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第35話
「ん…」
ちゃぷ…と水が跳ねる音がする。意識がゆっくりと覚醒していき、じんわりとした温かさに包まれていることに気付く。そっと目を開けると、悠星は深月にもたれて座るように湯船に浸かっていた。
「起きたか?」
少し後ろを振り返ると、前髪をかき上げた深月がにこっと優しい笑みを向けていた。体格も眼差しも、自分とは違う大人の男。
水も滴るいい男…
脳内でふっとそんな言葉が浮かび、ぶんぶんと頭 を振る。そんなことを少しでも考えてしまった自分が悔しい。
「…ごめん、風呂いれてもらって」
「別にいいよ。てかお前見た目より随分軽いよな。ちゃんと食ってるか?」
深月はそう言って悠星のお腹へ手を回す。ぐっと彼の方へ引き寄せられ、より体が密着した。
「ちょっ…やめろって!」
悠星が抗議の為に体をねじるが深月はむしろもっと腕を回してきて、悠星の肩へ顎を乗せる。
「なあ、もう一回しねえ?」
耳元で囁かれると同時、深月はぐりっと己の肉棒を押し付けた。
「あっ、や、深月…っ」
後孔の上を行ったり来たりするそれに、どうしても熱は上がる。最初は抵抗していた悠星だったが、短く息を吐きながら深月の名前を切なげに呼んだ。…そして。
「1回だけ…だからな」
その瞬間、深月のニヤッとした笑みと共に、悠星の後孔へ彼の肉棒が深々と突き刺さった。
―――――――
「あ”ーーーーーー」
不機嫌を隠しもしない悠星のか細い声がリビングに響く。悠星は今、リビングのソファーにうつぶせになって寝転がっていた。あの後確かに1回で終わったのだが、それは深月がイくまで終わらず。ねっとりしつこい1回の間に、悠星は潮まで吹かされてようやく終わった。
「ごめんごめん。悠星が可愛くてつい」
深月がホットミルクを両手にキッチンから戻ってきて、床に敷かれたラグの上に座る。ソファーの上で両膝を立てた悠星に、深月がマグカップを手渡した。まだ湯気の立ち上るそれを、悠星はゆっくりと口へ流し込む。身体のうちからじんわりと温かくなり、いくらか表情が和らいだ。
「深月…もうちょっと手加減しろよ」
マグカップをローテーブルに置いた悠星が、腰をさすりながら深月をじろっと睨む。
「でもヤるたびに敏感になって行くのは悠星だろ?」
したり顔でこちらを見てくる深月にうっと言葉が詰まり、悠星はそっぽを向いた。
「…誰のせいだと思ってんの」
「はいはい俺のせいですー」
深月はそう言いながら悠星の隣に座った。そして寝転がっていいと言われながら彼に膝枕されるように体を倒される。頭に固い膝の感触を感じながら、悠星はゆっくりと口を開いた。
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