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第167話

昨日の夜 おむつ嫌と散々抵抗をして おねしょパンツで寝させたが 案の定朝失敗をしてしまって 飲酒とつかれで眠りが深くて起きられなかった為そこらじゅうびしょびしょにしてしまい 朝はもう落ち込んで大変だった 1週間おねしょもしなかったから おもらしもおねしょも本格的に治そうと決意した矢先だ 昨日も酒を飲んだのに気をつけてパットを濡らさないで帰ってきたから風呂に入る前に褒めていたのに 朝になったらおねしょをしてしまって 泣きべそをかいておねしょの跡を見られないように毛布にくるまって隠していた 「祈織。酒飲んでたんだから仕方ねえよ。ほら、さっさとシャワーするぞ」 『…やだ、昨日までおねしょしなかったのに、』 と、ベッドの上でもじもじと腰を揺らしていて これはおしっこしたくなっているサインだと気付くが 本人は落ち込んでいておしっこの事まで頭に無いようでこのままだったらおもらししかねない そうするとますます落ち込んでしまうのは目に見えていた 「おねしょ完全に治るのはちょっと時間かかるだろうから気にしなくていいよ。そんな事よりおねしょしてびしょびしょのままいる方がいやじゃねえの?」 『…それは、』 「シャワーしてお着替えして今日も大人パンツ履いて会社行こう、祈織。おねしょはしょうがねえけどおもらしは気をつけられるだろ?」 『…うん、あ、…おしっこ、したいから、先にトイレいく』 と、ようやく自分の尿意に気付いたようで 手を引いてトイレまで連れて行ってやると トイレの前で数滴床にこぼした後 ちょっと慌ててびしょ濡れのスウェットとパンツを下ろしてトイレにおしっこを流す あれだけシーツを濡らしたのに沢山出てんな 全て出し終わるとぷるっと震えてトイレを流し 『きょうへい、パンツにちょっと出た、』 と、情けない声で伝えてくる 「じゃあ早くシャワーしてパンツも洗っちゃおうな」 と、できるだけ気にしないように伝えてその場でびしょ濡れのパンツとスウェットを回収し風呂まで連れていく 洗ってやるか、とそのままシャワーを持って お湯をかけてやる 「そういや最近シャワーでおしっこしなくなって偉いな」 『…うん、おねしょ治んなくなるってきょうへいが言ったから』 「そっか、」 手にボディーソープをつけてさっさと洗ってやると気持ちいいのか少しだけ勃起をさせていたが流石に時間がなかったから見ないふりをした 「今日もフレンチトーストのお店にするか」 『いいけど』 「今日木曜日だからクロックムッシュの日だろ。それとジンジャーココア飲んでこ」 まぁ俺はいつも通りモーニングのBセットとコーヒーだけど 『うん、そうする』 「じゃあさっさと準備してくぞー」 『うん』 と、頷いたけどまだ元気は無くて トイレの前で少しパンツに出てしまったのを気にしているようで 大人パンツを履かせ、パットを入れようと手に取る 「祈織、パット入れるけどパンツの中に出ないようにする訓練だからちゃんとトイレ行けるよな?」 しかし、 『やだ、パットしたくない。おれ昨日も大人パンツで大丈夫だったじゃん』 「でも今日寒いぞ、昨日より。雨降ってるし」 『だって、大丈夫だったじゃん、昨日』 「でも一昨日はちょっとパット濡れただろ?」 『パットしてると、濡れてもわかんない時あるんだもん。しょうがないじゃん』 「なんで?」 『パットサラサラのやつだから、濡れてもすぐ吸収するじゃん』 「じゃあお兄さんパンツにするか。それなら濡れた感じするだろ」 『お兄さんパンツってもこもこパンツでしょ?それはやだ。大人パンツがいい』 「ええ、」 俺からしたら通称お兄さんパンツという名の吸水パンツも、普通のパンツにパット付けるのも どっちも結局はもこもこだし変わんねえ気もするけど祈織からしたら大きな違いなのか 「じゃあお兄さん用のパットにするか」 と、昨日の帰り道に買ってきたトレーニングパットを取り出す 『お兄さん用のパット?』 「濡れたらわかるパット。お兄さんパンツと同じやつ」 『でも、パットしたくない、今日は大人パンツなのに』 と、ちょっとグズり始めてしまって 諦めようかと悩む おねしょして不機嫌だったからな…元々 せっかく泣き止んでいたのにまた泣きそうな顔になっていた 「祈織、そんな急いで大人になんなくていいんだけど」 『でも、決めたから、』 「…わかった、じゃあ今日だけは俺の言うこと聞いてくれるか?今日お兄さんパットで頑張って、大丈夫だったら明日からうるさく言わねえから」 『…うん、わかったよもう』 と、ぐずぐず鼻を啜りどうにか頷いてくれる 朝飯食ってる間に機嫌治ればいいけどと思っていたが 朝食中もぐずぐずしていて あんまり食欲も無かったようで少し食べるのも時間がかかったが ココアの甘さと、クロックムッシュ、 後はコースターのパンダの絵でようやくちょっと元気になり 会社に着く頃にようやくぐずぐずしてたのが復活してどうにか仕事に送り出して 安心して俺も仕事を進めていた ふとスケジュールを見ると この後祈織は送迎に行くようで 祈織身体冷やさないように毛布持たせるか、と 毛布を持って祈織を探していた時だ 「志波さん寝不足っすかね。なんか目赤かったし」 「確かに、なんか元気無かったよな」 と、給湯室の前を通った時に中から声が聞こえる 直前までぐずってたから情けない顔してたもんな 泣いていたのはバレていないようだが 情けない顔はバレていたらしい 今日確かに朝俺も心配でちょっとしつこくしてしまったからな…次から気をつけるか、と 祈織探しを再開しようとした時だ 「僕実は昨日志波さん見ちゃったんすよ」 「は?別にふつうに会社いたじゃん、昨日」 「じゃなくて仕事のあと!東京駅で女の人と一緒にいて。彼女っすかね。なんか年上っぽいキレイな人でした」 は? 「まぁたしかに志波さん年上にモテそうだよなぁ」 「昨夜はお楽しみだったんすかね」 と、俺に気付かず会話をしていて ただ、俺は思考が停止していた そして昨日気付かないようにしていた違和感が一気に襲ってくる 朝のかかってきた電話に あきらくんとご飯を食べてくるという嘘 着替えて帰ってきたシャツ そして俺が聞かなくても 妙にスラスラ答えた食事の場所の詳細、 そんなの、祈織は普段俺が聞いても中々言わないのに 昨日は自ら報告してきた …なんだよ、女と居たって。 やましくなきゃ隠さなくていいだろ、 普通に知り合いの女と予定があるなら わざわざあきらくんとなんて嘘つかなくていいのに やましいから、俺に嘘ついたって事だろ…? …誰だよ、その女 しかし、そんな事、俺が聞けるのだろうか 俺に口出す権利はあるのだろうか 別に、祈織と俺は付き合っていない だから、祈織が女とデートをしていて 俺がとやかくいう筋合いなんてない それに…今後の事考えると 俺とずっと一緒にいるより 女と付き合う方が世間的に正しいに決まっていた 「くっそ、」

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