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第193話
匡平も早くお嫁さんでも見つけてくれれば安心なんだけどね
と、お母さんはなんでもないように言った
おれもそんな気にしてなかったけど
みーちゃんに、きょうへいに甘えてる所を見られそうになって焦った
きょうへいが、おれと一緒にいるからお嫁さん、
というか女の人と付き合わないんじゃないかって思われるかも
おれが、きょうへいに甘えてるから、
おれが、きょうへいと一緒にいるから
あー、またおれどうしようも無い事考えて不安になってる、とその考えを振り払って目を閉じうとうとしていると
きょうへいによしよしされている感じがして目を開ける
「ねむい?」
『…ねむい、ちょっと、』
というかちょっと寝てたかも
「散歩行かね?」
『散歩?』
「今寝ると夜寝れなくなるだろ?」
『…うん』
「散歩いこ。2人で」
『うん、』
2人でなら行く、と
起き上がると
きょうへいはシャワーを浴びて着替えていた
寒いから上着、と
コートを着てマフラーを巻いて手袋もした
完全装備、
きょうへいがクリスマスにくれたやつ
おれのお気に入りだ
もうひとつ、
きょうへいがくれた首輪…指輪は恥ずかしくて付けれてない
たまに1人の時にこっそりつけてちょっとだけ眺めていた
重いって思われたらやだし
冗談でくれたのに本気にされたら困るってきょうへいも思うかもだし
『どこいくの?』
「初詣」
『あー、』
そういや1月1日
きょうへいが熱出すから忘れてた
もう今は夕方で
そろそろ夕ご飯の時間だった
今年もちゃんとお願いしなきゃなー、
お願い?お祈り?
きょうへいと一緒にいられますように
これからお祈りする事を頭のなかで考えながら歩いていると
『あ、おしっこ、』
どうしよう、急におしっこしたくなってきた、
「なに?してこなかったの?」
『……だって、』
「ええ、神社の方行ったら混むしなぁ…とりあえず商店街の方行くか。我慢出来る?」
『うん、我慢できる、』
失敗した、
トイレ行ってくるの忘れちゃった
大丈夫だ、まだ少し行きたいかもくらい、
我慢できると思っているのに
知らない土地だから妙に不安になってソワソワする
しかし
「あ、あそこ行こうぜ」
と、前にも来た
商店街のところのチェーン店のカフェを指さすから
うん、と頷いてそっちに向かう
少しだけ安心した
あそこならすぐだし、
店に入ると夕ご飯時だけど
そんな混んでなくて
先行っといで、と言われたから
先に奥のトイレに向かって
おしっこを済ませた
なんだ、普通に間に合った
寒いし慣れない土地だか、妙にソワソワして不安になっていただけだった
トイレから出ると
きょうへいは座っていて
前の席に腰を下ろすと
「ロイヤルミルクティーにしたけど」
と、差し出してくれて
トイレ間に合ったか聞かれなかったのが少し嬉しかった
『キャラメルシュガーある。やった』
「これ貰える時と貰えない時あるよな?」
『ね。言ったらくれるんだろうけどなかなか言えない』
と、ロイヤルミルクティー専用のキャラメルシュガーを入れて混ぜると甘くておいしくて
このチェーン店のよく飲む味も好きだった
「こういう所は1月1日からやってんだな」
『あったかー、動きたくなくなった』
「動きたくねえって初詣どうすんだよ」
『…それは行くけど』
もうちょいゆっくりしたい
きょうへいの手触りたいけどやっぱり外だからそういう事も出来ないしなあ
『きょうへい、』
「どうした?」
『家とか車のなかだったら手繋げんのにね』
「つなぐか?いいだろ、別に外でも」
『ううん、いい』
「なんで?繋ぎたいんだろ?」
『男同士で繋いでたら変だろ』
「…まぁ、そうだけど」
美味かった、と飲み物を飲みきって
立ち上がる
「おしっこしてくか?外寒いぞ」
『そんなすぐ出ないよ』
確かに外寒いけど、今行ってきたばっかりだから出ないし
それにきょうへいもコーヒー飲んでんのにトイレ行ってないし
今来た道をちょっと戻って
向かう予定だったら神社の方に歩いて向かう
日が沈んでもう暗くなってきてた
冬だから日が出てる時間が短くて
まだそんな遅くないのに夜みたいなの見える
「うわ、結構混んでる。諦めるか?」
『なんで、せっかく来たじゃん』
