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side 怜  さくらちゃんが「やりたくなっちゃったし」と囁きました。  素直な気持を伝えてくれたことを嬉しく思ったのですが、私は沙江子さんを満足させるまで奉仕してきたため、さくらちゃんの気持にこたえられるか体力的に自信がありませんでした。  食事をすれば少しは体力が回復すると思うのですが――。 「さぁ、帰りましょう」  嬉しそうに私を見ているさくらちゃんにそう声をかけました。 「おう。早く帰ろうぜ」  さくらちゃんは上機嫌で返事をしました。さくらちゃんが元気だと、私の心も元気になります。 「どこかで食べていきましょうか?」  そう提案したのですが、さくらちゃんは「うーん…」と言って浮かない顔をしました。その後、周りを見回して、人があまりいないことを確認すると、さくらちゃんが遠慮がちに手を繋いできました。 「なぁ、怜は…やりたくない感じ?」  さくらちゃんが前を向いたままそう聞きました。 「いえ、そうじゃないんですけどね…」  疲れていることがさくらちゃんに伝わってしまっているようです。 「あー。わかった。やっぱ、エロOLがしつこかったんだろ? 最後だからお願い!って」 「…あの…その通りです。あの人は本当にすごいんですよ…。彼氏さんも大変だと思います――」  私がそう答えると、さくらちゃんは驚いたように私の方を向きました。 「何だよ、エロOLは彼氏いるのか?」  声が少し怒っているように感じました。 「えぇ、私と会った頃は別れたばかりだったようですが、復縁していたとかで」  言わない方が良いのかも知れませんが、下手に嘘をつくと後で面倒なことになってしまいそうなので、正直に話しました。 「ふーん。彼氏いるのに、怜とはそのままセフレでいようとしたんだ?」  さくらちゃんの声のトーンや話し方から、さくらちゃんは思ってる以上に一途で真面目な方なんだろうなと再認識しました。 「えぇ…どうやら…彼氏さんのテクニックでは満足できないとか…」 「そうだなー。言われてみると怜みたいに丁寧に扱ってくれる奴って少ないような気がする…。俺もルリコさんとよりも怜との方が良いって思った。まぁ、愛があるから余計良いのかも知れないけどな。それに……」  さくらちゃんがサラッと言いました。自分もセックスしてきたので、何も言えないのですが、さくらちゃんが女の人としてきたなんてことを考えただけで、また何とも言えない嫌な気持ちになりました。 「それに…なんでしょう?」 「俺、気づいちゃった。奉仕するよりもされる方が、自分にあってる気がする…」  正直すぎるさくらちゃんの言葉に、私は体中の血がたぎるのを感じました。

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