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第79話 ※
「んぅ…は、んんッ、んぁ、ちゅ…」
優しく優しくキスをされ、気が付いた時には悠星の背は柔らかいベッドに触れていた。海に入ったからシャワーを浴びてからがいいと悠星は訴えたが、深月はにこりと笑ってそれを拒否した。
「あ、んんっ、そこやだぁ…っ」
内腿にジュっと熱が走ったかと思うと、紅い花が咲く。ねちっこいほどに体中に増やされていくキスマークは、悠星の体へ熱をどんどん溜めていく。そして、一つ二つと増えるたびにビクビクと反応する悠星の身体を楽しみながら、深月はフッと笑みを深めた。
「ヤダって言う割にはどんどん濡れてきてるじゃねーかよ」
いつしか下着を押し上げるように形が分かるほどに勃ち上がっていた彼の雄へ、深月はべろりと舌を這わす。
「あぁッ!」
「んん…?ここもしょっぱい?お前これで海入ってねーよな?」
「は…いって、ないッ!ていうか…んぁっ、そのまましゃべんないでぇ……っ」
いやいやと悠星が頭かぶりを振るが、深月が辞める気配は全くない。それどころか彼はそっと下着を脱がし、更に直接咥えてきた。
「ミツっ」
思わず上に逃れようとする悠星の腰を掴み、深月は逃げるのを許さなかった。熱を逃がす方法が無くなり、悠星は思わず深月の頭をぐっと膝で挟む。
「や、ミツ、出る、もう出るッ」
「ん…ぐちゅ…出せよ」
「離してってば」
「いいから出せ…ッ」
その瞬間、深月は思い切り悠星のモノへ吸い付いた。同時に舌で亀頭を刺激する。
「あ、あ、アッ、ぁあああああっっ」
彼の手管に悠星が勝てるはずもなく、悠星は呆気なくイってしまった。
「はあ、はあ、は……」
これで何回目だろうか。しかも大して弄られていないのにイってしまった。とりあえず必死に息を整える悠星に、深月が覆いかぶさるように覗き込んできた。ふっと彼を見上げると、熱を持った身体に汗がしっとりと出始めていて。グッと髪を掻き上げながら、ぺろりと唇を舐めて悠星を見下ろした。余裕綽々なその態度に文句の一つや二つを言いたいのに、あまりにもエロ過ぎて思い切り視線を逸らすことしかできなかった。
「悠星?」
「…」
「…悠星?」
「……」
「…なんで無視すんだよ」
「んあッ」
深月の色気に当てられて、いや当てられないように、視界に入れないようにしてたのに、乳首をぎゅっと摘ままれて思わず声が出てしまう。
「ねえ、なんで無視すんの」
「あッ、や、ごめんなさいっ、んん」
「もしかしてお仕置きしてほしかった?」
「そ、んなんじゃッ」
話している間も手を休めない深月を、悠星はぎゅっと睨むように見返した。今の深月にお仕置きされるとかなんか絶対やばそうだろ……!
しかし深月の色気は健在で。むしろなんか増してて。
せめて顔は見ないようにと、彼の首に腕をするりと回す。一瞬びくりとした気がしたが、気に掛ける余裕もなく悠星は深月の胸に顔を埋めた。
「…なんか今日深月エロい」
「は?」
「色気駄々洩れッ!何だよエロ魔王か!!あんな…、あんな見せつけるみたいなことしなくてもいいのに……!」
つい先程の、こちらを見下ろす深月の表情を思い出してしまい、さらに体が熱くなる。無意識に抱き着く力が強くなったことに気付かないまま、悠星は話を続ける。
「ねちっこいし、ずっとキスマつけてくるし。俺ばっかイかせてくるし、自分はイかないし。ていうかナカ挿れてこようとしないし!」
知らず知らずのうちに溜まっていた欲求不満をここぞとばかりに深月にぶつけた。
「ふーん…エロ魔王ねぇ…」
「そうだよ!これどうすんだよ!もう見せらんねーじゃねえか!」
「見せる?ダレに?」
一気に部屋の温度が下がった気がして、悠星は小さく息を呑む。そっと深月の胸から顔を離して見てみると、彼は非常に"イイ"笑顔で悠星の目をじっと見つめていた。
「ダレに?」
「いや、その、プール、とか、さ」
「またアイツと行く気なの?」
「へ…?」
アイツって?雅樹の事言ってる?いや、もう行かないと思う…
その時、亮介との会話がふっと脳裏を過った。
『楽しかったか?』
『…楽しかったです。また、来たいです』
確かにそう言った。確かにその時はそう思った。でも来年も本当に行くかは、分からない。
「…俺といるときに他の奴の事考えんなよ…」
ハッと意識が再び深月に向く。その瞳は、先程よりも暗い光を宿していた。
「お前は俺の所に居ればいい」
その言葉と共に、悠星の後孔のふちをぐちゅりと撫でられた。
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