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「震えてる?優しくするから怖がんなよ」 柊は涙をそっと拭い、髪を撫でながら顔を近付けた。 「ん、んっ……!」 嫌悪感から頭を振って拒絶する。 それでも柊に無理矢理口付けられた。 なんで… 初めてなのに、こんな奴に…… 怒りと喪失感と悲しみで、信じられないという目で柊を見る。 「……もしかして、初めて?柚希、こんなに可愛いのにキスするの初めてなんだ」 柊は嬉しそうに唇に弧を描いた。 両手で頬を挟んでがっちり固定されると、顔を近付け角度を変えながら、啄むように何度もキスを落としてくる。 リップ音と唇と唇が触れる、生温かくて柔らかい慣れない感触に鳥肌が立つ。 「ねぇ、舌出して」 恐る恐る舌を出す。 恐怖で震える舌を、柊の長い舌がねっとりと絡めてきた。 ぬるりとした未知の感触。 舌を吸われたり、舐められたりすると、今まで感じた事のないゾクゾクとした感覚が体の奥から湧いてくる。 力が入らなくなり、だらしなく開いた口の隙間から柊の舌が滑り込み、咥内の奥から、舌の裏側、上顎や歯列の隅々まで舌で掻き回されてしまう。 「ん、んんっ、ン……」 鼓動が早くなり、咥内を塞がれ呼吸が上手く出来なくて、苦しくて変な声が出てしまう。 「女の子みたいな声で可愛い。まだ、声変わりしてないんだ」 「ンンっ……」 出てきてない未熟な喉仏の辺りを指でなぞられ、くすぐったくて変な感じで、また声が上がってしまった。 「感度も良いね」 「やっ…………!」 突然、Tシャツを捲り上げられ、胸の尖りを指で軽く擦られる。先程と同じゾクゾクとした感覚に体が驚いて跳ねる。 「ピンク色で女より綺麗。ここ弄った事ある?」 「そんなの、ない………やめっ…やだぁ……」 熱を帯びた目で見つめながら、尖りを舌先でチロチロ舐めたり、転がしたり、吸ったりしてくる。 嫌なのに、くすぐったくて気持ち悪いのに…… それ以外に奥が疼くような変な感じもして、恐くて逃げるように体を捩る。 柊はニヤリと笑いながら、もう片方の尖りを手で弄り始めた。 二つの尖りを同時に弄られ、自分でも信じられない用な甘ったるい声を出していた。 耳の中に響く声は、AVで見た女が漏らす声と一緒だった。 ーーなんで、なんでこんな声が出るんだよ 手で口を塞ぎたくても、両手は虚しい金属音を立てるだけで何の役にも立たない。 「あぁっ……やっ……」 「毎日オナニーしてんの?」 「して、ない……」 「へー、淡白なんだ」 そう言いながら柊は熱を持った俺の中心を、布越しに弄りだした。 直接的な刺激に更に硬さを増し、自分の息が発情してる犬みたいに荒くなってるのがわかる。 「もっと気持ち良くしてやるよ」 下着ごとハーフパンツを脱がされ、反り返った自身が露になる。 「いや……も、やめっ……あっ、ぁあん…」 性的な事にはわりと淡白だったけど、男だから興味はあるし知識はあった。 だけど、男同士でする性行為の事は何も知らない。 勃起した俺のそれを柊が長く熱い舌で舐めた。 その光景が信じられなくて、それでも体は素直に快感を享受して、拒絶の言葉と矯声を織り混ぜながら、恐くて頭をいやいやと振る。 そんな俺を面白そうに眺めながら、柊は咥内に俺のモノを咥え口をすぼめると、水音を立てながら上下に扱くように動かし始める。 「やぁ…んっ……あっ、あぁぁぁぁ!」 痺れるような快楽に、恥ずかしいくらい呆気なく吐精してしまう。 「いっぱい出たな。溜まってた?柚希の濃くてうまかったよ」 AVでは女がする事だ。それを自分が今やられてる。 男なのに男に咥えられてイッてしまった。 キス、フェラチオと初体験が男に、柊に次々奪われていく事に戦慄く。 「じゃあ、俺のも同じようにやって」 「…えっ……?」 俺も男のモノを? そんなの無理だ。 いやだ、汚い ジッパーを下げる音がして、手慣れたように柊がジーンズを脱ぎ下半身を曝す。 柊は膝をついて跨がりそそり勃つ熱を、仰向けに寝る俺の顔に近付ける。 フェラチオなんかしたくなくて、唇をきつく結び、拒絶するように頭を激しく振り顔を背けた。 「やれって言ってんだよ」 「ぅぐっ……」 強い力で頬を平手打ちされる。 頬の痛みと悔しさに涙を浮かべ、鼻を啜りながら、屹立する雄へ舌を這わせた。 雄の臭いとしょっぱい味に嘔吐きながら、柊にやってもらったようにチロチロと舐めた。 「咥えて」 小さい口を精一杯開いて咥える。 凶暴なまでに長大なそれを全部含む事は出来なくて、咥えきれない竿の部分は手で扱いた。 「気持ちいいよ」 うっとりとした目で俺を見下ろし、髪を撫でてくる。 また暴力を加えられるのが恐くて、拙くも音を立てながら頭を動かした。 「歯立てたら殴るからな」 柊の息もだんだん荒くなっていき、両手で頭を掴まれ、喉奥に当たるまで腰を動かし激しく抽挿を始めた。 吐き気が込み上げてくるけど、吐いたら怒られると必死に堪えながら咥え続けた。 生理的なものか悔しいのか、よくわからない涙がポロポロとこめかみをつたう。 「出すよ……柚希、飲んで」 「……んぐっ………」 口の中で質量を増した熱が弾け、青臭い臭いに嘔吐きながらも、溢さないようにゴクンと嚥下する。 「ちゃんと飲めたか、口開けて見せて」 涙と涎まみれの顔を柊に向けて口を開けると、「いい子」と頭を撫でられる。 やっと地獄のような時間が終わったと、ひと安心する。

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