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第188話
「シバ、もう上行って寝るぞ」
『カウントダウンは?』
「お前は具合悪いんだからカウントダウンしないで早く寝る」
と、飯の後こたつでグダグダしていた祈織を連れて上の部屋に戻る
『もうげんきなのに』
歯磨きをさせてまだ体調が不安だからシャワーは明日浴びさせることにしたが
「寝るのはおしっこ行ってからな」
『トイレさむい、早くきょうへいの部屋いく』
と、コタツから引きずり出されて不機嫌になった俺のわんちゃんは
ぶんぶんと首を振って否定した
おねしょすると不機嫌になるくせに
トイレに行きたがらないのは自業自得な気もするが今日は甘やかす事にしてそのまま部屋に連れていく
部屋に戻って布団に寝させるが
『きょうへい、眠くない。やっぱりテレビ見る』
「コタツでは眠そうにしてただろ」
『コタツから出たら寒くて起きた』
「今エアコン付けたからすぐ暖かくなるから」
『お風呂』
「明日にしな。熱っぽいしお前」
『まだ寝たくない』
「寝るぞ」
『うーん、まぁいいや』
と、まだ寝たくなさそうだが
布団に横になりゴロゴロとしながら俺の顔を見てくる
『きょうへいは?寝ないの?』
「俺は風呂入る」
『ええ、俺の事置いて風呂入るの?』
「すぐ戻ってくるだろ」
『えええ、だってもう年明けるよ?』
「まだ1時間くらいあるだろ」
寂しそうな顔をして見てくる祈織の頭を撫でてやる
「すぐに戻ってくるから」
『…わかったよ、』
「眠くなったら寝てていいからな」
『…うん、』
と、納得していない顔をしているが
早く入ってこよ、と着替えを持って風呂に向かうと
「シバくん寒いでしょ?湯たんぽのお湯変えるから持ってきて」
と、母さんに言われて
とりあえず風呂入ってから替えてやろうと
さっさと風呂に入って部屋に戻ると
電気はつけっぱなしで
携帯を弄っていた祈織
寝れないか、まだ
「祈織、湯たんぽは?」
『んー、どっか中にある』
と、携帯から目を離さず足をモゾモゾ動かして湯たんぽを探していたから
布団をまくって湯たんぽを取り出す
『うわ、さむ、温まってたのに』
「湯たんぽ冷たいだろ。中身替えてくるから」
と、今までアプリゲームに集中していたのに
すぐに起き上がって布団を取り返そうと手を伸ばすが
「あ、」
『…ん?』
「祈織、おしっこ」
と、スウェットの股間がもっこりと膨らんでいた事に気がつく
うつ伏せでゲームをしていたから恐らくその体勢でおしっこをしたのだろう
おしりはあんまりモコモコしていなかったが前の方がモコモコと膨らんでいる
『…だって、これは、』
「トイレ行けなかったか?」
『…おむつだし…布団だって、』
「布団?」
『暖かくなったのに冷めちゃうじゃん、』
まぁ今日1日おむつさせてたし仕方ないか、と
本当はわざとおむつにおしっこするのはいけないことだが
またガミガミ言ってもいじけてしまいそうで
おむつを替えてやることにした
「湯たんぽの中身替えてからおむつやってやるけど。我慢できる?」
『…うん、ごめんなさい』
と、そこでようやく自分のしてしまった失敗に気付いたようでしょぼんとして謝ってくる
湯たんぽに新しいお湯とついでにタオル温めて身体も拭いてやろうと
湯たんぽにお湯を入れた後に
洗面器やら色々準備をして部屋に戻る
「部屋温まったから1度布団捲るぞ」
『うーん、』
「おしっこ冷えて気持ち悪いだろ」
『おしっこ、』
「なに?まだでる?」
『でない、』
と、答えを聞いてから
スウェットを下ろしおむつ替えを始める
「あんまり出てねえな?」
晩飯の時とかもちゃんと食ってたし
水分もある程度取らせてるんだけどな?
『出てるよ、おしっこ』
と、ちょっと不安そうな顔をするから
大丈夫だという意味を込めて頭を撫でてやる
早くキレイにして今日は寝かせちまおうと
タオルで拭いてやると気持ちよさそうな顔をする
やっぱりおしりふきよりタオルの方が気持ちいいのだろう
拭き終わり新しいおむつを履かせようとした時にふと気付き
「寝る前におしっこしに行くか?」
と、聞いてみるが
『今出たばっかりだから無い』
と、首を振る
そんな出てないからトイレ行ったら出ると思うんだけどなあ
まぁいいか、とおむつを閉じようとしたが
その手を止められる
「どうした?」
『えっち、する』
「は?」
『えっちしようよ、きょうへい』
「…しねえよ、」
『なんで?』
「…下にみんないるだろ。祈織声我慢出来ねえし」
『ええ、口抑えとくよ?』
「…今日は我慢な」
『今年最後なのに?』
「もう終わるだろ、今年」
と、時計を見ると12時を回るまであと5分もない
『じゃあ抱っこだけして』
「そうだな、」
おいで、と祈織を膝の上に乗せると
嬉しそうにすりすりと抱きついてきて匂いまで嗅いでくる
『きょうへいいい匂いする、お風呂の匂い』
「今入ってきたからな」
『おれ風呂入ってないけどくさくない?平気?』
「あぁ、さっき身体拭いてやったから大丈夫だろ」
こいつあんまり匂いしねえんだよな、普段から
石鹸の匂いとか洗剤の匂いとかはするけど
こいつ本体の匂いはそんなないんだよなぁ
おしっこもらしてもそんな臭くねえし
抱っこだけ、と言ってた割には我慢できなくなってきたのか
ちゅ、ちゅっと、かわいくキスまでしてきて
よしよしと背中を撫でていると
腰が少しずつ揺れてきたが
『ん、終わりにする』
「もういいのか?」
俺の方がちょっと物足りなく思ってしまう
『うん、我慢できなくなるから、』
「…そうだな、俺も我慢できなくなる」
『あ、』
「なに?どうした?」
『キス、しちゃった』
「は?なんで?ダメだったか?」
『…だって、風邪うつる、』
「んだよ、そんな事。大丈夫だよ。俺強いし」
『うつらねえ?大丈夫?』
「あぁ、大丈夫」
『じゃあ、』
「うん、」
『もっかいキスだけして』
と、かわいくオネダリしてくるからキスをするが
もじもじとさらにかわいい顔で見てくる
物足りなえんだろうなぁ
ちゃんと寝るかな、こいつ
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