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第189話
『あちぃ、』
熱い、と起き上がると汗をぐっしょりかいていて
身体中重かったから
熱が上がったのかと思ったけど
違う事にすぐ気付いた
きょうへいがおれのお布団に入ってきて
おれに乗っかってくっついていた
重いのはこれか、と起き上がると
おしりの下で嫌な感じがして嫌な気分になる
なんだか最近ずっと具合?気分?
わかんないけど良くなくて
色々不安があったからだと思うけど
不安の原因の1つのトイレも
不安に思えば思うほどうまくできなくなって
おねしょもおもらしもどんどん増えていっているのが自分でも分かっていた
だからずっと水分を控えていたのに
寝てたら結局おねしょはするし
なんだか水分を取っていなかったからかますます具合まで悪くなって熱も出たし
きょうへいにわがままばっかり言って迷惑かけてしまった
きょうへいの家でおねしょもおもらしもしたくないのに
おねしょもおもらしもみんなにバレたら恥ずかしいし治んないからおむつしてるなんてバレんのも嫌だった
でも結局おねしょは治らなくて
昨日から具合も悪くて寝てるからずっとおむつをしていた
それでも急に沢山出てびしょびしょになったりと
嫌だったけど
きょうへいと2人きりで
ずっときょうへいがキレイにしてくれて
おねしょすんのやだけど
寝てる間もきょうへいがずっとキレイにしてくれんのが嬉しくて
タオルでキレイにしてくれんのも気持ち良くて
嫌な気分だったのも
具合が悪かったのもいつの間にかマシになっていた
まぁ、おねしょしたのは相変わらず嫌だけど
なんか昨日までの悔しくて悲しくて情けないようなもやもやする悲しさが少しだけマシになっていた
汗かいたしおしっこも出てるからなんか飲みたい、シャワーも浴びたい、と起き上がって
時計を見ると朝の6時で起きるのには早かった
でもなんか身体中ベタベタするからもう一度寝れる気にはなれなくて
きょうへいを起こす
『きょうへい、おしっこ、出たからおむつとって』
と、きょうへいを揺するけど
「んー、さむ、エアコン消えてんの?」
『あつい、汗かいた』
つか寝る時ついてたからきょうへいおれが寝てる間に自分で消したんじゃん
「いや、寒いだろ」
と、きょうへいは眠そうにもぞもぞとエアコンを付けて
確かにいつもの起きる時間より早いからな
もういいや、シャワー浴びようと
起き上がって着替えを用意する
「んー、祈織。起きんのか?」
『おきる。シャワー浴びてくるからおむつもいいや。きょうへいまだねてていいよ』
「んー、」
と、眠そうに返事をするが
「あ、その袋持ってきな」
と、枕の横にある小さいバッグみたいなやつを指さすから何かと思って開けてみると
おれのおむつセットで
ちょっと嫌だったけどそこからおむつ捨てる用の黒いビニールをだしてポケットにつっこむ
今日は体調いいしパンツにしよ
きょうへいのお家の人は早起きだからみんなもういないと思ってたけど
忘れてたけど今日は1月1日で
仕事はお休みの日だったらしい
下に降りてすぐにきょうへいのお兄さんにあって
少しびっくりしてお腹の前に着替えを持ってきて腰周りを隠す
スウェット緩いからあんまりわからなそうだけどおむつもこもこしてるからはずかしい
「お、シバくんおはよう、体調は?」
『おはようございます…あけまして、おめでとう、ございます…げんき、』
「あけましておめでとうございます。そっか、良かった熱下がったんだ」
『はい、あの、シャワー浴びたくて』
「あぁ、シャワーね。入ると思ってタオルとか出しておいてあるよ」
と、言われて
うん、と頷いてシャワーに向かった
服を脱いでおむつだけになると恥ずかしくて早く脱ぎたかったのに
くしゃくしゃと紙の音がするのが恥ずかしくて
そっと脱いで
急いでポケットの中に入れてたビニールに突っ込んでぎゅっと口を縛って脱いだ服の中に隠す
おれがお風呂入ってる時は気を使ってみんな脱衣場に入ってこないから見られることはないと思うけどやっぱりちょっと恥ずかしかった
おしっこのにおいするし…
早く身体洗っちゃおうと
そのままお風呂に入ってシャワーで全身流すとようやくスッキリした
シャワーから出て着替えて
これどうしよ、と黒い袋の行先に困ったから
とりあえずそれも脱いだ服に隠して部屋に持っていこうとして脱衣場を出ると
「あら、シバくんおはよう」
と、脱衣場を出たところでお母さんにばったり会う
『おはようございます』
と、少し頭を下げる
「お熱は?」
『下がった、からシャワー浴びてました』
「そう、それは?洗濯物ならカゴ入れちゃっていいからね」
『えっと、…』
「あれ?カゴ出てなかった?」
『あ、あった、』
「そう?じゃあ入れといて大丈夫よ?」
と、言われて
うん、と頷くけど
どうしよう、と服をぎゅっと持つと
ガサガサ、と服の中でビニールが音を立てる
『あっ』
音が、とさらに持ち直そうとすると
ぼて、と水分を含んで重くなった音を立てて黒いビニールを落としてしまう
急いでそれを拾って後ろに隠すけど
お母さんには見られてしまって
顔が熱くなる
おむつの袋、見られた、
「シバくん、ゴミはここに捨てて大丈夫だからね」
と、脱衣場の棚の下にフタ付きのゴミ箱が隠れて置いてあっておれのおむつ用に用意してくれたごみ箱という事がわかる
『…あ、あの、おれ…お、む』
おむつ、してるの
まだ、おねしょもおもらしもするから、
迷惑かけてる、と情けないし恥ずかしくなって
なんか言わなきゃ、と口を開くけど
なんも言えなくて
どうしよう、と下を向くしか出来なくなった
「シバくん、匡平から聞いてるわ。大丈夫よ」
と、よしよし、と背中を撫でてくれて
情けないけど少しだけ安心した
『…ありがとう、』
「そんなことより匡平はまだ寝てるのかしら?シバくん自分のお家じゃないのに1人でお片付け大変よね?もう」
と、少しだけ怒ったような言い方をしたお母さん
『あ、おれ、きょうへい…さん、起こす。でも、昨日おれが寝たあとも色々してくれてたから、』
「あら、そう?でももう7時よ?起こしてきてもらおうかしら」
と、お母さんは言うけど
おれもきょうへいも普段は起きるの早くて7時くらいだし
仕事の時間によっては昼前まで寝てることとかよくある
まぁきょうへいの実家の人みんな早起きだからとりあえずきょうへい起こしてあとでお昼寝しよ
おれも早く起きすぎたし
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