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第206話

あれからおれの好きな映画を見ながら ホットドッグじゃなくてハンバーグが本物のハンバーガーをUberEATSして、 ポップコーン食べながらダラダラして よくわかんない時間に寝て そしてふと目が覚めてすぐにおしっこしたいことに気付いた おしっこ、と身体を起こしてトイレに行こうとしたけど やっぱりおねしょした方がいいかもしれない、と すぐに横になった おしっこ漏らしたら、 きょうへいは優しくしてくれる そしたらまたきょうへいのペットに戻れる 仕事、ちゃんとできなくても許してくれるかもしれない おしっこ、とゆっくりお腹の下に力を入れたけど おしっこは出なくて どうやっておしっこ出すんだっけ、と 寝返りを打った おねしょ治らなかった時は寝てる間に勝手に出てたのに、 なんで今はおしっこしようとしても出ないんだろ 『…でない、』 とまた寝返りをうった時だ よしよし、ときょうへいの手がおれの頭を撫でるから顔を上げると きょうへいは起きていて目が合った 「どうした?寝れない?」 『…ううん、』 どうしよう、わざとおしっこしようとしてたとこ、見られた バレてないかもしれないけど、 ずるしようとしてたの見られたの恥ずかしい すぐにきょうへいに背中を向けて起き上がった 「どうした?」 『…おしっこ、してくる』 「あぁ、しといで」 と、きょうへいは一緒に起き上がってくれた 『ひとりで行けるよ』 「じゃあ俺は待ってるから」 『…うん、』 頷いてベッドから降りようとしたけど 急に不安になった もう、ずっときょうへいに可愛がってもらえないかもしれない、 『きょうへい、』 「どうした、おしっこ行くんだろ」 『や、行くの嫌になった、』 「一緒に行くか?」 『や、おむつ、おむつして』 「おむつ?起きれたからいけるだろ、トイレ」 『やだ、おむつがいい、おむつする』 「どうした?怖い夢でも見たか?」 『今日はおれの好きな事してくれるって言ったじゃん』 「…わかったよ、おむつな」 と、きょうへいはベットから降りて おれのおむつを出してくれる 『はやく、おしっこもれちゃう、』 おしっこは、すごくしたい でも、なんかじょうずにおしっこする方法がわからなかった 「ちょっと待ってな、すぐしてやるから」 ほら、とズボンを脱がせられて 恥ずかしくて手でちんちんを隠していると 「漏れそう?」 と、聞かれて 本当は違うけど うん、と頷いた 『漏れちゃう、はやく』 「ほら、おてて退けな」 と、赤ちゃんみたいなこと言われて 恥ずかしかったけど 手をどけると久しぶりだけどいつもみたいに きょうへいがおむつをしてくれる 「できたぞ」 『うん、』 おむつすると、おしっこしていいんだ、 そう思って おしっこをしようとお腹の下にまた力をいれるけど、 『…んん、でない、』 「でない?もうおむつ卒業したからおしっこおむつにできないんだろ。トイレ行こ」 と、きょうへいはベッドから降りて おれの手を引くけど 『…いや、おむつにする』 今おむつにしなかったら これからずっとおむつでできないかも、 きょうへいのペットに戻れなくなる、 『やだ、ここですんの、』 やだ、やだ、 きょうへいに捨てられんのやだ、と、首を振っていると 「はぁ、」 と、きょうへいはため息を吐いて また迷惑かけた、と申し訳なくなってしまった しかし、 「おいで、」 と、おれの体を引いて 後ろから抱っこしてくれる そして、 「ほら、おしっこだぞ、シバ」 と、きょうへいがおむつの上から お腹の下を撫でてくれる すると、 『んん、おしっこ、でそう、』 「ほらそのままゆっくり、お腹の力抜きな」 『…うん、』 と、言われた通りお腹の下からゆっくり力を抜くと 「シバ、おしっこしていいぞ」 と、耳元で言われて お腹の下をゆっくり撫でられると 気持ちよくて しゅわ、と先っぽのところが温かくなる 出た、おしっこ、 1度でたら しょ、 しょわ、 ちょろ と、少しずつおしっこはこぼれていって ついに、 しゅわわ、しょろろろろ、 じゅううぅ、と おむつの中で水音を立て お腹の中に溜まっていた物が勢いよく溢れ出した 『はぁ、ぁ、』 「おしっこ出せたな、気持ちよさそう」 『…だって、』 「…気持ちよかったか?」 『……うん、』 我慢してたいたのを出せたのは気持ちよかった きょうへいにおしっこさせてもらったのも、気持ちよかった これできょうへいに可愛がってもらえる、 きょうへいに甘えられる 「おむつキレイにするか」 『うん』 「ちょっと待ってな、」 と、きょうへいはタオルを取りに行ってくれて 温かいタオルで汚したところを拭いてくれる おれが温かいタオルがいいってわがまま言う前に タオルでしてくれた きもちいい、 きょうへいの手が拭いてくれると安心する 『きょうへい、抱っこしよ、抱っこ』 「抱っこな」 おむつしてもらった後だと 抱っこもしたいってすぐに言える 『ふふ、抱っこ、』 「なんだよ、抱っこ嬉しいの?」 『うん、抱っこすき、』 パンツをまた履かせてくれたから すぐに起き上がってきょうへいに抱きつく 抱っこすき、きょうへい好き よしよし、と背中を撫でられて きょうへいの体温に包まれて温かくなると安心する 「最近お前全然抱っこさせてくれなかったよな」 『…そんな事ない、タイミングが無かっただけ』 「そうか?」 『そうだよ』 「どうした?甘えたくなった?」 『うん。おねしょしたかった。でもおむつでおもらしできたからまだきょうへいのペットでいられるだろ?』 「は?なに?何言ってんの、お前」 『おれがおもらしした方がきょうへいも安心でしょ?』 「は?なんで?」 『…え?だって、その方がちゃんとペットでいられるじゃん、』 「…だから、いつまで言ってんだよ、ペットなんて」 『だって、…おれは、きょうへいのペットでいたい、』 仕事ができないから、 そうなったらもうまたペットとして傍に置いてもらうしかないんだ 本当は、ペットじゃなくて立派な大人として対等に見てほしいけどそれは上手く出来なくて このまま、おれが対等に見てもらうのは無理だってわかったから、 ヤナギさんには、おれは勝てないんだ 仕事も、 一緒にいる年数も きょうへいからの信頼も なのに、 「…祈織、俺はもうお前のことペットとしてなんて見れないよ」 なんて、酷いことをきょうへいは言う おねしょも、おもらしも上手にできなくなったからもう要らなくなったんだ、 あきらくんの言った通りだった、 『…そっか、そうだよな、』 ペットでいられないなら、 ここにいない方がいいじゃん… もう、ちゃんと大人になるしかないじゃん、おれも

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