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第168話
いおりんちょっと来て
あきらくんから身に覚えのありすぎる呼び出しに
きょうへいが居ないことを確認してこそこそとあきらくんと2人で給湯室に向かう
「オレきのうめっちゃ腹痛くてトイレとお友達なのに連絡してあげたんだけど?」
『ええ、おれ友達あきらくんと他に1人しかいないよ』
「そういう事じゃなくて。つかオレの名前言い訳に使うのはいいけど事前にちゃんと報告してくれない?オレが気を使って素晴らしい対応しなかったらまたいおりん社長に怒られてたじゃん」
『…ごめん、』
「ただでさえ腹痛かったのに余計な心労かけてくるから帰り道悪化して漏らすかと思った」
『漏らさなかった?』
昨日はあきらくんと会うってきょうへいに言って会社を出てきたらあきらくんが帰る前にきょうへいに会ってしまったらしく
どうにか誤魔化しておれにその事を連絡してくれた
お陰で
家に帰るまでに言い訳を考えて
みーちゃんと一緒に言い訳を考えて
難を逃れたのだった
「大丈夫だし。つか浮気?社長にオレとご飯行ったとか嘘ついて」
『浮気なんかしてねえし!知り合いに頼まれて予定付き合っただけ、』
「ふーん、じゃあ社長にそう言えば良かったじゃん」
『訳があって言えなかったんだよ。ごめん。送迎から帰ってきたらお昼奢るから許して』
「まぁ許すけど…いおりん詰め甘すぎだよ。ちゃんとバレないように気をつけるか社長に正直に言いなよ?」
『…うん、気を付ける』
悪い事をした訳じゃないけど
やっぱりきょうへいに嘘をつくのはそんないい事じゃないし
気持ちよくもない
前にもあきらくんとの事できょうへいとケンカしたから
これからは気を付けなきゃ…
「バレてないの?」
『ばれてない。上手に言い訳した』
「そっか。朝泣きべそかいてたからてっきりバレてケンカしたかと思った」
『…泣きべそなんかかいてないし』
「うっそだあ」
泣いてないし、
ちょっと落ち込んでただけだし
「おねしょでもしたの?朝から泣いて」
『…うるさ』
「つかオレと他にもう1人しか友達いないのに昨日誰と会ってたの?もう1人の方?」
『違うけど』
その時だ
『あ、』
前からきょうへいが歩いてくるのが見えて
あきらくんは逃げるように去っていった
『きょうへい』
「…あぁ、祈織、」
『どうしたの?』
「…あー、あれだろ、お前これから送迎だから、待ってる時、毛布。今日外寒いだろ」
『持ってきてくれたんだ、ありがとう』
と、それを受け取るが
きょうへいはそれをつかんだまま離さない
『…なに?』
「あぁ、なんでもねえ」
『うん?』
「…ちゃんとトイレ行ってから行けよ、あ、まだ、パンツのなか大丈夫か?」
『うん、まだ大丈夫、』
「それならいいけど」
と、きょうへいはいうけど
なにか良くない顔をしている
『きょうへい?おれやっぱり、朝言うこと聞かなかったから怒った?』
「いや、なんでもねえ」
と、きょうへいはいうけど
何でもなくない顔をしていて
おれには思い当たる節しか無くて
『…きょうへい、ごめん』
「なんで謝るんだよ、お前が」
『だって、おれ』
きょうへいに嘘ついた
嘘ついた、バレないように
いっぱい考えて嘘ついた
「謝るって事はなんか悪いことしたの?」
『それは…、』
みーちゃんと会うのは悪いことじゃないけど
嘘ついたのは悪いことだった
「…いや、なんでもねえ。お前は早く送迎行きな」
『でも、』
「遅れるぞ」
『…わかった……、毛布、ありがとう』
と、毛布を受けとって
そのまま車に向かうけど
ずっともやもやしたままで
みーちゃんに、会ったことだけはきょうへいに言っていいか聞いてみる事にした
仕事中かもしれないからLINEだけしておこうと
LINEをしてすぐにそのまま送迎に向かった
◇◆
もうちょっとでコースが終わる時間か、と
車の中で携帯を確認したら
みーちゃんから返信が着ていたことに気付く
お兄ちゃんになんか言われたの?
