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第182話
祈織より先に目が覚め、
プレゼントを車に置きっぱなしの事に気付いて1度取りに行ってから
祈織のおねしょおむつを替えてやって
プレゼントは昨日渡せなかったから起きたらすぐ渡そうと思ってとりあえず寝室に置いておいたが
なんだかサンタクロースの気分になってしまった
そういうつもりなかったんだけどな
まぁいいか、と
プレゼントの中から小さい袋に入ったケースを取り出す
「…」
いや、買うつもりはなかった
ただ思わす買ってしまったアクセサリー
引かれるかもしれない
これはどうしたもんか、と
包装されているものを自分で開けてみる
そして、サイズとか知らねえけど勘で買ってみたが合ってんのか?と
気になって寝ている祈織の指にそれをはめてみる
こいつが欲しがっていた首輪、
じゃなくて指輪だけど、と
起こさないように気を付けて右手の薬指に指輪を嵌める
流石に左手は重すぎるだろ…
おねしょおむつ替えても目を覚まさなかったから大丈夫か、とそっと嵌めてみると
「ピッタリか?」
多分?良い感じ
指輪とかプレゼントした事ねえからな
無駄に緊張した
まぁ実際に渡すかはもうちょい考えようと
指輪をもう1度箱に戻そうと
祈織の指から抜こうとするが
「…あれ、」
きゅっと手を支えて指輪を回収しようするが
「抜けねえ…」
取れねえ、と少し回して引っ張るが
「取れねえ…」
『んんん、んー、』
と、俺の手を振り払い
ぐしぐしと目をこする祈織
そしてうっすらと目を開ける
…やべぇ、
どうするか、と一瞬考えたあと
寝たフリをすべく
祈織に背中を向けて寝転がり毛布を肩まで上げる
『んんん、』
と、もぞもぞと祈織は動き
ゆっくりと起き上がり
キョロキョロと辺りを見回す
そして、
『あ、おねしょしてない』
と、自分のオムツを確認した様子だ
いや、おねしょしてたけどな
まだ指輪には気付いていない様子で
どうするか、と寝たフリをしながら考える
『あ、きょうへい、起きて。きょうへい』
と、すぐに俺を揺すって起こす
『きょうへい、なああ、』
「…どうした、?」
『おはよう、きょうへい』
「あぁ、おはよう」
『なぁ、プレゼント、』
と、枕元に置いていたプレゼントに気付いたようで俺を起こしたのだろう
「あぁ、サンタクロースじゃね、」
『えぇえ、きょうへいだよ。開けていい?』
「あぁ、開けな」
『あ、』
と、プレゼントを見て1個はリクエストのChromecastだ
『これ俺が欲しかったやつ』
「うん、聞いたもんな」
『ありがとう、あとでつかう』
「そうだな、今日は休みだし」
『こっちは?おれの?』
と、もう一個の袋を見る祈織
「あぁ、それもお前の」
『なに?』
「開けてみな」
と、言われてすぐ開ける祈織
『あぁー、おれ』
「どうした?気に入らない?」
『手袋、とマフラー、』
「うん、お前に似合うかなって」
『おれ、これ…欲しかった、』
と、言いながらも何やら微妙な顔をする
「どうした?」
『…おれ、前手袋無くしたこと思い出した、きょうへいのプレゼント選んでるとき』
「あぁ、前な。それ以来お前手袋しねえから寒そうだったろ」
『だって無くして悲しかったから』
「じゃあ今度は無くさないようにずっと手に付けてな」
『うん、大事にする。名前かいて』
「名前?」
『落としても帰ってくるように』
「そうだな、内側に名前書いとこうな」
子供みたいだけどいいのかなと思いながらも
祈織が喜ぶならそうすることにする
『あと、…これは?』
「これ?」
と、祈織は手を見せてくる
「…」
なんだよ、気付いて無いと思ったのに
『これ、きょうへいがくれたの?』
「…いや、」
『ちがうの?』
「サンタクロースだろ、」
『ええ、なんで?』
気恥ずかしくてちょっと誤魔化してみるが
不満そうな顔をする
「…欲しがってたろ。首輪」
『これ…首輪じゃなくて、指輪じゃん』
「まぁ指輪だけど。人間用の首輪だし」
『…うん、人間ぽい、指輪のが』
「なんだよ、人間っぽいって」
人間だろ、
祈織はしばらく指輪のついた指をじっと見る
うわ、やっぱり引いたかな
「…わるい、やっぱ返して」
『え、なんで…?』
「いらないだろ?つか、ごめんな。冗談だったのに重く感じるよな」
『冗談…』
「いや、変だろ。俺がお前に指輪って」
『…ダメなの?くれないの?』
