160 / 212
第160話
『おしりいたい』
「…無理やりやったからか」
『いてて、』
と、シャワーの後うごけなくなってしまった祈織はベッドに横なり痛くない体勢を探していた
「血は出てなかったんだけどな…薬でも塗っとくか」
『いい、たぶんもうちょっとしたらなおる』
「目も腫れてる」
『元からこんなんだよ』
「うそつけ。お前元はもっとかわいい目してただろ」
『なんだよそれ』
と、祈織は笑った
セックス中はずっと泣いていたが
今はすっかりいつも通りになり
泣き止んでごろごろと少しだるそうにしていた
『なんか乳首もいじられすぎてまだむずむずする』
と、バスタオルにくるまったまま乳首を自分でいじっているようだ
「祈織、寝る前におむつしとこ」
『おむつしない。やだ』
「やだはダメだ。おねしょ続いてるだろ」
『…今日はちゃんとおしっこしたから大丈夫、』
シャワーしながらおしっこしたもんな
「シャワーでおしっこすんのもやめろよな。子供じゃねえんだから」
『シャワーしてると気持ち良くて出ちゃうんだもん』
「つかシャワーでおしっこしてるとおねしょ治んねえらしいぞ」
『………』
「今日おねしょしなかったら明日は寝るとき用のパンツにしてやるから」
『約束だよ』
と、あきらめて体勢を変えようとする祈織の体を支え、おむつを履かせるために寝させる
「後ろ薬塗っとくか?」
『やだよ、はずかしい。そんな所』
「ちょい見せて。切れてない?」
と、足を広げて見ようとすると
すぐに手でそこを隠してしまう
『見るなって』
「なんで。さっきまでそこに」
『言うなって』
こいつなんか変な所で恥ずかしがり屋なんだよなぁ
明るいところで見るの嫌がるし
ちんちんはそんな恥ずかしがんねえんだけどなぁ
『なんともないから』
「痛いんだろ?」
『平気』
と、まだ隠しながら言うから
「おむつ付けるから手どけて」
と、手を退けさせて
あんまりみると嫌がるから
チラッとみると切れてたりはしてなかったが
ちょっとだけいつもより赤っぽくなっているように感じた
「おしり、薬塗らなくて平気か?」
『平気』
「おむつ閉じちゃうぞ」
『早くしてって』
と、恥ずかしそうにバスタオルで顔を隠してしまう
明日も痛そうだったら
朝おむつ替えの時に薬塗るか
『おしりの薬あるの?』
「とりあえずオロナイン」
『きょうへいのお家、薬の種類少ないよね』
「まぁ俺が基本的に丈夫だからな」
祈織が家に来てからだいぶ増えた方だけど
オロナインもだし風邪薬用の座薬とか
「ほら、いつまでもバスタオルじゃ無くてパジャマ着るぞ」
と、おむつをつけ終わり手を引いて起こすと
何となく乳首もいつもより赤い気がした
「乳首痛い?」
『痛くないけどむずむずする』
「オロナイン塗っとくか?」
『いいよ、寝たらなおる』
スウェットもそのまま首から被せて着せてやると
すぐに横になる
もう眠いんだな
『きょうへい、ねよ、ねむい』
「そうだな、」
と、横になるとすぐにくっついてくる祈織
そして
『きょうへい、』
と、眠そうにうとうとしたまま
ゆっくりと何かを話し出す
「どうした?」
『きもちよかった、』
「気持ちよかった?セックス?」
泣いていたから少し心配していたが
気持ちよかったなら良かった
『うん、きょうへい、すき』
「うん、また気持ちよくしような」
あ、どこが1番好きなのか聞けばよかった、と
ちょっとおもったが
すぐに俺も眠くなってしまって眠りについた
◇◆
ぐす、ぐす、と鼻をすする音で目が覚めた
あれ、泣いてんじゃん
「いおり、」
どうした、と起き上がると
びくっと身体を揺らした祈織
「おねしょ?どうした?」
『びしょびしょに、なった』
「あぁ、溢れた?パット入れておけばよかったな」
どんぐらいでたかな、と布団を捲ると
スウェットは濡れていて
おしりの下に小さなシミが出来ていた
『…ごめんなさい、』
「泣かなくていいよ。起こせばよかっただろ」
『だって、』
まだ眠いんだろうな
おねしょして濡らしても泣かない時もあるし、
気分的な問題だと思うが
今日は落ち込んでしまったようだ
「なんで泣いてんの?」
『…ぬれた、』
「起こしたらいいだろ、俺の事」
『でも、』
「シーツは大丈夫そうだから着替えてタオルしてもう一回寝ようか」
と、聞いて見るが
ぎゅっと抱きついて来て顔を隠してしまったから
どうしたいのかわからなくなって
とりあえず脱がせることにした
『きらいに、なんないで』
「いつも言ってるだろ、ならないよ」
今日はどうも落ち込んでいるらしい
嫌な夢でも見たかな
ぐすぐす泣きながらも
脱がせようとすると腰も浮かせてくれて
一応手伝ってはくれるが顔は見せてくれない
早くもう一度寝かせてしまおうと
さっさとタオルとおしりふきで拭いて
後は寝起きでシャワー浴びせることにして
新しいスウェットまで履かせてやる
「寒かったな、今日ちょっと」
『…うん、部屋、寒かったかも』
だからおしっこ多かったかな
エアコンの設定を直して
肩まで毛布をかけてやる
「よし、寝るか」
その前に鼻、とティッシュを渡すと
自分で鼻をちゃんとかんだから
よしよしと背中を撫でてやると
ようやく落ち着いてきたようだ
「夢見た?」
『見たけどおぼえてねえ』
「ふーん、ならいいけど」
『なんで?』
「泣いてたから」
『…泣いてねえし』
「うそつけ」
『……きょうへい、おれ本当は自分で着替えられるよ』
「うん、知ってる」
『でも、きょうへいにしてもらう方がすき』
「それも知ってる」
と、俺の言葉を聞いて
またすりすりと身体を擦り付けてくる
かわいいやつ
『きょうへい、』
「うん、もう寝るか?」
『うん、』
「部屋は?寒くねえ?」
『うん、おやすみ』
「あぁ、おやすみ」
この調子だったら明日には機嫌も大丈夫そうだな、とようやく俺も安心できた
ともだちにシェアしよう!