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第156話
『きょうへい、きょうへい』
帰ってすぐ眠そうにしていたが
その後昼寝したせいで(昼寝と言うには遅いが)夜にはすっかり元気になっていた祈織は
甘えたようにずっと俺にくっついていて
俺が仕事をしている間も
ずっと隣でゴロゴロとしていた
『きょうへい、おしっこ、おしっこ連れて行って』
と、先ほどおもらしした後にいじめてやって
おむつもつけたらそれが恥ずかしかったのか
その後はちゃんとトイレに行くように心がけていて行きたくなったらちゃんと早めに行くようにしていた
「おしっこなー」
ついでに休憩するか、とトイレに連れていきながら考える
『おれも仕事しようかなあ』
「明日でもいいって。もう遅いしお前は今日ゆっくりしときな。こないだ体調崩したばっかりだろ」
『うーん、』
といいつつも眠そうに
携帯をいじっていて
仕事する気もあんまり無さそうだが暇なんだろう
1人でいるのを嫌がりそうだから
仕事部屋じゃなくリビングで仕事をしていたし
祈織も寝室に行かせるのを諦めて
リビングに毛布を持ってきたら
祈織はずっとソファとか床のラグの上に転がっていて
トイレの後リビングに戻ってもすぐにゴロゴロと床に寝転がった
『きょうへいー』
「どうした?」
『これ。買って。えっちなパンツ』
「は?なんで?」
『えっちなパンツ欲しいんだもん』
と、ネットで見ていたエッチな下着の写真を見せてくる祈織
本当に暇してたんだなこいつ
「おもらしする赤ちゃんにはエッチなパンツ早えよ」
『んだよ。きょうへいが喜ぶと思ったのに』
ぽい、と言った感じに
携帯を投げてごろん、と俺の膝の上に寝転がってきた祈織
「祈織、休憩するか」
『休憩?おれなんもしてないよ』
「俺が休憩すんの。ちょっと構ってやるけど」
『やった、きょうへい休憩すんならコーヒーいれたげる』
と、朝の不調はどこへやら
元気に起き上がってキッチンに向かった
『きょうへいー、おれもコーヒー飲んでいい?』
「夜だからちょっとな。寝れなくなるから」
おねしょするし
『もうさっき寝すぎてそもそも寝れない』
「明日寝不足とかやめろよ?」
『明日はちゃんと元気になって働くし。朝マック食いたいし』
まだ食いたがってたのかマック
「お前のおねしょいつ治んだろうな」
『しない時だってあるじゃん、つかそれやめて』
「それ?どれ?」
『…おれのこと、お前って呼ぶの。やだ』
「あぁ、今お前って呼んでた?」
無意識だった
確かに女の子でもお前って呼ばれるの嫌がる子いるよな
『呼んでたし。最近いっつもじゃん』
「あ?そうか?」
『そうだよ。ちゃんと名前呼べよ』
「わかったって。ごめんな祈織」
『うん。それでいい』
「よし、じゃあ祈織、コーヒーいれて」
『うん、いまやってる』
そして改めて
「祈織のおねしょいつ治んだろうな」
『……最近ちょっと失敗するだけじゃん』
「ここの所毎日だろ。まぁ祈織はおしっこ気持ちいいからしょうがねえか」
『ち、がうもん、』
顔を赤くして嘘をつくから
もうちょいいじめることにしてみる
「おしっこどう気持ちいいの?」
『別にきもちよくないって』
「でもさっきおもらしした時言ってたろ?おしっこ気持ちいいって」
『…それは、』
「おしっこ漏らしてびしゃびしゃになんのが気持ちいいの?」
『ち、がくて、…我慢したの、しゃあって出るの気持ちいい、』
「でも服びしゃびしゃになるだろ?」
『…そうだけど、…きょうへいがキレイにしてくれるのもきもちい』
「へえぇ、」
『なんだよ、それ』
「恥ずかしいこと言ってんなぁって」
『きょうへいが言わせてんだろ』
「今日おねしょしたら明日の会社もおむつにするか」
『え?それはやだ。会社でおむつはやだ』
「なんで。今日おもらししただろ」
『…会社では大丈夫だから』
「信用ならねえ」
『おむつはやだけど。履くならきょうへいと2人の時がいい』
「じゃあ今日はおねしょしないようになー」
と、言うと
コーヒーを入れる手元をじっとみた祈織
飲むか迷ってんのかな
「ほら祈織、一緒にコーヒー飲も」
と、いじわるを言ってやると少し迷って
2人分のコーヒーを持ってきてくれる
『はい、コーヒー』
「祈織のコーヒー好き」
『きょうへいのためにいれてるから』
「そういう所、ほんとかわいいよな」
『だっておれは、』
と、なにか口の中で小さくつぶやいて
俺のすぐ隣に腰を下ろしてスリスリと擦り寄ってくる
かわいいやつ、本当に
いつになったらこいつは俺だけの物になるんだか
「なぁ、さっき見てたエッチなパンツもう1回見せて」
と、祈織にiPhoneを渡すと
すぐに操作して
おしりの所が紐しかないようなパンツを見せてくれる
『これ』
「こんなんパットもつけらんねえじゃん」
『つけねえし』
「おもらししたらどうすんの」
『きょうへいの前でしか履かないから大丈夫』
「まぁたしかに」
『おれがこういうの履いてんの好きじゃないの?』
「まぁたまにはいいけど」
というと
祈織は何種類かのパンツの写真を見たが
『んー、やっぱりいらね』
と、すぐに携帯を見るのをやめたく
「なんで?欲しいんだろ?買ってやるよ」
『だってきょうへいがそんな興味無さそうだし』
いや、別にそうでも無いけど
確かに履いてたらそれはそれでいいけど
中身の方が重要というかなんというか
「まぁ尻冷えるしな」
『いや、おばあちゃんかよ』
と、じと、と見てくる祈織
「なんだよそれ」
俺は祈織だったらいいって思ってんのに
なんでそうなんだよ、まったく
「祈織の事大事にしてんだけど?」
『……それは、……知ってる』
伝わってんならいいけど、と祈織の頭を撫でてやると
少し考えてやんわりと手をはらってくる
「なに?」
『でも子供扱いはいやなんだけど』
「子供扱いじゃねえよ」
『じゃあちゅう……キス、キスして』
「そうだな、キスしようか」
と、そのままコーヒー味のキスをすると
嬉しそうに目を逸らして笑った
「子供じゃなくて祈織は赤ちゃんだけどな」
『うわ』
「まぁ俺は祈織が赤ちゃんでもいいけどな」
かわいいし
俺の前でおもらししておむつ替えてやって祈織が気持ちよくなるなら好きなだけ甘やかしてやるのにな
『おれは赤ちゃんになりたい訳じゃない』
「でも、祈織が赤ちゃんだったらずっと俺から離れないだろ?」
『…そうじゃなくても、ずっといるじゃん』
抱っこ、と
赤ちゃんじゃないって言っていたのに甘えてくる
「そうだったな」
よしよし、と背中を撫でてやると
ぎゅっとくっついて来た
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