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狂想 7-3
「仁科さん、髪型変えました? とっても似合っています。かっこいいですよ!」
責任者との話を終え啓一が仁科の元に戻ると、若い女性社員に甘い声で褒められている仁科は満更でもない顔をしていた。
「仁科」
話を終えた啓一が声をかける。
「もういいのか、啓一?」
「ああ、ここじゃあ何だから、場所を変えて――」
「啓一さんって言うんですね? 素敵です! 仁科さんのお友達?」
「あ、ああ……大学時代の同期だ」
「失礼、我々には次の用があるので。仁科、急ぐぞ」
高校で女生徒からさんざん追い回されている啓一は軽く会釈を交わし、仁科を連れ出した。帰り際、事務所の奥に座る課長と目が合い、念を押された気がした。
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