あんまり夜遅く帰んのやだし」 「ええ?なんで?久我くん一人暮らしでしょ?」 「…いや、1人じゃねえけど」 「え!そうなの?同棲、あれ?彼女いないんだよね?」 「…会社の子。住ませてんの」 「下宿みたいな感じかな?女の子?」 「…男だけど」 「じゃあその人も連れてきなよー」 「いや、子供だし」 「子供?何歳なの?」 「…25」 「いや、若いけど子供じゃないじゃん」 いや、そうなのか、 そうか、世間一般的には酒も飲める年齢だしな 「まぁとりあえずあいつはダメ」 合コンなんて以ての外だ めちゃくちゃ顔いいからモテまくるに決まっている そんなんで祈織に女が言い寄ってくるなんて俺が許せない 「ええー、まぁとりあえず久我くんは1回飲みに行こ。とりあえず連絡先…は、変わった?」 「いや、変わってねえと思うけど」 「これ?」 と、1度携帯がなり 高橋、と元カノの名前が表示される 「お、それそれ」 「じゃああとはLINEで。都合いい日決まったら教えて」 「いや、俺本当に忙しいし彼女作る気無いから」 「久我くんはもうどうでもいいの。この歳になると独身の男性と知り合う機会が貴重すぎるからとりあえずセッティングだけでもして」 と、切実すぎる願いで 断ることもできずとりあえず頷く 「そんなんしなくても高橋モテそうなのにな。サバサバしてるし」 「この歳になるとそんな何も無いよ。それに多分楽すぎて逆につなぎ止めなくてもいいかなってみんな思っちゃうんだろうね」 「なに?それ」 「だって久我くんもそうだったでしょ?」 「何が?」 「なんか友達の延長みたいな感じだったじゃん、私たち」 「そうか?」 「そうだよ、久我くん全然言葉にしてくれなかったし」 「……そうだっけ」 「そうだよ、だから不安になるんだよ、久我くんと付き合う女の子は」 「ふーん、」 そうだっけ、そうだったのかもなあ もう何年も彼女なんて存在は作ってないから忘れていた 「まぁ、そんな感じだったから別れた今でも別に全然気まずく無いんだけどね」 と、高橋は笑った 「…高橋、」 「なに?」 「セッティングはいいけど、俺やっぱり彼女作る気ねえから」 「やっぱり誰かいい人いるの?」 「あぁ、まぁな」 「まさか片思い?」 「……いや、考えた事ねえや」 俺が祈織に片思い? いや、片思いか? あいつ俺の事好きそうだし 実際に好きって言われた事は多分ないよな セックス中とかは好き好き言ってっけど それは多分違うっていうか セックスで気持ちよくしてもらうのが好きなんだろうけど でもあんまりにも好きそうだから勘違いしそうになるんだよなあ あいつはきっと飼い主としての俺が好きなだけだしな 「付き合わないの?告白は?」 「は?告白?そんなんすんのかよ…この歳で」 「何歳になっても言葉にするのは大事よ」 「…言ってるし、伝えてるし」 「それで相手の子は?」 「いや、うん。なんか普通の反応」 「…それは相手の子にその気が無いか相当鈍感なのね」 「………その気ねえのかなあ」 いやその気ってなんだ そもそも俺って祈織とどうにかなりたいのか?

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