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第41話

翌日。亮介も無事に復活し、生徒会4人+悠星で夏休みまでのラストスパートを走った。 この期間に生徒会メンバーがやっていた事は、2学期にある文化祭、選挙時に使う具体的な提出用書類の作成と、実行委員に配る各説明用の書類。そして大まかな予算の分配方法と、スケージュール立て等。毎年使い回している書類があるからそれをベースに、反省点や改善点を踏まえて今年用の資料を作成していく。 2学期は中間テストも修学旅行も入ってくる。行事ごとが盛りだくさんでより忙しくなるので、早め早めの行動を…という事らしい。 そしてこれらの仕事を生徒会メンバーが話し合いを交えながらこなしていく間、悠星は何をしていたのかと言うと。 「よし出来た。悠星これ印刷頼む」 「はい!」 「悠星くん、この資料林先生に届けて来てくれない?」 「了解です!」 「田口君、2枚1組でホチキス止めしてもらっていいかな」 「わかりました!」 主に、雑用。生徒会メンバーらの手足となって学校中を駆け回り。 「ゆうせ~、癒して…」 「…はいはい」 完全な電池切れを起こす前に、雅樹の”おもり”をしていた。と言っても雅樹が勝手に抱き着いてく来るので悠星はされるがまま。5日目くらいに何を思ったのかふと頭を撫でてしまったら、次からそれもセットでやらないと文句を言われてしまった。 全く贅沢な奴だ。 そんなことを思いながらも、放課後が毎日生徒会で潰れるこの忙しい日々を悠星は割と楽しく過ごしていた。手伝うと決めた次の日に翔太に報告すると、雅樹との関係を心配して「無理してないか?断ってもいいんだぞ⁉」と必要以上に心配してくれた。お母さんか!と思わず突っ込んだのだが、夏休み入るまでだと言ったら不満げにも納得してくれた。お母さんかよ(笑) そんなこんなで夏休みまで残り1週間を切った日。悠星は印刷した資料を各クラス分作り終え、席を立った。あらかじめ用意してあったお茶をコップへそそぐ。 「皆さんちょっと休憩しませんか」 悠星はお盆に人数分のお茶を乗せながら言った。彼の声に生徒会の面々が顔を上げる。 「あー嬉しー!休憩しよー」 神野がいそいそと机の上を片し始める。藤井も手を止め首を回し、亮介は手を組んで伸びをする。丁度その時、先程まで生徒会の顧問の先生と打ち合わせに行っていた雅樹が帰ってきた。 「あ、雅樹。おかえり」 悠星のお盆を持つ姿を見て、雅樹の顔がふにゃっと柔らかくなる。 「ただいま…、あー悠星がお嫁さn」 「嫁じゃねえ」 このやり取りもいつもの流れだった。というか毎度食い気味に否定しているのでどんどん早くなっていってるのが正しいのだが。

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