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第187話
『ぅんん、ぐす、っ』
お粥を食べてしばらくは寝入っていたから
1人で寝かせておいたが
そろそろ夕飯で様子を見に行くと
部屋の前まで来たところでぐすぐすと泣いている声が聞こえて
起きてしまったかと急いで部屋に入る
「ごめん祈織、起きたか。1人で驚いたな」
『んん、きょうへい、』
「ごめんごめん。ずっと寝てたから。起きたなら降りてきても良かったんだぞ?」
『だって、』
と、ようやく泣いていた理由に気付いた
「あー、おむつ先替えようか」
『濡れた、』
「うん。沢山俺が飲ませたからな」
布団を捲ると
スウェットも下のシーツも濡れてしまっていて
祈織は驚いて泣いていたようだが
俺は少し安心した
「よかった、おしっこいっぱい出たな」
よし、お着替えしよ。と
さっさとスウェットを脱がすと
おむつもとっくに容量オーバーでパンパンに膨らんでいた
『よくない、びしょびしょ、』
「いや、お前ずっとちょっとしかおしっこ出なかったから俺心配してたんだよ」
『でも、濡れたから、布団、』
「シーツしてるから大丈夫だよ。ほら、冷える前にお着替えしような」
『…うん』
と、まずは
泣きべそかいている鼻水から拭いてやる
「スウェット脱がすぞ」
結構濡れたからタオルとか取ってくるかなー
『きょうへい、』
「どうした?」
『おれのおしっこ出ないの心配してたの?』
「あぁ、全然出なかったから。やっぱり水分取らせてよかったな」
『でも、溢れたじゃん』
「な。よかった、いっぱい出た」
『きょうへい、へんなの』
と、泣いていたのに少しだけ笑う
「タオル取ってくるからちょっと待ってな。すぐ戻って来るから」
『すぐ?』
「すぐだよ」
『…うん、わかった』
と、今度は寂しそうな顔をする
「冷えただろ。温かいタオルの方がお前気持ちいいから」
と、頭を撫でてやり頷いた事を確認して
すぐにタオルを取りに向かう
「シバくん目覚めたかしら?ちょっと降りてきたら?ご飯こっちで食べても」
と、母さんが心配そうに様子を伺ってくるが
「どうだろ、食えるかもわかんねえしちょっと聞いてみる」
と、タオルをを作りながら応答するが
「何?体拭いてあげるの?」
「…あぁ、」
「ちゃんとおしっこでた?シバくん」
と、変なところで勘のいい母親に
ため息を吐く
「あぁ、ちゃんと出たよ。沢山」
「そう、それなら脱水症状とかじゃなさそうで一安心ね」
と、呑気にニコニコ笑った母さん
「洗濯するものあったらさっさと持ってきなさいよ。お布団は大丈夫?」
「あぁ、布団はまぁ大丈夫だけどシーツとスウェット濡らしたからそれは後で回収してくるから」
と、タオルを用意し終わり
部屋に戻るともじもじと自分のちんぽを触りながら待っている祈織
「あ、こら。まだおしっこちゃんと拭いてないんだからちんちん触んな」
『…だって。ちんちん出てると気になる』
「ちんちんごしごししてた?」
『ちょっとしたけどふにゃちん』
「熱出てんのか?やっぱり」
『熱出ててもたつときはたつよ?』
「ほら、おてて」
と、ちんぽをいじってた手から拭いてやって
すぐにおしっこがついている股間周りや太ももも拭いていく
「すぐおむつする?ちょっとトイレ行ってみるか?」
『んんー、でない』
「じゃあおむつしちゃうか」
『ゴシゴシは?』
「しねえよ。ふにゃちん」
『悪口』
「悪口じゃねえから」
『のどかわいた』
「ポカリなら持ってきたけど。温かいののがいい?」
『ポカリでいい』
と、おむつを履かせ終わると
起きあがりポカリを1口だけ口に含み飲み込む祈織
「沢山おしっこ出たんだからちゃんと飲んでおけよ」
『うーん、』
「喉乾いたんだろ」
『きょうへいおれがいっぱいおしっこしないとまた心配になる?』
「あぁ、そうだな?」
『じゃあ、ちゃんと飲む』
と、頷いてポカリをまた飲む祈織
だいぶ元気になってきたな
「飯食えそう?そろそろ夕飯だけど」
『うん、お粥しか食ってないからおなかすいた』
「食欲も戻ったか。じゃあ下行って食うか?」
『下?みんないる?』
「あぁ、」
『…でも、うつったり、』
「俺と祈織だけ食卓じゃなくてこたつの方で食お」
『…それにおれ、今おむつ、』
「大丈夫だろ、わかんねえよ」
『言わない?みんなに』
「言わねえよ」
『みんなの前で赤ちゃんしたらおれやだから』
「赤ちゃん?」
『赤ちゃんみたいにおれのことするやつ』
「そんなんしてねえだろ」
『してる』
「そんなんしてるか?」
『……お粥、ふーふーきょうへいがやったり、お着替えとか、タオルでおしっこ……していいよって言ったり、』
「身体辛かったから仕方ないだろ、さっきのは」
『でも、みんなの前ですんのは嫌だって……』
「わかったよ、やんねえから大丈夫だって」
『うん、』
「抱っこは?」
『………抱っこも。2人の時しかしてないじゃん、いっつも』
「そうだっけ?」
『そうだよ、いじわるすんな』
「ごめんごめん。じゃあ2人じゃない時は俺も気をつけるから祈織は我慢な」
『うん、』
と、頷いたのに
立たせて、とその場で手を伸ばしてきて既に甘えん坊だったが言わないでおいた
『ごはん、お腹すいた』
「食欲出てきて良かったな」
『元から結構げんき』
「うそつけ。さっきまで結構ぐずぐずだったろ」
『ぐずぐずじゃない…びしょびしょになって嫌だっただけじゃん、』
この様子だと明日までには快復しそうだな
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