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第33話 ※

はっ、はっ、と悠星が短い呼吸をしている間に、深月の熱い熱棒がゆっくりと後孔を押し開いていく。 「あっ、あ…あっ、んっ…」 段々と圧迫感の増す刺激に耐え切れず、深月の首へ両手を回す。その瞬間近くなった顔同士に、どちらからともなく舌先がゆっくりと絡まっていった。 「ちゅ…んっ、ぁん…はぁ…ん…」 気持ちよくて頭がぽわぽわと微睡(まどろ)んでいく。その間深月の手は身体をゆっくりと滑っていた。時折わざとくすぐるような深月の手に翻弄されていたら、最奥をグッと突かれる。 「ひぁっ!」 身体がビクッと大袈裟に反応すると同時、深月はゆっくりとキスを解いた。2人の間の銀色の糸を、深月は悠星の唇を舐めて切った。 数日ぶりの圧迫感に、悠星の奥はどんどんと熱を溜めていく。そんな彼の焦ったさを理解した上で、深月は馴染ませるようにゆったりと腰を動かし悠星を焦らしていた。 「や…あ、ぁ、ミツ…んっ」 「なーに」 「分かってるくせに…あぁっ」 気まぐれに来る強い刺激がもどかしい。 早く動いて。奥を暴いて。 …貴方だけしか考えられないようにして。 悠星は思ってる事を吐き出してしまいたかったが、自分のプライドと羞恥が邪魔して中々言い出せない。そして分かりやすい悠星は、それらが顔に出ている事を自覚していない。だからいつも深月にあえて焦らされて焦らされて、本心を声に覗かせてから本格的に攻めるのだ。 「ゆーうせい、ちゃんと言わなきゃ分かんないでしょ」 深月はその間もゆるゆると腰をゆったりと回すだけで、ガツガツ突いては来なかった。どんどん熱だけが溜まっていく悠星の口からは、はっはと短い息が漏れるだけ。 「わかる…っ」 「わかんない」 「分かってるっ」 焦らしに耐え切れなくなり悠星の目には涙が溜まっていく。自分だけしか見ることのない宝石のようにキラキラした悠星の目を、深月はひっそりと気に入っていた。 「でも俺は悠星の口から聞きたい」 ちゅっちゅと身体のいたるところに優しいキスを落としていく。彼の緊張を解すように。理性を溶かすように。 「ん…、んん、あっ、ぁん、あ…ああっ、んぁ…」 深月が悠星の乳首にキスを落とすたび、彼の腰はピク、ピクと小さく跳ねる。手で、肌でそれを感じながら、深月は最後の一押しを口に出す。 「悠星、教えて。…俺にどうされたい?」 深月の熱を含んだ甘い低音が耳に流される。もう悠星は何も考えられず、深月の腕を掴みながら内心を吐露していた。 「もっ、我慢、できない。奥突いてっ。ミツのものにして」 溜まった涙が重みに耐え切れず頬を伝う。 "ミツのものにして" 悠星がこの言葉を口にする時、彼の眦からはいつも涙がひとすじ流れていた。

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