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第184話

「ほら祈織。起きな。行くぞ」 『んんん、まだ、寝る』 「寝ててもいいから1回おしっこだけして行こ」 『…やだ。おしっこないから』 「じゃあおむつだなー」 『おむつやだぁー』 と、ほぼ寝た状態でもごもご言うが その言葉を無視して おむつを替えてやろうと下を脱がせると 今日もたくさんおねしょしてて これは実家に帰ってる間もおねしょだな、と俺も覚悟を決める 『おしっこぉ、』 「え?おしっこでんの?」 『うん…おしっこ』 と、とりあえずあひるに座らせようと思ったが片付けがめんどくさい だってもうすぐ家出るし それなら 「ほら、おむつしてやるからおしっこしちゃいな」 『んん、おしっこ、して、いいの?』 「うん。おしっこしていいぞ」 だめだな、俺のこうやって甘やかすところもと思いながら おむつの上から撫でてやると ちょろろ、と少しずつおしっこをするのがおむつ越しに伝わってくると罪悪感を感じるのと同時に征服欲が満たされる あぁ、今日もおむつでおもらしをさせてしまった 「全部でたな」 と、全部でたタイミングを見計らって おむつを開くと 『さむ、』 と、エアコンを付けていなかったせいで 寒がってぷるっとちんぽがふるえた おむつから湯気出てるし… 早く替えてやろうと 新しいおむつを付けようとしたが 『なぁあ、おしっこもうしたのにおむつ?』 「お前目覚めてんならトイレ行っておしっこしろよ」 『おしっこしたら起きた』 「起きてんのにおしっこおむつにしたから車はおむつなー」 『…おしっこした時はまだそんな起きてなかった』 「へええ。顔だけ洗ったら行くか」 『なぁあ、無視すんな』 「無視してねえって」   『ねえぇえ』 「おしっこ練習するんじゃなかったのかよお前。眠くてもちゃんと起きてトイレ行きな」 『寝てるのに』 「半分くらいは起きてただろ」 と、言いながらも勝手におむつを履かせようと おしりふきで拭いてから腰の下におむつを引くが 『きょうへい、やだ、それやだ』 「ダメだって」 『じゃなくて履くやつ、』 「あぁ、そうだな」 と、祈織も諦めたようで 言われてみれば履くやつじゃないとトイレ寄ってもできないという事に気付く 『おむつ本当はやだけどな』 「車のなかいる時ならいいだろ?家の近くの方行ってからパンツに履き替えよ」 『うん…おねしょ治んなかった、』 「寝る時はおむつだな」 『コタに絶対ないしょにしてよ』 「わかってるって」 『おむつしてるとおしっこ出ちゃうんだけどなあ』 「でもおむつをしてなくても出ちゃう時あるだろ?」 『…おむつだと余計出ちゃうんだって。なんでわかんねえの?』 「わかんなくねえけど。おむつはパンツって理解しな。そしたら出なくなるから」 と言ってみたがわかんないという顔をしてしまう祈織 いや、確かにおむつ履いてる時の方が油断しておしっこ我慢しなくなっちゃうのは分かっていた だからおもらしもおねしょも今ひとつ治んねえんだろうな ただ、そこらじゅうびしゃびしゃにする危険性を考えたらおむつなんだよなあ おれも片付けしてる余裕ない時とかはおむつにさせちゃうし。さっきみたいに 「とりあえずおもらしは気を付けな。起きてる時なら我慢もできるだろ」 『うん、』 と、ごろごろ転がっていてまだ眠そうにしている祈織 「起きたなら顔洗って歯磨きな。お着替えはしてもしなくてもいいけどね」 『んー、まだ寝たいなあ、きょうへい』 「あんまり遅いと道混むんだよなあ、年末だし」 『えええ、やだ』 「じゃあ早く起きる」 『んんん、』 と、まだ眠そうにぐずっているが ようやく起き上がり大きな欠伸をする 「顔洗っといで」 と、言われて顔を洗いに行くが 水を触った瞬間ぶるりと背筋を震わす 『つめた、』 「お湯出るまで待ちな」 『んんん、』 と、またぐずりながり顔を洗うが 水が冷たいのかもじもじと脚を揺らしながら お湯になる数秒を待たずに顔を洗う 『んっ、』 「どうした?」 と、びくっと一瞬身体を大きく揺らして すぐに脚をバタバタさせる そして顔を拭き情けない顔を俺に向ける 「なに?」 『…おしっこでた』 「…は?」 『水冷たくておしっこ出た』 「ええ?いまおむつにおしっこしたばっかりだろ」 『だってえ、』 どんぐらいでたの?とそのままウエストのゴムを引いて中を覗くと 真ん中の所がじんわりと湿っている 「…本当に出てる」 さっきしたばっかりだから本当に少しだったが 確かにおもらしをしていた 『言ったじゃん、出たって』 「歯磨いちゃいな。そしたら行く前におむつ替えてやるから」 『んー、今日寒いしもうやだ。おしっこまた出るかも』 「エアコン付けてなかったからな。寒い日はしょうがねえって。ほら。そんな不機嫌な顔しなくていいから」 『やっぱりきょう留守番する、』 「しないしない」 ほら行くぞー、と駄々をこねる祈織の腕を引いてとりあえずおむつだけ履き替えせて荷物と一緒に車に詰め込む 『コタの前で漏らしたらどうしよう、』   「早めにおしっこ行く。あとはお腹にカイロ貼っときな。寒いとおしっこ出ちゃうから」 『んんん、』 と、車の助手席で毛布にくるまって不機嫌な顔をする まぁもう一度寝て起きたら機嫌直ってんだろ 「祈織。コンビニ寄る?」 『いい、まだ』 「そっか。腹減ったら後ろの袋になんか食いもん入ってるから。あとおしっこ出そうになったら…出そうになる前に教えろよ。どっか寄るから」 『…出そうになったら?』 「そこ、携帯トイレ入ってるし。間に合わなかったらおむつだからそのまましてもいいから」 『しない、おもらしはしないから』 「うん。じゃあ行くぞ」 よしよし、と頭を撫でてやると またすぐに毛布にくるまって目を閉じた

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