「べつに…ダメじゃねえけど深い意味無いからな?」
こんな、無理やり拘束するようなやり方おかしいだろ
俺が祈織に気まぐれにあげてしまった指輪だ
深い意味なんて与えてはいけない
『…それでもいい。おれはこれが欲しい』
「いや、指輪っていうか…首輪だぞ?それ」
いや、俺が何言ってんだよ
動揺しすぎだろ
『それでもいい』
「欲しいなら…お前の為に用意したやつだし持っててもいいけど」
『うん、ちょうだい。…おれアクセサリーとか持ってねえし』
と、少しだけ指輪を触った祈織
アクセサリーもってないっていう理由で
指輪は付けるものなのか
まぁ、それぐらいの感覚なら
俺があげた指輪にもし深い意味合いがあったとしても気にしていないだろう
だから引いたりはしていないといいが
祈織は指輪を付けた指を眺めて
ちょっとだけ笑った
いや、なんで、そんなん大事そうにすんだよ
『きょうへい、チキン食お。昨日残したやつ』
「あぁ、そうだな」
『おれ今日おねしょしてなかったからおむつ自分でできるし』
「いや、してたけどな」
『してないよ。おむつみて』
と、スウェットを少し下げて見せてくる
「いや、お前が目覚める前に変えたし」
『……嘘だし』
「…まぁそれでもいいけど」
『してないって。お腹の中おしっこ残ってんもん』
それおねしょしたあとに溜まったぶんじゃねえのかな
「あー、わかったから。おねしょしてねえのな」
『信じてねえじゃん。してねえし』
信じる信じない以前におねしょおむつ処理済みだからなんとも言えないんだよなあ
「祈織、わかったから」
『わかってねえし。おれ大人だからおねしょしてねえの。ほら、』
と、祈織は俺の手をおむつに当て
濡れていない事を確かめさせる
そりゃそうだろ、と思ったのもつかぬ間
中からしゅうぅ、と音と共に
ぬくもりが伝わってくる
「は?おしっこ」
『ほら、ちゃんとお腹ん中残ってんだろ?』
と、少しドヤ顔をしているが
『たくさんでるのわかる?たくさんお腹の中に残ってたやつ』
「いや、…おねしょしてねえの証明する為におもらししたら元も子もねえだろ」
『…?おもら…あ、』
と、ようやく自分の間違えに気付いたようでみるみる顔が赤くなる
『ち、ちがう!間違えただけだから!おもらしじゃねえから』
「へえぇ、おもらしじゃねえんだ。祈織の言った通りたくさんお腹の中にあったからおむつの中おしっこいっぱいになってるけどな?」
本当にアタマ悪くてかわいいな、こいつ
『ま、ちがえた、だけだから…おもらしもおねしょもちげえから』
と、すぐに俺の手を避け
おむつを隠すようにスウェットを上げる
「そっか、間違えておもらししちゃったな?」
『ちがう、…おもらしじゃねえ、』
と、しょぼんとして少しだけ後ずさる
「ほら、じゃあおむつを替えようか」
『ん…替える、』
「どうする?自分でする?」
『…きょうへいがして、』
「俺がするか?」
さて、どうするか
可愛すぎてもう少しからかいたいと意地悪心が出てきてしまい
どうするか、と祈織に視線を送ると
『…きょうへい、おれの、…間違えておしっこして、びしょ濡れにしたおむつ……替えてください、』
と、自ら恥ずかしそうに口にする俺のワンちゃん
本当かわいいやつ
「ほら、おむつ替えやすいようにごろんできるだろ」
と、いうとすぐに屈服ポーズをするのがかわいい
「おむつ外そうなー」
そのままシャワー浴びさせようと
バスタオルを敷いてからおむつを外すが
『きょうへい、タオルでしてくれるのがいい』
「なんだ?今日は甘えん坊だな」
『ちがうし。タオルの気分なだけ』
まぁいいか、とタオルを取り出して拭いてやると
気持ちよさそうな顔をするのがかわいい
『…なぁ、きょうへい』
「どうした?」
『おれ、本当はおねしょしてた?』
「あぁ、そこのゴミ箱見ればわかると思うけど」
『もうおねしょ嫌なのに』
「寒いからな。ちゃんと夜の水分控えような。あとは玄関で寝ない。身体冷やすから」
『きょうへいが一緒にいてくれたら玄関で寝ないのに』
まぁそうか
そういや最近ちょい寂しい思いさせてたよな、
繁忙期で忙しかったし
こいつは寂しいとよく漏らしたりもするから
つかやっぱりちょっと不安定なんだよなあ、最近
俺なんかしたか?
忙しいからか?
今日は思う存分甘やかすかな
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