ここに来るの何回目だろうか、
去年は箱根行ってたから来なかったな
列の最後尾に並んでぼーっと前を見つめる
やっぱりぼーっとしてると寒いなあ
『きょうへい、さむい、』
「カイロは」
『持ってきてない』
「やっぱり帰るか。俺ら病み上がりだし」
『ええ、やだ、初詣』
「…うん、じゃあ並ぶか」
と、しばらく並んでたけど
20分くらい経ってもあんまり
進まなくて
『……』
寒いせいか
それともさっきロイヤルミルクティー一気に飲んだから
『………』
おしっこしたい、
さっきトイレ行ったのに
まだそこまで時間経ってないのに、
ちら、ときょうへいの顔を見ると
きょうへいは普通に前を向いてて
『……、』
どうしよう、言おうかな、
トイレ行ってくるって言えばいいだけなのに
少しだけど迷ってしまった
さっききょうへいこっちのトイレ混んでるって言ってたし
それに神社のトイレとかあんまり入りたくない…トイレ行ってる間に順番回ってくるかもだし
我慢しよ、と決めた時だ
「……祈織、おしっこだろ、」
と、こそりときょうへいに耳元で言われた
『…なん、で、』
「お前落ち着きねえし…早く行っといで。場所わかるか?一緒に行ってやろうか?」
と、きょうへいに言われて
バレてたことが少し恥ずかしくなった
1人でトイレにいけないってまた思われてしまった
恥ずかしい、
『いい、1人で行けるから!きょうへいは、まってて、』
「あぁ、分かったよ」
『手袋だけ、持ってて』
と、無くさないように手袋を預けて
トイレに向かった
んん、トイレ、
意識したら急におしっこ我慢できなくなってきた
はやくはやく、とトイレを探して向かって
ようやく見つけた、と角を曲がった時だ
『…ぅわ、』
混んでる、きょうへいが言った通り結構混んでた
最悪、としかたなくトイレの列に並ぶけど
ただじっと並んでいるのが辛くて
少しだけ足を動かしてしまう
さっきは間に合ったから題しなはず
おしっこ漏れそうなの、
他の人にバレると恥ずかしいから必死に普通の振りをするけど
少しだけ、脚を揺らして耐える
んん、おしっこしたい、
もれる、ちんぽぎゅってにぎりたい
そしたらもうちょっとは我慢するの楽なのに、と必死に耐えるけどどうにもならなくて
ちょろ、じゅ、と先っぽの所が暖かくなる
『…っ、』
やば、ちょっとでた、と
コートのポケットの中に手を入れてさりげなく抑える
抑えてると少しだけ我慢できる、
けど、すぐにまた耐えられなくなってきて
お腹の下がきゅん、と締めつけられる感じ
『…ん、』
でる、もれる、と身体を揺らして耐えるけど
1度少し出てしまったからか
じゅ、じゅ、じゅ、と少しずつこぼれていて
パンツの中がじわじわと温かくなる
どうしよう、でてるっ、
きょうへい、
我慢できない、と涙が滲んでしまう
情けない顔誰にも見られないように下を向いて耐えるけど
もう、いっぱいちびっていて
いつ溢れ出してもおかしくない
『ううぅ、』
しかし、しゅうぅぅ、と多めの量をちびってしまった時に気付いた
そういえば、きょうへいがパット付けてくれてたからパンツのなかにしてしまったおしっこ
吸収してくれてるんだ
そう考えたのがいけなかったのか
『っぁ、』
お腹の下からふっと力が抜けて
ずっと我慢していてじわじわしていた先っぽが
じわ、と痺れるような感じがして一気に熱くなる
そして、
しゅうぅ、とパンツのなかで温かい水流が渦を巻いて
あっと思った時にはもう遅くて
いっきにじょおぉぉ、と水が流れて
パンツの中のパットが温かくなる
しかしそれだけでは追いつかなくて
パンツの中がちゃぽちゃぽする、
どうしよう、全部出ちゃった、と
動けなくても
放心していると
列がすすんでいて
恥ずかしくなって急いで列から離れた
けど、歩く度に脚の付け根の所から
吸収できなくてちゃぷちゃぷしてたおしっこが伝って零れてパンツとズボンを濡らしていく
『…っ、』
どうしよう、外でおもらし、した
大人なのに、
また我慢できなかった、
今日はうまくできてたのに、
さっき、おしっこしたいって気付いたときに
すぐ行けばよかった、
後悔してももう遅くて
おれのパンツとズボンを濡らしているおしっこは
どんどん冷えていった
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