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第164話

祈織の乳首はしばらく赤くなっていたままで 気になって自分でも弄ってしまっていたせいでなかなか良くならなかったが どうにか俺も祈織も触るのを我慢したから 元の控えめな乳首にもどった それはいいとして… 「なぁ、昨日の夜気持ちよくなかった?」 『…気持ちよかった』 と、朝から聞いてみた 突然聞かれたのが驚いたのか ちょっとだけ間を空けて少し恥ずかしそうに答えた 「そっか、ならいいけど」 『なんだよ、急に』 「いや、別に」 と、祈織の瞼を少しだけ撫でた 腫れている 最近、セックス中に祈織は泣くようになってしまった セックスのあとはけろっとしていて あんまり泣いている自覚が無いのか そんなに泣いていた事を引きずる様子もない 「お、おねしょしてないじゃん」 と、朝のおむつを外すと濡れていなかった事に気付く 『うん。1週間してない』 と、ちょっと誇らしげにいう祈織 完全に濡らさなかったのは確かに1週間連続だな 「今日から夜は寝るとき用のパンツにするか」 『うん、そうする』 「会社も大人パンツにしような」 寒くなってきたから心配でここの所は吸水パンツにパットをつけて履かせていたが それもここ一週間は汚してもちびる程度ですごせていて調子がいいのかもしれない 『うん、やった』 と、祈織は嬉しそうに着替えに向かう やっぱり昨日の夜セックスの時に泣いていたのなんて引きずってないようだ   なんで泣くのかな 俺なんかしたか? 「おもらししなかったらおねしょ卒業も近いかもな」 まぁ冬は寒いから難しいんだよなぁ こればっかりは気長に付き合っていくしかないけど 俺の言葉に少し何やら考える顔をする祈織 そして、 『きょうへい、おれ、本格的におもらしもおねしょも治したいんだけど』 と、口にした 「そうなの?まぁその方がお前は楽だよな」 『うん』 「なんで?」 『…なんでって、大人だし』 「まぁそりゃそうか」 『せっかく、おねしょ今しないからチャンスかもって』 「じゃあちょっと気をつけて見るか」 『うん』 俺はおねしょもおもらしもしてもいいと思っているけどやっぱり本人はしない方が嬉しいんだろうな 最近はセックスも増やしていたから おもらしして気持ちいいのも求めなくなってわざとおもらしもしなくなってたし 「薄いパットだけ入れようか」 『…うん』 と、パンツだけが許されなかった事にに少し不満があるようだが 自分でも少し心配なようで大人しく俺の提案を受け入れる 今まで何度も挫折したトイレトレーニング ただ、それは本人のやる気もそこまでなかったし ほっといても治る時期だってあった だからそこまで気にしていなかったけど 祈織が珍しくやる気だから 治してやるチャンスかもしれない 祈織は見た目の割に内気だし自己肯定感が低い 多分、それはおもらしやおねしょからくる自信のなさも少なからず関係しているだろう だからおもらしやおねしょが治れば少しは自信がつくのかもしれない そしたら、セックスの最中に泣いたりもしなくなるんじゃないか 『今日はフレンチトースト』 「フレンチトーストな」 と、朝のメニューも決まり 会社に行こうとしたタイミングで 祈織の携帯がなった 「なんか朝からなってるけど」 と言っても一般的には昼前か 『あ、電話』 朝から電話なんて珍しいな、と思いつつ すぐに電話に出た祈織 『もしもし、どうしたんですか?』 と、応答をしていて 俺も顔洗ってこよ、と祈織を置いて先に準備に向かった しばらくすると祈織も電話を終えたようで すぐに歯磨きをしにきてならんで歯磨きをするから 「電話誰?ヤナギ?」 と、何となく 仕事だったらもしかしたら送迎の変更とかで急がなきゃいけないかもだし、と深く考えずに聞くが 『え、…ちがう、』 「タキ?」 『ちがう、仕事のじゃない』 「そっか」 それなら急がなくて大丈夫だな、と 俺も歯磨きを始めながら考えると …誰だ? 祈織敬語使ってたよな? ヤナギやタキ以外であいつ敬語で話す相手いるか? え? つかあいつ電話かかってくるような人いんのか? ヤナギやタキは仕事の電話来るし たまにあきらくんも仕事とかちょっとした関係ない電話もしている 他に思い浮かぶのは…強いていえば あの高校の同級生だけど 同級生なら敬語使わないし なんかの予約関係とか役所関係は俺が電話してるし… まじで誰だ? 「朝から電話珍しいな、仕事じゃないのに」 『…え、あ、うん、っん、よだれ、』 と、歯磨きしながら喋ったから せっかく着替えたのに白い涎を垂らしてワイシャツを汚す 「あ、おい」 と、俺も汚しかねないから すぐに歯磨きを終わらして タオルで拭いてやる 『んん、』 「あー、もう。涎垂らすかよ」 『ふあっへ、ん、』 「垂れるから喋んなって。ほら、さっさとうがい」 何か喋りながら汚したところを確認しようとするから また汚す、と先に口をゆすがせ 口の周りも拭いてやる 「シャツ着替えちゃいな」 『拭けばいいよ』 いや、誰と電話してたんだ? 聞こうか辞めようか迷っている間に 祈織は汚したシャツのままさっさと準備を進めていて 完全に聞くタイミングを逃してしまった

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