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純愛 9-2

 足枷を外したがらない孝司には、正直手を焼いていた。  孝司は言わなかったが、無意識のうちに繋がれていることに依存しているのだろう。拘束され続けることで、仁科との繋がりを保っていると考えているに違いない。  片山は孝司をここまで追いつめた仁科を到底許すことはできない。  壊れていく孝司を見るのも、もう限界だった。 「孝司は俺が護る……」  片山はかねてから孝司を助け出す計画を立てていた。  当初は仁科の目が厳しく、余計な真似はできなかったが、気の抜けている今が絶好のチャンスではないのか。幸いあらゆる準備は、もう整っている。あとは実行するのみだ。  しかし焦りは禁物だ。片山はもう少し様子を見ることにする。もしも仁科に動きがあったら、すぐにでも孝司を連れ出せるように、片山は荷物をまとめた。

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