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第31話 ※

今悠星は、深月の寝室のベッド…を背もたれにして床に体育座りをしていた。深月にはベッドに座っていいと言われたが、これからする事を思うと恥ずかしくてそれは出来そうに無く。膝を抱え、深月の部屋を見渡していた。 悠星の知っている深月はガサツで豪快で強引で。こちらの気持ち等お構い無しにズカズカと入ってくる事もあれば、本気で嫌な事には一切触れないという線引きのハッキリした男で。その距離感の作り方が悠星には居心地が良く、深月と居ることは嫌では無かった。 遠くにシャワーの音が聞こえる。その音が妙に生々しく耳にまとわりついてきて、先程風呂で解した後孔が熱を持ち始めてきた。その内部の刺激に悠星は(かぶり)を振り、膝に顔を埋めた。 「悠星?」 顔を上げると、既に風呂から上がった深月が悠星を見下ろしていた。 「あ…」 深月は下着だけ纏った状態だった。綺麗に付いた腹筋を惜しげもなく晒し、そのまま悠星の前にきて目線を合わせる。 「何でベッドで待ってないの?」 悠星は目のやり場に困り顔を伏せる。 「特に理由はない。…つかなんでパンツ一丁なんだよ!」 「えーいいじゃん、これからどうせ脱ぐんだし」 「そっ、れは」 そうだけど!そうだけど!! 悠星の内心のおたおたを深月は容易く見抜いていた。彼の顎を取り、視線を合わせる。 悠星は、自分が熱を含んだ視線で深月を見ている事に気づいていない。ただひたすらに疼いてくるこの身体を、深月に慰めてほしかった。 深月は、小さく、優しく。悠星の顔にキスの雨を降らせていった。おでこ、瞼、鼻先、頬、唇。していないと言うところが無いくらい、顔中にキスをしていく。 悠星はいつの間にか深月の腕を掴んでいた。気持ちよさにふわふわと流されないように。 うっとりとした悠星をニヤッと見て、深月は悠星の唇をぺろっと舐めた。 今までと違う刺激に悠星はぴくっと反応する。 つんつんと唇を付かれるともう我慢は出来なかった。悠星は口をそっと開き、深月の舌を受け入れる。 「ん…ふ、…ん、ちゅ…ぅん…」 舌がねっとりと自分のそれと絡み合う。厚みのある熱を持った感覚に思わず舌を引っ込めたくなるが深月がそれを許さなかった。舌をじゅっと音を立てて思い切り吸われるともう力が入らない。気持ちよくて仕方なく、ますます深月に縋りついた。 「んんっ、ん…はぁ…ん…ちゅっ、ぁ…ん…」 深月とのキスは今まで何度もしてきたが中々慣れずに翻弄されっぱなし。 長い長いキスが終わり息も絶え絶えになった時、深月はニヤリと微笑んだ。 「ベッド、おいで」

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