ごめん、私のワガママだから話しても大丈夫だよ
と、みーちゃんからの返信を読んで少しだけ安心した
帰ったらきょうへいに話そう、
昨日はみーちゃんと会ってたって
会った理由は言わなくても
みーちゃんと会ったこと話して
嘘ついてごめんって謝ろうと考える
早く帰ってきょうへいと話したいな、
そんな事を考えていたら
コースの時間が終わっていて
行かなきゃ、と車から降りた時だ
「志波さん、戻ったんですけど」
『あぁ、ごめん。大丈夫だった?』
と、キャストの隼人くんが戻ってきていて
会社用の携帯に連絡が着ていたことに気付かなくて申し訳なった
「はい、直帰したいんで駅で降りてもいいですか?」
『うん、駅行くね』
「洗濯物、お願いします」
『んー』
と、相槌を打って
すぐに車を走らせた
…おしっこ、したくなってきた
そう言えば会社出る前からトイレ行ってなかった
待機中も、仕事してなんにも考えないようにしていたから気付かなかった
行きたいって気付いたら急に尿意が増して
おしっこしたくて
信号待ちも貧乏揺すりをしてしまう
早く帰ろうと駅に車を寄せ
『ごめん、次の予定アプリで入れておいてもらえる?』
と、きょうへいが貸してくれた毛布の下でぎゅっと股間を抑えながら伝える
「あぁ、いいですけど今は伝えなくて大丈夫ですか?」
『うん、戻ったらできるだけすぐ確認するから』
「はい、じゃあお疲れ様です」
と、いつもは帰り道で確認するけど
早く会社に帰りたくて
謝って急いで会社に戻ることにした
早く帰らなきゃ、
けど、1人になったからちょっと緊張が途切れて
じゅわ、とパンツの中に少しだけ出てしまったのがわかる
『んっ、おしっこしたいぃ、』
と、情けない独り言まで出てしまった
早く帰らなきゃ
おもらししないように練習しているのに、
まだちょっとチビっただけだ、と
運転中もぐにぐにとちんちんを揉むけど
波が来てしまうと
抑えていても手の隙間から
ちょろ、しゅわ、と少しずつ零れてしまう
少しずつちびっていると
びしゃ、と濡れた感じがいつもよりして
出た時は温かかったおしっこが少しずつ冷たくなるのもわかる
そういえば今日は
普通のパットじゃなくてお兄さんパットだったんだ、
いつも、ちょっとちびっても気にならないのに
普通のパンツとかだとこんな濡れてる感じしちゃうんだ、と気付くとより一層情けなくなる
情けないのに、我慢しているのに、おしっこはちょっとずつ出てしまって
会社につく直前に
しょろろろ、と結構な量を漏らしてしまった
パットが頑張って吸収してくれたけど
ぐしょぐしょで、
パットがびしょ濡れすぎて
もしかしたらパンツの中から零れて車も濡れてしまったかもしれないと不安になる
濡らしちゃってたらどうしようかと、
会社の車なのに、
ようやく車を停めて
車を降り急いで荷物を持ってエレベーターに向かう
早く、おしっこしたい、
トイレいきたい
とりあえず洗濯物の前にトイレ、と
エレベーターに乗りながらぐじゅぐじゅと前を抑える
ぐじゅぐじゅしてきもちわるい、
早くおしっこ、と
エレベーターを降りてトイレに走ってる間も
じょばじょば零れていて
トイレの前で足踏みをして
どうにかちんぽを取り出しておしっこをする
『はぁあ、』
間に合った、
しゅーっと、勢いのいい音がして
一気に流れて
その後にしょろしょろと最後まで出し切れて
ため息を吐く
おもらししなくてすんだ、
スーツを確認するとどこも濡れてなくて
これだと車も大丈夫だと安心して
パンツを元に戻してズボンの前を閉めるけど
『…濡れてる、』
おもらししなかったのにパンツの中のパットはびしょ濡れでちょっと触るとグジュっと濡れている音がした
…やっぱり、おれおもらし治らないのかな、
早く治して大人になりたいのに、
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