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side さくら  それからしばらくすると、待合室の外からルリコさんの明るい声が聞こえてきた。 「さくらちゃーん! いらっしゃい。来てくれたのね」 「ども、久しぶり」  俺がそう言うと、ルリコさんはニコッと笑った。 「なによ、珍しい時間に来たのねー」 「うん、ちょっと話したくてさ」  俺はルリコさんの後について、個室に向かった。  それから…ちょっと迷ったけれど、いつものように一通りのサービスを受けることにした。怜にもセックスしてきて良いって言ってきたし。  通い慣れたこのお店、もう来ることもないかもな、と思いながら俺は自分に気合を入れた。  それなのに… 「あれ? さくらちゃん、何だか全然元気になりませんねー。どうしたのかしら」  いつもはルリコさんの裸を見た途端元気になる我が息子が(いつもは大体溜まってたってこともあるけれど)今日はグッタリしたままだった。 まぁ、最近は怜と充実した性生活を送っているから、女性の裸を見ただけで起つほど溜まってはいないんだな……。 「えーと、前みたいに欲求不満になることがあまりなくなったから…」  起たないことが申し訳ないような気がして、俺はそう言い訳をした。 「あー、わかった。恋人が出来たんでしょー」  ルリコさんがそう言ってコロコロ笑った。 「実は、そうなんだ」  俺が答えると、ルリコさんがちょっぴり意地悪な顔をした。 「えー、恋人出来たのに、ソープに来てて良いのー?」  俺の元気のない息子を指でツンツンしながらルリコさんが言った。その刺激に俺の息子はちょっぴりだけ反応した。 「今日だけは良いんだ。ルリコさんに、俺に恋人が出来たこと、話しておきたくて。もう来ないかも知れないってね。って言うか、実は、恋人がセフレと別れてくるって、会いに行ってるんだよ。でも、多分あいつ、やってくるからさぁ、俺もやっとかないと損した気分になりそうだし…」  そう答えるとルリコさんはメチャメチャ驚いた顔をしてから笑い出した。 「えー? さくらちゃんの彼女、セフレ居るようなドライな人なんだね。私が言うのも変だけど」  恋人が「彼女」ではなくて、「彼」だと言うことを話すかどうか、少しの間迷ってしまった。 「あ、ゴメンね、嫌な言い方だったかな?」 「ううん。大丈夫だよ、気にしなくても。あのさ、恋人って、『彼女』じゃなくて『彼』なんだよ」  俺がそう言ったら、ルリコさんが「えーーー」と驚いたような声を上げた。 「あらあら。そうなんだ? だって、さくらちゃん、女の子が絶対良いって言い張ってたわよね?」 「まぁね。俺もまさか同性の恋人が出来るとは思ってなかったよ」  俺の言葉にルリコさんはクスっと笑った。 「私は、ちょっと思ってたかなー」 「え、なんで?」 「うーん? なんとなくだけどね。職業柄色んな人見てるから、勘が働くようになったのかな?」

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